圧倒的営業力を持つ人はこんなことをしている

「営業の基本である製品知識、コミュニケーションの取り方、接客法、必要書類の作成法などを徹底している」、

「CS(顧客満足度)を高めるために、営業活動のプロセスを細分化して弱いところを強化している」、

「お客様の満たされていないニーズを理解することで期待値を超える製品やサービスを提供する」などなど、

営業力強化に取り組んでいる企業はたくさんある。

しかし、このような営業力強化策に取り組んでいるものの、期待した成果をあげきれていないのが現実。

ましてや、“営業の伝説となるような傑出した人材”を輩出することはまず出来ていない。

なぜか?

それは、本当の営業力はスキルではなく、“心の持ち方”の問題と関係しているからだ。

顧客の利益を第一に考えると言いながら、自分の利益や会社の利益をあげることだけを意識している人は、本当の顧客満足を与えることができないということ。

とすると、営業の伝説となる人はどのように考えているのか?

営業はもちろん、自分の“顧客”は大事にする(実は、大事にできない、大事にしていない人はいっぱいいる!)。

伝説になる営業は、自分のお客様を大事にする前にまず“人”を大事にするのだ。

その“ひとたち”は、そんな彼に感動して、そのあと彼の“お客様”になる。

もちろんそれだけでも、素晴らしいと思うが、伝説になる営業は“大事にする人”に認められるように自分を磨き続けることに努力し精進する。

心の持ち方と自分に厳しくなることがカギであるのだから、自分たちにも出来るはず。頑張ってみたいものだ。

車の営業の平均販売台数は月間4台程度。

私が会った“伝説の営業”は月間30台。

既に定年を過ぎ子会社に転出したけど、まだ月間25台は売っていると聞く。

彼は、人に気配りをする、人がどのようにしてもらったら喜ぶのかを理解してその人を喜ばせる。

まさに、“人の喜びを自分の喜び”と考え、そのように行動する。

彼が興味を持つ“人”は、その人が出来ているかどうかは別として“人を大事にすることの重要性”を理解している人だと言う。

まさに類は友を呼ぶわけだ。

だから、利己主義の人はやっぱり苦手らしい。

自分の営業成績だけを考え、どのように顧客に商品を売りつければよいかだけを考えている営業といかに違うことか。

自分の利益だけを考えた時には、すでに顧客満足の世界とは無縁の世界に入っているということ。

彼はまた、自分に高い目標を与え、その目標実現のために徹底的に努力する。

その目標値は、営業1年目から会社でNO1になることであったり、誰もなしえなかった販売台数であったりする。

それに向かってスピードを高めて取り組む。

仕事も早いし歩くのも早い。

自分と同じ類の人を喜ばせることを常に考えているので、いつのまにかお客様の数が増えていく。

困っているお客様にはその問題を解決してくれる別のお客様を紹介して、両方のお客様から感謝されて、また次の新たな人が紹介される。

そのような好循環が結果的に作られているのもすごいことだと思う。

ちなみに、彼は整備担当のサービスメカニック出身で営業の経験はゼロ。

車の整備をしているだけなのに、顧客からの直接指名があまりにも多いので営業に転向させられたとか。

もちろん、1年目で目標を達成し、まさに形として覚えるスキルではなく人を大事にすることがいかに重要であるかを証明してくれたわけだ。

人を大事にすることが出来ない人や、自分に高い目標を課しそれに向かって必死に努力する人が少なくなったいまこそ、自分たちの心の持ち方を見直してみる良い機会と言える。

文責:斎藤顕一

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無断転載はご遠慮下さい。

BtoBにおいては営業部門において差別化を達成する

物が売れる時代には、製品開発が差別化の源泉であった。

しかしながら、売れない時代、つまり現在では、プロダクトアウト型のバリューチェーンでは、競争力を高めることができなくなってしまった。

「開発」は重要な要素ではあるものの、「開発」だけで会社の差別化は十分行えなくなっているのが現状だ。

一方、本来売上をあげることに直接かかわっている営業部門はどうなっているのか?

