企業のリーダーとしての正しい考え方カテゴリー

計画立案のために重要な夢やビジョン

企業には中期経営計画や年度計画というものが作成されている。
その多くは数値目標であり、時にはそれを実現するために必要な行動を提示してある場合もある。
しかし、これだけでは、会社の構成員を自ら進んで行動させ業績向上に貢献してもらうことは難しい。
人を動かすには、その人たちに会社や事業部が進もうとしている夢やビジョンを示す必要があるのだ。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
企業には数値目標なるものがあふれている。
数値はどんな人にも理解できることであり、それを目標値として設定することで、人が頑張ってくれる可能性があるからである。
 
しかし、多くの会社を見てみると、掲げられた数値目標をちゃんと達成しているところは極めて少ない。
それは会社から“低い目標ではなく常に高い目標を設定されているから”かもしれないし、“インセンティブが十分でない”からかもしれない。
 
しかし、実態はむしろ、個々人にやる気をもたせるような“経営の基本”となるものが欠けているからだろう。
それは報奨制度や組織体制といった“形”ではなく、みんなで一緒に達成したい“夢やビジョン”と言われる“感性に訴えるモノ”なのだ。
 
企業経営者は“なんとなくこんな会社にしてみたい”とおぼろげながらのイメージを描いているものだとは思うが、それを実現させるために、一挙に具体的な取組に落とし込むことには無理がある。
 
人によっては、自分の描くイメージを抽象的ではあるが言葉によって説明しようとしたり“夢やビジョン”という形でもう少し具体的に表現しようとするはず。
 
これが、中期計画や年度計画の原点になるものであって、これがない会社は単なる数字ゲームをすることになる。

 
 
もちろん、夢やビジョンがあったとしても、その次に急に数値目標に持ってくるわけには行かない。
 
なぜならば、夢やビジョンと数値目標の間には長い距離があって、社員はそれをつなげることができないため、結局は数値だけに目が向くことになる。
 
夢やビジョンは“大きな概念”であるために、それらを“実現する上での大事な行動指針”のようなものにさらに落とし込む必要があるのだ。
 
そうすることで会社のメンバーは数値目標の意味を理解し、会社が示した具体的な行動だけではなく、行動指針に基づいて夢やビジョンを達成するために必要な行動を、自分の頭で考え行動し始めるのだ。
 
その考えることと行動することが一緒になることで、企業に活力が生まれるのだと思う。

 
文責:斎藤顕一

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管理職とは何か

管理職とは“与えられた役割と責任”を実行する人であって、階級(偉さ)を現しているわけではない。
過去になにをしたかではなくて、“現在”どれだけ組織の使命を達成するために価値を生み出しているか、で、人の尊敬を勝ち取る必要がある。肩書きで尊敬は得られないのだ。
(斎藤顕一)

 
【解説】
 
よく会社で、「部長」「課長」とかの管理職に就いている人を彼らの肩書きで呼ぶ人がいると思いますが、部長や課長など、管理職という肩書きを持つ彼らって一体どんな役割を持っているのか。考えたことがありますか?
 
 
管理職の人に「課長として部長として、どんな仕事をしているのか。簡単に言うとどうなるのか?」と聞くと、「部下を管理している」、「数値をあげれるように指導をしている」としか言えない人も結構います。「それではその指導とはどのようなものなか」と更に質問すると、当たり前の、口先のことしか言えないのが現実です。
 
 
一方、これらのすべてが管理職自身の問題かというとそうではないんです。
会社によっては管理職に管理職規定に定められた役割と数値責任を明示できるところは多いけれども、企業業績を大幅に向上させる上での“管理職の考え方やとるべき道”を示せる会社がそんなに多くはないのです。だから形だけの管理職が増えてしまうのでしょう。

 
 
結局、機能できない管理職の問題は、単に管理職だけの責任ではなく、企業の問題とも言えるのです。
 
そして、ここで注目すべきことはこの管理職および会社の問題は単にその人の問題だけではなく現場でやる気のある人たちに失望を与え、会社の活力さえも奪っているということです。

 
 
管理職とは、本来会社が目指している目標を実現するために、自分の部門の人たちにすすむべき具体的な道を示し、必要なスキルを与え、チームで働くことを教え、困難に全員で取り組む意欲を与えることが求められています。
 
要は、自分の出世や利益を考えることよりも、人を育てることで自分のチームの業績を伸ばせるかどうかを考え、実行できるかどうかということが重要になるのです。
 
これは教育制度とか評価制度だけを直せば済むものではなく、企業文化自体をどうするか、という大きな命題でもあることを理解すべきだということになります。

 
文責:柴田祥子

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改革のためのハードランディング

新しい変革の取組みを実行しようとすると、経営陣も現場の人でさえも、「いきなり今までとは違うことはちょっと・・・」、「何事にも順序が・・・」、「他の部門の人が入ってくると難しいことが結構あるんで・・」と、何とか穏便に物事を運ぼうと“ソフトランディング”に持っていこうとする。
変革を行うときにはソフトランディングは無理で、それを志向すると、ゴールに辿り着けなくなるだけではなく“途中墜落”で終わってしまう。
 
