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間違った社員への温情主義は会社を滅ぼす

  • 企業のリーダーとしての正しい考え方
  • 2008/11/08

人を大事にすることは素晴らしいことだ。
企業の業績が上がるか上がらないかは“多くの人の知恵と行動”によって影響を受けるため、人を大事にするかしないかはまさに企業業績の明暗をわけると言っても過言ではない。
人を大事にするとは、人に企業が目指しているビジョンを示し、それが実現できるような学びの機会を提供し、自分の能力を最大限に発揮できるようなチャンスを与え、貢献に対して次なる大きな貢献が出来るように報いることなのだ。
貢献することができなくなった人には別の貢献が可能とする領域を提供する。
これらの一連の取り組みを行うことで、初めて“人を大事にしてきた”と言える。
成長することを放棄している人を、単に過去の貢献だけで他の人に影響を与えるポジションに残し続けることは、実は人を大事にしていることではなく、むしろその人をダメにすることだけではなく、会社を崩壊させる道を選んでいると考えるべきなのだ。

 
【解説】
 
自分を成長させようと、知識を増やす努力したり、いい仕事をしようと工夫したり、人の話に耳を傾けたりする人を見るとなんだか楽しくなってくる。
将来になにか面白いことが起こりそうで応援したくもなる。
 
会社の成長には戦略的施策が必要であるものの、自分の成長を求めそれが結果的に会社の成長につながるはずだと考える人材がいるかどうかで、企業が大きな飛躍が出来るかどうかが決定される。
 
まさに、企業においては“成長することの意味”が単に自分の属する組織における出世という小さな目的ではなく、自分の価値を高めるためだと理解して、自ら苦労する道を選ぶ“人財”を作り出す必要がどうしてもあるのだ。

 
 
確かに、企業において成長することの重要性をなんとなく理解し、自分を高めたいと考えている人は、若い人を中心に結構存在している。
 
この人たちは、先輩の意見や人事部の考えを聞くことはできるものの、“どのようにすれば効果的に自分を成長させることが出来るか”の考えをしっかりと持っているわけではない。
 
そのため、経営者が人財開発に関して自分の言葉で“思想”を伝え、その思想を具現化するための具体策を示すことに期待するのだ。
 
多くの企業が、“本人任せ、現場任せ”の姿勢をとるが、その意味は、人を大事にすると言いながら、なにもしていないことを従業員に公言していることと同じなのだ。
 
企業の人材育成に対する取り組みは、単に思想を明確にするだけではなく、すべての人事施策が人の育成に軸足を置いた取り組みであり、貢献した人財に公平に報いることが大前提になる。
 
それが人事施策の根幹であるにも関わらず、“成長することを放棄して、なんら貢献できない人間を間違った温情主義で守る”ことで、会社発展の担い手となる人材を失っていくことに拍車をかける。
 
物理的に退職することも大きな損失ではあるが、可能性のある人材から成長する意欲を奪ってしまうことは、会社全体から“人を通じて企業を成長させる風土”を奪っていくことにつながり、その影響度合いは極めて大きいのだ。
 
大事な考え方は、意欲のある貴重な人財を育成することで会社の成長を達成することであり、自ら成長することを放棄した人たちを温情主義で守ることではないのだ。

 
文責:斎藤顕一

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