競争相手と比べてみると、同じように“初めに製品ありき”の営業であり、使っているツールも同じ、提案内容も“自社の製品をアピールすること”が重要であるところは変わらない。

営業活動も、訪問顧客を決め、アポ取りをし、ツールを準備し、商談し、受注と決済し、あと顧客をフォローするという流れも競合とはほとんど変わらない。

違いがあるとすると、どれだけ営業活動をうまくやれるかということと、営業個人の魅力度によるぐらい。

このことから考えると、営業部門の差別化をはかることで、競争優位を維持することができるのではないかと思う。

どのように差別化ができるのか。

顧客企業が業績を高めるうえでの課題を発見し、自社の製品・サービスにおいて解決提案し、それを実現するためのバリューチェーンを作り上げることだ。

この方法はかなり難しくチャレンジングではあるが、取り組む価値は大きい。

高度成長期にはプロダクトアウト型で成功することは、比較的容易で成果も大きかった。

新製品を開発して、それを営業が小売店に担いで行って、マス広告で認知度を高めれば、どんどん物は売れていった。

若い人の数も多く、年収は増え(もしくは増えると期待され)、車もバッグもブランドを持つことがステイタスとなり、欲しいものがいくらでもあった。

しかしながら、皆さんご存知の通り、バブル崩壊後は環境が大きく変化して、海外旅行にも留学にも興味はない、欲しいものはない、平凡で平穏なのが一番という人が増えてきた結果、いくら物を作っても売れない時代へと変わってしまった。

これだけモノがあふれてくると、自社の「新製品」は、他社の「既存の製品」であることが多い。

また、iPhoneのように新鮮な「新製品」はほとんどなくなり、目先を変えること、スペックを上げること、追加の機能を付けることが製品開発の大半になってしまう。

頑張っても、ニッチを狙ってターゲットのはっきりした製品にすることができるぐらいで、成果としての売上は小さくなってしまう。

医薬品業界でも、新しい物質は昔の何倍、何十倍に増えているが、実際に薬効のある新薬開発は難しく、2万の物質があっても、やっと1つの薬が承認される状況で、開発効率は90年代の半分以下になってしまっているそうだ。

承認されても昔の様にブロックバスター的に大きな売上げを上げられる薬は出てこない。

このような環境では、「開発」は重要な要素ではあるものの、開発だけで会社の差別化を十分に行うことは困難となってきているのが現状だ。

とすると、現代における差別化はどのように行うのか。

営業における差別化ではないかと思っている。他社とそれほど製品は変わらなくても、顧客の課題を理解し、課題を解決するための方策(売上増、生産性の向上、コスト構造の変換、など)を自社の製品やサービスをすすめることで成しうることができれば、顧客は喜び、結果業績は伸びていく。

初めに製品やサービスありきではなく、顧客の満たされないニーズに応えることを目指すわけだ。

労働力調査を見ると、従業員に占める「販売従事者」つまり営業は12%いる。

この人たちの力を生かすことができれば、大きな変化になるはずだが、営業は個人のスキルにゆだねられていることが多い。

同じ会社の営業の人に、どんな流れで活動しているかを聞くと、人によって異なった流れを言うことが多い。

スタートがアポ取りから始まる人もいれば、情報収集から始まる人もいる。最後が契約締結で終わる人もいれば、フォローの人も、次の受注につながる活動になる人もいる。

この、アプローチに対する認識の違いは大きい。

でも、営業活動は本来このように行うべきだ、という知恵が共有されておらず、個人的な活動になってしまっていることも成果をあげれない原因のひとつだ。

組織として提供している製品、営業ツール、販促物、営業教育は、すべて不特定多数の顧客向けに開発されたものであって、特定の顧客セグメントに対応したものではない。

営業の問題は、個々人の問題であり、同時に組織の問題でもある。

今こそ、個人スキルと組織スキルを上げて、営業での差別化を考える時期に来ているのではないか?

