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本社に頼らないで拠点主導の施策の立案を目指す

  • 戦略策定のためのアプローチ
  • 2010/12/06

本社が東京や大阪にあったり、国外のパリやニューヨークにあったりした場合、出先機関である地方や日本支社などの拠点は、本社が決定した施策をそのまま受け入れて事業活動をすることが普通に行われている。
これは正しいのか?
組織運営からすると正しいのかもしれないが、業績をあげることが目的だとするとそのまま受け入れることは決して正しいことではない。
なぜならば、拠点が担当している市場の特徴は、本社が認識している市場と必ずしも一致していないからだ。
なぜそのようなことが起きるのか。
市場を構成している顧客ニーズの変化のスピードが速いこと、本社の多くは、今ある製品をなんとかして売りたいというプロダクトアウトの考えが中心であること、拠点がテリトリー市場で起こっていることを顧客から学ぶことができたとしても、それを拠点主導で自らの“施策”を考え本社を説得することができないからだ。
とすると、拠点がまず取組むべきことは市場で起こっている情報を収集し単に本社に伝えるだけではなく、拠点において売上を増大させるための施策を立案することが極めて重要ということになる。
これは困難ではあるものの、学習することで身に着けることができるので学んでみる価値は大きい。

 
 拠点長と討議していてよく聞くことは、「売上をあげるための取り組みとして本社から言われていることは、市場の実情にマッチしていないのでなかなか成果を上げにくい」というのがある。
 
もともと売上をあげることが難しい環境の中で、本社の指示が間違っているとは言えず、もちろん自分たちの営業力に問題あるとも言えないため、目標達成していない拠点は競争相手や製品仕様や価格に問題があるとして済ませてしまう。
 
目標達成ができないと若干ボーナスは減るかもしれないが、責任を取らされることもないので、いつまでたっても業績はあがらない。
 
そもそも売上をあげる取組みというのは、拠点が市場を評価した情報と本社の意向と期待値の両方から導き出したもの。
しかしながら、多くの場合は本社が市場全体の数字とか拠点に関するデータを分析した上で施策を立案するのが普通になっている。
 
それなのになぜ実情とマッチしていないのか。
 
本社に蓄積されている拠点に関するデータの多くは“事業活動の結果”であり、“施策立案”には市場の動向とか、対象顧客が製品や販売方法に求めていることが反映されていなければならないのに、それが評価されていないからだ。
 
もちろん、本社が全拠点に出かけて顧客を訪問し、拠点の施策を考え出すことが出来れば良いがそれは不可能に近い。
とすると、拠点自体が施策を立案できるスキルを持つことが必要になるということになる。
 
そのためには、まず会社全体がなにを目指しているのかを理解することが重要であり、その枠組みの中で拠点は自分たちが対象としている市場がなにを求めているのかを、訪問した顧客や代理店から学ぶ必要があるのだ。
 
もちろん、学んだ情報だけからでは個別顧客がどんな意見を持っているかがわかったとしても、拠点全スタッフで取り組むべき“成功確率の高い施策”は導き出せない。
 
拠点に関する数値データの分析と“顧客の意見”の両方を評価することで初めて“施策”が立案されるのだ。

文責:斎藤顕一

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