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チーム演習作業の効果を高める

  • 重要なスキルと考え方
  • 2011/11/21

問題発見の演習を企業研修などでよく行うのですが、よく出来るチームと出来の悪いチームがある。
各チームの構成メンバーは5人から10人ぐらいでランダムに分けられているので人のよしあしの偏りがあるとは考えにくい。
もちろん問題解決の考え方をよく理解している人と理解していない人がいるのは当然のことだけど、それぞれのチームメンバーの発言内容を聞いていると、どのチームにも優れたひとがいるにも関わらずなぜその格差が生まれるのかを知るのは非常に興味深い。
“演習結果の違い”に影響を与える変数を考えてみると、討議のイニシアチブを取っている人の問題、チームワークの取り方の問題、討議の進め方の問題の3つぐらいが考えられる。
誰がイニシアチブを取るかでよく起こるのは、年齢とか役職が上であるとか、“声がやたらとでかい”とか、良いアウトプットを出すこととは関係のないことでリーダーを決めてしまう。
もちろん、それらの人が問題解決の考え方をよく理解していて、チームの人達の能力を引き出せるのであればいいのであるが、そうでない場合はまずうまくいかない。
チーム演習の目的は、メンバーそれぞれの人の考え方から学び、みんなでよりレベルのアウトプットへと導いていくはずなのに、“自信を持って間違った考えを言える豪傑”がいたり、そもそもあまりしゃべらない人が沢山いると、意見を自由に言える雰囲気でないので、やっぱりうまくいかない。
お互いによく知らない人同士でチームを結成するので、よけいに大変だ。討議の進め方であるが、限られた時間の中で演習を行うので(これは企業活動においてもなんでも期限が決まっているので同じ)、出来るだけ「問題の本質」がなんであるかについての討議をすることが重要になるのであるが、ともすればリーダーを誰にするかを決めるために膨大な時間を使ったり、細かい事実をどう解釈するかの討議に時間を使ったりする。
面白いことは、優れたアウトプットを出すチームは、ひとつだけ出来ているのではなくこの3つのすべてについてうまく取り組んでいることだ。
演習をどう進めるかは学びのレベルに大きな影響を与えるので、チーム演習への取り組み方を真剣に考えることは大きな意味があるのだ。

 
チーム演習からなにが学べるのか?
チームメンバーの人がどんな考え方をしているのかを知り、そこから自分の考えを見直してみる。
 
“なるほど!そんな考え方をしていなかった”とか“その考え方はちょっと無理があるぞ”みたいに、自分の考え方を確認し、新たに考えを広げたり深くしたりするためのアイデアをもらえたりする。
 
それだけではなく、チームをどのように機能させればよいのかとか、どのようにすると人の考えを引き出せるのか、ということまで学べるのだ。
自分個人で孤独に考えるだけではなく、より多くのことを学べる機会だから、その機会を有効活用しない手はない。
 
ではどのようにすると効果的なチームを作ることができるのか?作業の進め方に沿って考えてみよう。
 
問題の本質を考えるためには、まず事実に着目する。
チーム作業では“事実の書き出し”をポストイット上に行うわけだが、良くないチームは書き出す段階で個人の解釈で選別してしまっている。
 
一つの事実だけではそれほど重要そうに見えていなかったものも、ほかの事実と一緒に考えると重要な意味を持っていることがあるので、ともかく事実を書きだすことだ。
 
次に沢山ある混在した情報を(ポストイット)仲間同士を集めるように分類するのであるが、ここで差が出てくる。
 
やたらと大きな括りで分類しようとしたり(外的と内的みたいなもの)、最初から知っている意味のないフレームワーク(人・モノ・金みたいなも)を決めてそれで分類すると、なにが起こっているかを理解するのにやたらと時間がかかる。
そうすると大事な問題の本質について討議する時間が減少しありきたりの考えしか出てこない。
 
フレームワークで整理する意味には2通りあって、全体でなにが起こっているのかを自分たちが理解しやすくするためと、もうひとつは人に理解してもらえるようにするためがある。
 
慣れないうちはまず“自分たちが理解するために分類する”ことが大事で、情報の分類を“明らかに同類”と考えられるものを、それほど情報量が多くなくてもまずグループ化して、それを要約するのがいいだろう。いくつかの“要約文”が出てきた段階で、それらの整理軸を眺めて、人に説明するためのフレームワークを考えてもよい。
 
企業の本質的な問題を理解するためには、大きなくくりとして市場・競合・自社とか、取り巻く環境(市場と競合)・自社戦略・自社体制というような分け方があるので、それで整理して考えても良い。
 
グループ化された情報を要約する時に大事なことは文章の意味を理解して要約することで、文章を単にまとめることではないことだ。
 
このようなアプローチで考えるとすると年齢とか役職は関係がないことがわかるだろう。
 
事前に演習テーマも決まっていて資料が配布されている場合が多いのだから、自分なりに“なにが本質的な問題になるのか”を論理的に整理しておいて、みんなで自分がやったものを持ち寄って、論理的に説得力のあるのを選んで、それをたたき台として討議するのは有効だ。
最初からリーダーを決めるよりははるかに効果はありそうだ。
 
また、誰が全体の討議のイニシアチブを取ろうが、自分の考えを述べたり、ほかのメンバーに意見を求めたり、ともかく全員の知恵を結集できるようにする必要があるだろう。
 
チームワークが取れているグループは明るく笑い声が満ち溢れている。話しやすい雰囲気づくりに全員が努力すべきなのは言うまでもない。

 
文責:斎藤顕一

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