文責:斎藤顕一

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人の生産性を高めて投資に対するリターンを大きくする(2)

人の生産性を高めるために、組織自身が取組まなければならない点について先月にざっと述べた。

今回は、人の生産性を高めるために個々人がどのようにしなければならないのかを考えてみよう。

仕事がすごく“はかどった”と感じるときがある。

その時を思い起こすと、大きく3つあることに気がつく(笑)。

一番目は、なんか知らんけど気分がすごく高揚していた時。

2番目は、人が随分と手助けしてくれた時。

3番目は、仕事を始める前にしっかりと段取りしたときだ。

高揚した状況というのは、嬉しいことがあったりした時、つまりは誰かとか何かをきっかけとして起こることが多いが、自分で高揚した状況を作ることも出来る。

仕事を“やらせられている”と考えるのではなく、この仕事をすることで“なんやかんや、結構、人のために貢献できることやってんや”とか、“これでまた自分の成長に大いに役立つぞ”とか、すごい勢いで仕事をやり遂げている姿をイメージするとか、前向きに考えることで、結構高揚した気分になることができる。

ともかく、楽しいぞ、面白いぞと~と自分に言い続けることだね。

人の手助けを得た場合は当然、自分の仕事量が少なくなり、自分ならではの仕事に集中できるというメリットがある。

ただ、面白いことに、“高揚した気分”にある人が手伝ってくれるときと、そうでない人の場合(単なる仕事の上下関係だけで仕事を手伝ってくれる)では生産性に大きな違いをもたらす。

まして、嫌な気分で仕事をする人が手伝ってくれたりすると、自分の生産性も急落する。

とするとやっぱり人を大事にして大事にされることが、いかに重要ということだね。

仕事の段取りのやり方はいろいろあるだろうけど、やっぱり終わりの時間をまず決める、終わりの時間のアウトプット目標を明確にしておく、そして時間内に、その目的を達成するために、どのように仕事を進めるのかを考えておく。

これだけで、大きく生産性を高めれると思うけどな~

個人の生産性を高めるというと、なんか「ぼろくそに働けよ!」と言われているように思う人もいるかもしれないけど、そうではない。

生き方にめりはりをつけてもっと人生を楽しみながら、会社にも大きな貢献することを意味しているのだ。

お客さんにも喜んでもらえる、会社にも喜んでもらえる、生産性をあげることで自分が自由になる時間を産み出すことで、家族にも友達にも喜んでもらえる。

もちろん、自分が一番喜ぶためなんやね。

生産性をあげるためには楽観的になることが不可欠要素。

楽しいぞ~面白いぞ~と自分に言い聞かせるのはひょっとすると自己催眠の世界かも(笑)。

でも、“つまらない人生をおくっている”と嘆き悲しむ人より、はるかに魅力的に思われるのではないのかな。

楽しんで仕事をしている人の手助けをする人も、楽しんで仕事をするだろうし、“楽しみながら”が生産性向上の大原則なんだろうね。

仕事を始める前に、どのように仕事を進めて行こうか、と考える時間は無駄に思うかもしへれへんけど、実はすごく大事やと思う。

なんとなく仕事をするとか、今までのやり方をただ続けるということではなく、仕事の目的をまず考えて、その目的を実現するために必要な“作業の流れ”をいちど整理してみると、結構、生産性を高めるうえでの改善点が出てきたりする。

ちょっと、試してみたらどうかな。

文責:斎藤顕一

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人の生産性を高めて投資に対するリターンを大きくする(1)

ここ50年ほどのスパンで見ると、日本企業の総資産経常利益率(ROA)は確実に低下傾向にあるといえる。
企業は設備投資することで新たな成長を達成しようとするわけであるが、投資に対しての利益が十分に稼げなくなってきているのだ。
投資効果や効率の高い設備や機器を厳選して投資することは大事ではあるが、人の生産性を高めることを重要課題として取組む必要がある。
この場合、個別人材の行動をどのように変えて生産性を高めるのかも重要ではあるが、まず企業として“従業員が頑張る気になる”体制作りや雰囲気作りをしておくことが基本。
具体的には、どんな会社になりたいのかというビジョンを示すこと(2012年3月語録)であり、今までの継続ではなく、使命や目的にもどってその実現のために常に新しい取組みをすることだろう。
むろん、それらの新しい取組みを提案し、率先して行動する人達に報いる仕掛けも必要になることは言うまでもない。

 
人を通じて生産性を高めるということは、何年も言われていることではあるものの、ほとんど改善されていない。
 
設備や機械が老朽化していることは簡単にわかるし、キャッシュフローが許す限り取り替えることは簡単にできる。
“人の老朽化”も簡単にわかるけど、そう簡単に取り替えることはできない。
 
