戦略策定のためのアプローチカテゴリー

顧客理解のためのアプローチ(情報収集)

情報収集は問題解決においてもっとも重要な作業であるにも関わらず軽視されがち。
情報収集は闇雲におこなうのではなく、計画性をもって行う必要がある。
良い情報を集めることができたら、良い分析につながり、良い結論につながることを十分に意識すべき。
特に顧客に関する情報は企業の業績を左右するぐらい重要であることを理解する必要がある。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
もし、企業が、顧客が何を求めているかを理解し、それらを顧客に提供し続けることができれば、その会社はNO1になり続けることができるはず。
 
しかし現実的には、顧客に関する情報の多くは、自社製品の売上に関するものであることが多いのです。
 
これは“顧客を意識し、顧客のことを徹底的に理解する”という発想からでてきたわけではなく、“自社の売上管理データを単に顧客別にくくってみなおしただけ”の話なんです。
 
だから、集められた情報は断片的であって、その顧客がなにを求めているのかがわかるわけがないのです。
 
成熟産業においては、自分達が生産した製品や仕入れてきた商品は簡単に売れないわけですから、まず顧客が求めているものを理解しそれらを開発することで、売り上げ増を図ることが正しい取組みになるわけです。

 
顧客を理解するための情報とは何か?
 
法人顧客の場合は、その顧客が目指している目標を達成する上での課題を理解することなんでしょうね。
 
そうすれば、その課題を解決するために、自社の製品やサービスがどのようにあればいいのかがわかるし、それを提供することで貢献できる可能性が高くなるわけです。
 
顧客情報を集めるためには、まず全体像がわかるように、売上や収益性などの業績推移に関する情報がまず重要でしょう。
数字は企業活動の結果であるわけだから、なぜそのような業績になっているのかを次に調べる必要があるのです。
 
おもに、売上に関係するバリューチェーンの評価と、その取組みを実現させるためのインフラの両面を理解することが大事になります。
会社のHPから理解できることもあるし、新聞や雑誌をネットで検索して、それらをフレームワークで整理すると、結構理解できるのです。

 
全体から部分に下りて情報を調べること、長期の数字を収集することなど既存のデータを収集・分析することは当然なんですけど、やはり対象とする顧客企業に直接インタビューすることは欠かせないでしょう。
 
また得られた情報はフレームワーク(整理するための論理軸)で分類して、その企業で起こっていることの当り付けをすることが大事になるのです。

 
文責:斎藤顕一

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
無断転載はご遠慮下さい。

インタビューのスキルは論理性にあり

誰でも人に質問すれば、その人の応えは聞ける。
でも意味のある話は、誰でも聞けるわけではない。
人の問いかけに、誰でも答えることはできる。
でも相手に感動を与えることは、誰でもできるわけではない。
インタビューをする場合に、周到な準備と技と熱意があれば、大きな成果を導き出すことができる

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
企業の業績をあげるために、販売力を強化することはどの企業も取り組む基本的な施策だ。
 
販売力を強化するということになると、多くの場合は営業1人1人の能力を高めることが当然のことながらマネジメントの大きな関心事になる。
 
ところが、多くの企業での悩みは、営業の人の能力のバラツキであり、全体の能力を高めたいのだけど、なかなか出来ない。
結局それを是正するため、マニュアルを作成したり、ロールプレーを含めた営業教育をせいぜい行うわけだ。
 
しかしながら、そのことだけをいくら一生懸命やったとしても、大きな成果は期待できない。
厳しい競争環境のもとでは、受注につなげるのはテクニックの領域ではなく、当たり前だが、結局顧客との信頼関係をいかに築くかにかかっている。
 
それは単に“お互いに知り合って何年になります”という時間の関数ではなく、“どれだけ正確にお客様が考えていることを理解し、お客様が考えていることを提案できるか”の質の関数となる。

 
「お客様を理解する」とは、誰でも言えることではあるけど、実際に実現させるのは難しい。
 
顧客を理解するには、インタビューという“単に自分達が知りたいことを、ただ聞く”ということではなく、相手に質問をし、その応えから新たな質問を生み出すことで、更なる価値のある考えや取組みにつなげていく高度なコミュニケーションの方法を知ることがどうしても必要になるのだ。

 
“問題解決におけるインタビュー”は、まさに問題を発見し、問題を解決するために必要なことであり、これは誰でもできることではない。
 
まず、テクニックの部分としては、インタビューの目的を明確にすることがまず大事になるし、そのインタビューを誰にするのかを決定する必要がある。
目的を満たす上で、最適の人を選ばなければ当然、レベルの高い答えを得ることは困難になる。
 
次に、目的を満たすための準備作業にエネルギーをかけることが大事。
アポイントメントを取る方法も神経を使う必要はあるが、質問の設計をどうするかがインタビューの成果が大きいかどうかを決定するぐらい重要であることは言うまでもない。
 
インタビューの実施の方法にもコツがあるし、インタビューを終えた後のフォローの仕方もその後信頼関係の構築に影響を及ぼすほど重要である。
 
 そして、これらのテクニックの部分以外に重要なことは、実際にインタビューをする場面で相手の話を聞きながら、頭の中で論理的に整理しながら、目的を満たす“真の答え”を導き出すことだ。
 
結局、インタビューとは、テクニックだけの世界ではなく、“問題解決を行う論理の世界”であることを認識する必要があるということなのだ。

 
文責:斎藤顕一

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無断転載はご遠慮下さい。

フレームワークの考え方

フレームワークは論理的に考えたり、考えを論理的に伝えたりするためのツールで、重複がなく、ずれもなく、漏れを避けるための考え方とも言える。
収集した情報を分類し、それを要約するのに有効だし、考えを論理的に展開するのにも使える。
使い慣れる事が重要。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
フレームワークという言葉を皆さんは知っていますか? ビジネス書を読んでいるとたまに出てきたりしますが、今回はフレームワークについて説明していきます。
 
