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新入社員教育をきっかけに人材育成プログラムを見直してみる

  • 人材育成
  • 2010/04/10

新入社員研修がまっさかりの季節。出来るだけ早く使える社会人を育てるべく、いろんなプログラムが実施されている。
アルバイトはしたことがあるものの、社会で働いたことのない人にとって、 社会や業界常識だけではなくその企業の常識に出来るだけ早いこと触れさせ、理解させることは重要である。
ただ、多くの場合、企業にはいかに“覚えさせるか”、“体験させるか”を中心としたプログラムで、 今までの企業文化の型にはめようとしている傾向があり、新人ならではの特徴を生かすことをも考えるべきだろう。
新入社員とは企業のキャリアにおける最初のステージであり、企業における人材育成プログラムの最初の活動といえる。 つまり、新入社員教育が、今までの人材育成の思想や枠組みを越えていないとするならば、 将来的にも今まで以上の優れた人材を作り出すことはできないと考えたほうがよい。
新入社員を迎えることは、その会社が築いてきた企業文化に新しい息吹を吹き込む絶好の機会でもあり、 全社の人材育成プログラムの設計にも影響を与えることが出来ることを理解すべきだろう。
もちろん、新入社員にも、自分たちが得てきた知識や感性でどのように企業活動に貢献し、 どのように自分の能力を高めていくべきなのかを教えなければならないし、 全社員に対しても新しい人づくりを展開していく決意と方法を示さなければならないことは言うまでもない。

 
新入社員には優秀な学生や、おもしろい個性を持った人達がいる。
 
しかし、そのような特徴のある人達が、会社に入社してほんの数年経つと普通の企業人になってしまう。
 
企業が新入社員を採用する目的を“定期採用”、“欠員の補充”、“戦力強化”、“若返りを図る”などに設定している限り、 当然そのような結果になってしまう。
 
この場合の育成の視点には、“素質を見抜き出る釘を抜く”発想がないため、 配属された部門で仕事を覚え生産性を高めて仕事が出来ること、 上司や先輩の指示に従うこと、そして他の人よりも頑張れる人など“配属された部門でいかにうまくやれるか”の枠組みでの育成方法になってしまう。
 
これらの方法は、その企業が長年築いてきた事業運営の方法に適した“企業戦士”を作ってきたのかもしれないが、 現在のように新しい市場での戦いが求められる中で、多様な価値観を持つ顧客の信頼を得るための人材育成にはまったく不適当とも言える。
 
成功の鍵も今までとは異なった競争環境で戦える人材とは、対象とする顧客の心を出来るだけ理解しようとする姿勢を持っていることや、 ITと事業を結び付けて考えることが出来たり、また論理的にモノを考えることが出来て顧客や取引先とコミュニケーションが取れる人達のことを意味している。
 
今までの育成方法を継続している限りでは今まで以上の優れた人材を輩出することはまず困難と考えたほうがよい。
 
まさに新人教育を“新たな会社のスキル獲得や文化の創造のきっかけ”として捉え、 “どこの会社でも使える人材”を意識して新入社員だけではなく、 新しい企業文化作りに参加できる人材を含めて育成プログラムを設計することが重要となる。

 
文責:斎藤顕一

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