もっと大きな問題は“新品の人”も“組織に馴染んで使い易くなった人”も、実際には老朽化が進んでいる人が多いところにある。
 
この問題は個人だけの問題ではなく、組織の問題が大きい。
 
“人間としての価値とはなにか”、や“企業の本当の使命はなにか”などの軸足を明確にできない組織。
間違った言動をした人に対して、正しく“しかる”ことができない組織。
正しいことを発言し、“変えること”を提案する人を疎ましく思う組織。
後ろ向きになっていることすら気がつかない組織。
 
これらの問題を解決するには、まず企業自体が、体制や風土を変える必要がある。
最もわかりやすく成果につながりやすいのは、使命や目的を明確にしたうえで、それらを実現するために“新しい取組み”をすることだ。
 
新しい家、新しい服、新しい携帯電話、なんでも新しいものにはわくわくする。
簡単に取組める小さな新しいことや、ちょっと大変でも効果のある大きな新しい取組みを始めることだ。
 
大事なのはそれを提案できる雰囲気を作ることだ。
提案して行動し、成果を上げた人を報いることは生産性を高めるうえで不可欠要素だ。
 
まずそれらを整備することで、生産性向上のための準備をしておくことが重要になる。
 

文責:斎藤顕一

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組織のビジョンはどのように表現される必要があるのか

会社でも大学でもビジョンを明確にすることは素晴らしいことだ。

それは組織が将来にどのような姿になっていたいかを示しているため、組織の構成員にとっては行動の“よりどころ”になるからだ。

その意味から言うと、ビジョンは「額に入れて飾っておくもの」ではないし、「実現不可能なこと」であってもならない。

また「抽象レベルが高すぎてなにをしてよいかわからない」ものでもない。

では、ビジョンとはどのように表現されていると良いのだろう。

よくあるのは、経営者が主観的に考えた“組織のありたい姿”をビジョンにすることだが、それは正しいのか?

今のような経済環境では社会や顧客、そして重要な組織構成員である従業員が期待していることを無視できるものではなく、経営者の想いと、顧客や従業員の期待値を含めたものであることが大事だろう。

もちろん、単にビジョンを示すだけでは不十分であって、それを実現するために必要不可欠な取り組みを明確にしなければならないのは言うまでもない。

従業員を抱える組織が30周年などの節目となる年や社長の交代期に次の時代を考え、ビジョンを定めることは素晴らしいことだと思う。

それは新しい時代へ乗り出すリーダーとしての決意の表れであるからだ。

でも、多くの組織のビジョンはどちらかというと、儀式的なものであることが多く、言いっぱなしで終わっているようにも思える。

もちろん何周年記念とか新しいリーダーの就任はある意味、儀式的なところはあるものの、単に節目とか“代がわり”というようなニュアンスではなく、まさに新しい、そして厳しい戦いの場に乗り出す“総帥”としての“実現を約束する誓い”であるべきだろう。

それはどのように作ればよいのだろうか。

社会のトレンドは評価した、優良企業の取組み方も調べた、経営層の人々の意見を集約したし、従業員が期待する企業像についてもアンケートを取った。

これらの情報を基に作成されたビジョンはきっと素晴らしいものになるに違いないと思うだろう。

実はこれらの情報から導き出されたものは、“普通の良い会社のイメージ”にしかならないのだ。

まして、本当にそのような会社を目指して邁進するのかと自問自答すると、おそらくそれは違うだろうということになりかねない。

ではなにが欠けているのだろう。

問題解決に取り組んでいるみなさんなら、その答えはわかるだろう。

その通りなのです。

まさに自社が大きく成長して来れなかった“本質的な問題”がなにであるかを理解することは、ビジョンを作る時にも必要となるのだ。

ビジョンとビジョン実現のための取り組みは対になって考える必要があり、その会社の大きな問題点を解決しない限り“ビジョン”にどのようなことを書き記そうが、実現することが困難な“絵に描いた餅”になる可能性があるからなのだ。

ビジョンは自社の魅力を高め、競争力を強化する領域や方法ついてきっと触れられているだろうし、もちろんそれを実現するために不可欠な活動についても明言されているはずなのだ。