フレームワークとは、情報を種類別に分類するための箱で、例えば、野球、バレーボール、サッカー、テニス、陸上、水泳、というような情報がある場合、これを一つにまとめると「スポーツ」もう下位の分類を考えると、「球技とそれ以外」、「屋外スポーツ、室内スポーツ」など色々な分類ができます。このように普段何気なく使っているのがフレームワークになります。
 
この考え方はビジネスにおいても非常に重要となり、斎藤が触れているように、単なる情報の要約だけではなく、論理的に考えを展開するのにも非常に有効となります。
 
コンサルティングをする場合、社員・顧客・はたまた仕入先・最終顧客へインタビューをするのですが、そこで集まった情報は、実は種類がばらばらで、話のレベルが異なったり、あまり重要な問題ではなかったり、ずれていたりと多種多様な“理解しにくい情報”があるものなのです。
それらの情報からそのまま意味を理解して、さらには、要は何かをまとめることは神業的で不可能と言えます。

 
しかし、このような場合でも、フレームワークを使って“共通の項目”で分類し、それらの要約を繰り返すことで、なにを言わんとしているかが理解できるのです。
 
つまり、人が理解できないのは、言葉が難解である場合はもちろんそうなのですが、多くの場合は“情報がランダムに並んでいる”ためなのです。
ですから、わかりやすいように“同じ仲間の情報を分類して整理する”ことで、理解度が圧倒的に増加するわけなのです。

 
フレームワークを使い慣れると次は論理的な考えを展開することができるようになります。
これはかなりパワフルな考え方なのです。
 
例えば「わが社の報酬体系はおかしい」と問題提起をする社員がするとします。となると、どうでしょうか・・・。
“そりゃ、そういうこともあるわな~”となりますか?
あるいは、報酬制度だけが問題点と考えるのはおかしいと考えますか?
 
それは報酬を決める前段階の“評価”だったり、そもそもの“採用”、“キャリアプラン”という一連の人事の流れに問題がある場合が多いのです。
 
フレームワークを使うと、その問題の重要性、他との関連性を即座に判断でき、この場合は、フレームワークを使って何が漏れているのかを考え、論理的に考えを展開することができようになるのです。
 
どうですか?
フレームワークとは何か、理解できたでしょうか?
 
勘所は、「1.重複なし、2.もれなし、3、ずれなし、4.レベルが一緒」。
この4つのポイントを意識して、実際にフレームワークを使いこなしてみてください。

 
文責:柴田祥子

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
無断転載はご遠慮下さい。

仮設設定の仕方

仮説は効果と効率を高めたいときに非常に有効である。
正しく仮説を使うことができれば、無駄な時間が省け
その成果物の価値は何十倍にも 高まる
(斎藤顕一)

【解説】

「皆さん仮説ってよく学生のときに、論文を書くときに設定したり、

理系の人は何かを証明するために利用したと思います、
問題解決においても仮説がすごく重要となります、

今回はちょっとその「仮説」について触れていきましょう。

ものが売れないので、

「そうか、それは商品開発が問題なんじゃないかな。なんとかしなくては!」という、

これは仮説ではない。

なぜならそれは、経験だったり、

おそらくなんとなく言われていることを正しいとこと、

責任を押し付けたい部分を問題として取り上げているだけだからだ。
それらは1つの可能性であるとはしても本質的問題解決につながる仮説ではない。

今世の中では、顧客が変わり、競合が進化している、

だからこそ、今までと同じやり方では通用しない、

事実を集め、その情報をグルーピングし、

実際に何がおこっているかを見極めることが必要で、

それが問題解決のための仮説設定といえる。
仮説設定において今まで見慣れた情報から正しい取り組みを考えることは無理。

よくあるのは、社内での数値だけをみて他の部門よりも業績がいい部門だからとか、

市場ではシェアが高いなど

(この場合は多くは自分たちの都合のいい市場を勝手に設定している)と言って

自分たちの優位性を主張する、これは大きな間違い。

仮説設定に必要な情報は、多くの場合、今までみたことのないものとなり、

それを見極めるためには顧客の声に軸足をおき情報源がどこにあるかを聞き、

情報を得るために誰をおさえればいいのかを知っておくこと、

違う視点から調べてみるなど知りたいものを知る努力をしなければ得られない。

情報が集まればそれが何のことを言っているのかを理解し

同じ種類の情報をまとめる。

業界の平均や競合と比較する自分たちと何が違うのかを理解する。

また、ある程度まとまったことを実際に並べて考えていくと

目的を達成するために漏れている情報に気がつき、

漏れている情報を集める、

そして、精度の高い仮説が作られていくということになる。

ここまで聞いていると、

「仮説設定ってなんだかえらいしんどいことだなぁ~」と思われるかもしれませんが、

違うんです。

漏れているものは確かにまた集めるんですけど、

無駄な作業がないんです。

というのも、ロジックツリーで要約したものをまとめていくから効率がいいんです。

情報が集まれば帰納的(集めた事実をまとめる)に要約する、

すべてが完全でなくとも要約していって足りないものがあればまた集めていく。

企業の問題は複雑化している、ものが売れないのは、

商品力の問題だけではなく、

営業や社員の意識の問題だったりもする、

だからこそ情報を集め、何が起こっているのかを見極めることがすごく重要となる。

だから問題解決のための仮説設定というのがすごく重要になるのではないでしょうか。

文責:柴田祥子

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
無断転載はご遠慮下さい。