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組織のビジョンはどのように表現される必要があるのか

  • 考え方を学ぶ
  • 2012/03/01

会社でも大学でもビジョンを明確にすることは素晴らしいことだ。

それは組織が将来にどのような姿になっていたいかを示しているため、組織の構成員にとっては行動の“よりどころ”になるからだ。

その意味から言うと、ビジョンは「額に入れて飾っておくもの」ではないし、「実現不可能なこと」であってもならない。

また「抽象レベルが高すぎてなにをしてよいかわからない」ものでもない。

では、ビジョンとはどのように表現されていると良いのだろう。

よくあるのは、経営者が主観的に考えた“組織のありたい姿”をビジョンにすることだが、それは正しいのか?

今のような経済環境では社会や顧客、そして重要な組織構成員である従業員が期待していることを無視できるものではなく、経営者の想いと、顧客や従業員の期待値を含めたものであることが大事だろう。

もちろん、単にビジョンを示すだけでは不十分であって、それを実現するために必要不可欠な取り組みを明確にしなければならないのは言うまでもない。

従業員を抱える組織が30周年などの節目となる年や社長の交代期に次の時代を考え、ビジョンを定めることは素晴らしいことだと思う。

それは新しい時代へ乗り出すリーダーとしての決意の表れであるからだ。

でも、多くの組織のビジョンはどちらかというと、儀式的なものであることが多く、言いっぱなしで終わっているようにも思える。
 
もちろん何周年記念とか新しいリーダーの就任はある意味、儀式的なところはあるものの、単に節目とか“代がわり”というようなニュアンスではなく、まさに新しい、そして厳しい戦いの場に乗り出す“総帥”としての“実現を約束する誓い”であるべきだろう。
 
それはどのように作ればよいのだろうか。
 
社会のトレンドは評価した、優良企業の取組み方も調べた、経営層の人々の意見を集約したし、従業員が期待する企業像についてもアンケートを取った。

これらの情報を基に作成されたビジョンはきっと素晴らしいものになるに違いないと思うだろう。

実はこれらの情報から導き出されたものは、“普通の良い会社のイメージ”にしかならないのだ。

まして、本当にそのような会社を目指して邁進するのかと自問自答すると、おそらくそれは違うだろうということになりかねない。
 
ではなにが欠けているのだろう。
 
問題解決に取り組んでいるみなさんなら、その答えはわかるだろう。
 
その通りなのです。
 
まさに自社が大きく成長して来れなかった“本質的な問題”がなにであるかを理解することは、ビジョンを作る時にも必要となるのだ。
 
ビジョンとビジョン実現のための取り組みは対になって考える必要があり、その会社の大きな問題点を解決しない限り“ビジョン”にどのようなことを書き記そうが、実現することが困難な“絵に描いた餅”になる可能性があるからなのだ。
 
ビジョンは自社の魅力を高め、競争力を強化する領域や方法ついてきっと触れられているだろうし、もちろんそれを実現するために不可欠な活動についても明言されているはずなのだ。

その2つが揃って初めて、従業員にとっての行動のよりどころになり、株主や顧客からも圧倒的な支持を得ることが出来るようになるのだ。
 
文責:斎藤顕一

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