その2つが揃って初めて、従業員にとっての行動のよりどころになり、株主や顧客からも圧倒的な支持を得ることが出来るようになるのだ。

文責:斎藤顕一

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時間の管理人になる

どんな人にも1日24時間365日、合計8760時間が与えられている。
その時間は決まっているし、巻き戻すことも速めることもできないけど、自分の時間の使い方をマネージすることは出来る。
スピードを速めて活動すれば、1活動あたりの時間を少なくすることができるし、ゆったりと過ごすことで、時間の経過を楽しむことが出来る。
他の人との約束された時間を正確に守ることで、その人たちの貴重な時間を失わせることもない。
だらだらと惰性で時間を過すとか、もっと速めて仕事ができるのにそれに挑戦しようとしないとか、約束の時間を守らないとか、人との約束の日程・時間を決めきれないとかは、他の人のためにも、自分のためにも避けたほうがい。
時間は空気と同じようにあるのが当たり前のように感じてしまっているけど、空気も時間も超貴重。時間を意識して使い方をもっと工夫することが大事になるね。

人の時間に対する考え方は千差万別。
おもしろいことに、多くの時間は“ほかの人と共有”している。
会議、講演、食事の約束、電子メールでの問い合わせ、原稿の締め切り、提案書の作成、交通の時刻表、などなど。
 
机に座ってじっくりと考える時間や、勉強する時間、それこそ小説を読んだり温泉に入ってくつろいだり、趣味に時間を使うなど、自分だけが自由に使える時間を作ろうとすると、他の人と共有する時間をできるだけ少なくするしかない。
 
仕事を減らすのが最も早道であるけど、そうしない場合はどうするか。
ほかの人と共有している時間をコントロールすることがまず大事になる。
例えば、人からの問いかけに対して“即答する”(答えが言えないのであれば、いつまでに連絡するのかも含めて)、期限が定められている場合は、“期限前”に仕事を終える”、また“約束時間に常に正確”であることだけで、ずいぶん自分の時間管理ができる。
 
職場や組織の中で、自分の時間をコントロールする可能性のある人には、自分の重要な予定については予め伝えておくことも大事だろう。
予定された時間に間に合わないとか、会議の予定時間を越えるということは、他の人のスケジュールを壊すことを意味しているので、やるべきではない。
 
逆に時間に正確であるとか、スピードを速めて時間以内に作業を終えることによって、ほかの人にあらたに“自分でコントロールできる時間”を与えることができる。
 
時間は自分のものだけではないため、まず時間をマネージする意識と工夫が必要。
そうすることで、新たにほかの“お気に入りの人”との“共有時間”が増やせるし“自分1人だけの自由になる時間”を作り出すことができるのだろうと思う

 
文責:斎藤顕一

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「今さらですが、問題解決は実学です」

先日、取材で「これだけ問題解決が重要視されるようになって来ているのに、なぜ大学で積極的に教えないのですかね?」という質問を受けた。

その時、私が思いついた答えは「普通、大学では学問を教えるけど、問題解決は学問ではなく実学だからなのでしょう。

実学なので学問を究めようとしている学者には教えられない。

日々、実業において問題解決に取組んでいる人から学ぶしかない。

もちろん、問題解決に取り組んでいる人が教え上手とは限らないけどね」だったのです。

だからこそ、アプローチやフレームワークをただ覚えるのではなく、「問題解決の考え方」をしっかりと学ぶことが重要であり、その考えを実業の世界で実践して、試行錯誤し自ら会得することしかない。

“問題解決の考え方”はビジネスだけではなく、大学経営、自治体経営、それこそ同窓会や町内会のような小さな組織にも使えるので、現場で学んだ考えを試し、結果について考え、またやり直すことをやり続けてもらいたいものだ。

一般の大学の経営学部教授や学生の話を聞いていると、彼らが教え学んでいることは、私が考えている「問題解決の考え方」とは随分と違うらしい。

私にとっての「問題解決の考え方」とは、企業の業績を向上させる上で「なにが本質的な問題なのか」、「それを解決するためにはどのような取組みをすべきなのか」を見極め、成果を創出するところにある。
 
要は「業績をあげることが出来るか、出来ないか」の話であって、「このような取組みをするとうまく行く可能性が高い」というように、一般的な理論や取り組み方を学んでもらっているのではない。
 
そもそも、そのような一般論によって企業業績をあげることが出来るわけではない。
 
個別企業にとっては、その会社を取り巻く競争環境も違うだろうし、その会社の実力度合いも、人のやる気度も千差万別であって、ひとつの理論や方程式で問題を発見でき、そして解決の方法を導き出せるものではない。

まさに、事実に着目することや、顧客を観察し顧客から学ぶこと、そして従業員や管理職の気持ちを理解することなどを含めて考えることで、初めて「問題解決の考え方」が実践できることを意味する。
 
企業業績向上の阻害要因は、それこそ無数に存在する。
 
現場において発見した多くの“問題点”についてなぜそのようなことが起こったのか、その問題の源はどこにあるのか、を考え続ける。

それを発見して、解決法を導き出すのは、まさに「実学」の領域である。

「問題解決の考え方」は、記憶すれば済むものではなく、その考えを現場で使い、試行錯誤することで初めて自分のモノになる。
 
その一連の“考えること、考えを人に伝えるために表現すること、そして考えを行動に落とし込む”取組みに周りの人が良い影響を受け、結果的に頼られるようになる。
 
これが実学によって得られる成果だと思う
 
文責:斎藤顕一

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問題解決を学ぶとは人間力を磨くこと

「コンサルティング教育によって成果をあげる」 人の育成に力を入れている企業も増えてきた。
特に、市場全体が停滞している時こそ、 「顧客を理解して顧客の期待にそって対応できる人材」が求められるからだ。
ところが、企業の研修は単に「人を育てることを目的」としているために、必ずしも 売上を増大させることに貢献できる人材を育成できているわけではない。
研修は企業価値 を向上できる人材を作り上げることであるため、まず企業の売上が上がらない理由を しっかりと理解した上で、人の育成プログラムを考える必要がある。
総花的な教育 プログラムは無駄なコストを発生させているだけではなく、“やらされ感”を持った 従業員にも教育を行うため、“教育ボケ”した人材だけを作り上げていてむしろ マイナスであると考える必要がある

 
最近になって教育に熱心な企業が増えてきた。
人事部が準備した教育プログラムの全体図 を見せてもらうと、階層別、機能部門別、外部研修、自己啓発などなど、多くのプログラム が用意されていることに気がつく。
と同時に「でも売上があがらないし活性化もしないので すよ」というのが人事部の嘆きにもなっている。
 
なぜそのようなことが起こるのか?
「管理職にはこのようなプログラムが必要だ、営業にはこのようなスキルが重要なので学ん でもらう必要がある」、という考え方は“一般論に基づいた教育方法”であって、企業の 管理職や営業には固有の問題の解決にはならないのだ。
 
管理職であっても、開発部門要員 であれ、営業であれ、それぞれの人に与えられた役割を果たすことができない理由があって、 それは企業によって異なるし、部門によっても異なるのだ。とすると、最大限の効果をあげ るためには、まずその企業や部門が抱えている“重要問題”を十分に理解する必要がある ことを意味する。
 
ただ、それらの問題点はその会社で認識されていることとは必ずしも一致 していないことを理解しておく必要がある。
ちょうど、戦略コンサルティングを実施する 前に企業担当者が考えている問題認識と事実ベースで導き出された問題認識が大きく異なっていることと似ている。
わが社がコンサルティングを実施した企業に教育を行った場合の 効果が大きく上がるのはそのためだ。戦略コンサルティングと人材育成をセットで行うのは ベストではあるが、コンサルティングを実施しない場合でも効果的なやり方はある。

 
問題点を理解する上で重要な事実データを、事前にもらってしっかりと分析することと、 問題意識のあるメンバーにヒアリングを行うのだ。
例えば、営業に関しては、拠点別・個人 別の生産性の推移や、営業のバリューチェーンの評価を行うことで、売上が上がらない原因 をまず理解する。
そうした上で、新たなバリューチェーンの強化方法と個人別の
 
顧客への アプローチ方法を教える。これがまさに、コンサルティング教育と私がよぶものであって、 大きな成果につながるものなのだ。

文責:斎藤顕一

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他人の考え方の受け売りでは解決にならない

他人の考え方の受け売りでは解決にならない

【解説】
本を読んだり、えらい先生の講演を聴きにいったりして新しい考え方を学ぼうとすることは素晴らしいことだ。

そうすることで、自分が経験していない世界に触れることが出来るので、考えや行動の幅を広げることができるからだ。

ただ、学問として学んだことや、書籍を読んで学んだことをその意味を理解しないまま、企業経営においてそのまま使うことには慎重になるべきだ。
 
企業が対象としている製品市場はそれぞれが異なっているし、顧客の状況もさまざまであり、競争相手の取組もそれぞれの企業の実力レベルによって大きく異なっている。

また当然のことながら、自社の施策を立案するレベルも、管理職の施策遂行レベルも、従業員全体がそれまで蓄積して来た経験レベルもすべて異なっている。

それらの異なった状況にいる企業や事業を“一般論”や“ある特定化された企業のケース”をあてはめて考えることは所詮無理がある。
 
まして、“えらい先生”が言っていることだから、この考えは自社の場面にもあてはまるはずだと考えている人がいるとしたならば、それは大間違いとも言える。
 
事業運営とは時代の変遷にともなって変化する顧客の価値観や行動様式を十分に理解したうえで、自社の取組とのギャップを理解し、そのギャップを埋めるために必要な取組を考え出すことであり、それはまさに“顧客や事実から学んだ上で自ら考える世界”なのだ、他人の知恵を生かすためには、まずその意味を理解した上で自らそれらの方法を実業で試してみてその有効性を確認し、自分なりの知恵に変換することなのだ。
 
そうした時の知恵こそが説得力をもち、事業運営において大きな力を発揮するのだ。
 
文責:斎藤顕一

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問題解決はScienceでありArtである

「問題解決は直感の作業ではないし、思い込みの世界でも経験に基づいた作業でもない。問題解決はScienceでありArtである」という言葉は、1996年に「問題解決のアプローチ」という研修資料を作成したときに初めて使った。
コンサルティングで感じていたことは、問題解決の目的は、「企業の問題を解決し、業績を大きく向上する」ことであり、単に“素晴らしい分析を行って、優れた施策を立案する”というScienceの部分だけでは成果をあげることが難しく、“人の心”を十分に理解し、人に影響を与えるArtの部分がなければ成り立ちにくいということなのだ。
問題解決を可能とするためにはまさに全身全霊で取組むことが必要になる

【解説】
 
今までコンサルティングを導入したものの成果があがらなかったんです、という声をよく聞く。これらの意見は決して資源の限られた小さい規模の会社だけではなく、売上げが数百億円、数千億円企業からも聞く。
 
とすると、これは企業の問題ではなくコンサルタントの問題か、あるいは企業とコンサルタントの相性の問題になるのか。確かにそのような可能性もなきにしもあらずだが、多くの場合は大きな飛躍を可能とする方策を“すべて”実施されていないことが原因だろう。

 
売上が上がらない原因は、競争力が低下しているからであって、それを強化するためには、バリューチェーンを見直す必要がある。
もちろん、自社のバリューチェーンだけを評価しても意味がないため、顧客や市場、競争相手の動向を理解し、本質的な問題点を理解する必要がある。
これだけでも膨大な作業量と洞察力が必要で、さらに売上げ増大のためのインパクトのある取り組みを考える力も不可欠だ。
 
論理的帰結として考え出された施策は、“高い確率で売上げが増大する”方策であり、それを確実に実行できたときに、成果は確実に現れる。
 
なのに、なぜ成果がでないか。これらの成果実現ための方策は今までやったことのない取り組みであり、新しいスキルや体制が必要になるのだ。
これらのインフラに関わることが未整備であることが、成果を生み出さない原因になるものの、最も大きな影響を与えるのは、“新しい施策に取組みたくない人”が数多く存在し、この人たちが成果をあげる上での阻害要因になるのだ。
まさに会社を変えるとは戦略立案だけではダメだということだ。

 
今までにやったことのないことをするということは、その会社のやり方に慣れ親しんできた多くの“経験者”にとって、苦痛以外のなにものでもない。
高齢者に“さあパソコンを使ってください”、というようなものだ。
 
施策を提示し実行計画をいくら作成しようが、成果をあげる主体は人であり、この人たちに“戦う姿勢をとらせる”ことが不可欠。
これは純粋に人の問題であり、ロジックの世界ではなく感性や感情が重要な役割を果たすArtの世界になるのだ。

文責:斎藤顕一

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