“普通の会社”が、厳しい市場で勝ち抜き、成長し続ける強い会社になるためには、“今までやったことのない厳しい取組み”を実践する必要があり、それは“ハードランディング”に成らざるを得ないことを認識すべきだと思う。(斎藤顕一)

 
【解説】
 
確かに、物事を穏便に進めようとするのは間違っている取組みではありません。
むしろ決定した“取るべき正しい取組み”を出来るだけ実現しやすい方法で取り組むのは当然のことなのです。
 
ただし、会社の業績を向上し続ける取組みとなると、今まで成しえなかった難しいことを実現させる必要があり、その“困難な道の入り口”で「どうなるか先が見えないし、しんどそうだし、難しいそうだからな」と、その入り口を避けて別の“やれそうな楽な道”を行くわけにはいかないのです。
 
なぜなら、入り口が違うとゴールはまったく違うものになってしまうからです。

 
 
身近な例をあげると、「施策は考えた、組織も変えた、でも管理者は同じ人」、ということがあります。
 
業績向上を可能とする施策を考えたとすると、当然それを実現させるための組織や仕組みを考える必要があります。
 
施策は、今までやったことのない新しい取組みであり、当然、組織や仕組みもまったく新しいものになります。
 
ここまではいいのですが、この新しい取組みの管理者(リーダー)となる人が、今まで業績を上げることが出来きなかったその部門の上級管理職となってしまうのです。
 
それで、取組みは成功するか? 
 
・・・無理なんです。
なぜかというと、その人が問題をしっかりと認識していたら、その会社全体がダメだとしてもその小さな組織は成功を収めていたはずなんです。
 
でもそれができなかった、それはその人の能力がないと言うのではなく、昔は成功出来ても新しい取組みには不向きということで、監督交代が必要なのです。
 
しかしながら、多くの場合、その人は上級管理職として存在してきたわけで影響力があるため、その人を再度責任者として残すほうが(ソフトランディング)、新たなそれなりの実力のある、でも上級管理職としてやれるかどうかわからない人を抜擢する(ハードランディング)より選ばれてしまうんです。

 
 
さて、ここで「取組みの失敗」以上大きな問題が起こります。皆さんおわかりでしょうか?
 
そうです、単に上級管理職であるが故にその人を選んだことで、新しい取組みにやる気満々だった人も含めてみんながその“変革への取組み”に疑問を持ってしまうのです。

 
 
ハードランディングすら恐れない心と気概を持ち、実現に向かって戦う心がいかに重要かということですね。
 
文責:柴田祥子

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使命を示す

企業において、会社の行動の拠り所となる“使命”ではなく、与えられた仕事やタスクを「ただこなすことを良しとする」文化が、会社の活力を奪い、なんら面白みのない場所に変えているのだ。
企業の使命を決めることが出来ると、部門の使命を明確にすることが出来て、その結果、個人の役割を決めることが出来るのだ。
そうすると、個人は自由に「使命達成」のための行動を考えることが出来るようになり、達成感が生まれ、企業に活力が生まれるようになるのだ。(斎藤顕一)

 
【解説】
 
「タスク??業務??使命???って何?」と思う方もいるではないでしょうか?
では、まずはこのタスクを理解してもらうために、ある例をご紹介します。
 
ビル掃除のおばさんに「ちょっと、この机が汚れているのできれいにしておいてくれませんか?」とすぐ側で働いている人がお願いをしたんです。
そのおばさんは「私は窓拭きとして雇われたんで、床掃除は別の人を雇ってください」と返答したんですね。
 
何がおかしいか、もちろんわかりますよね。(ここで違和感がないという方は、タスク中心の仕事に汚染されているかもしれませんね。。。)

 
 
では、何故彼女はこのような回答をしたかを考えていきましょう。
 
彼女はタスクとして「窓をきれいにする」は与えられていたものの「床を掃くことは自分のタスクではない」と考えこの発言につながったんです。
 
もしここで、この掃除のおばさんが「窓をきれいにする」というタスクではなく、「顧客が気持ち良く過ごすことのできる空間づくり」を使命として与えられていたら、どうでしょう、彼女は何の違和感もなく喜んで床をきれいにしていたことでしょう。
 
さて、どうですか、タスクと使命の違いについて理解できたでしょうか?

 
 
多くの企業がタスク中心で社員に仕事を与え、その弊害として、「自分のタスクしかしない。他の人に協力もしない」という現象が起こっています(自分に与えられた仕事すら、出来ない人もいるのですけどね!)。
 
それでは、社員全員が自分に与えられた仕事をやれば、会社は良くなるのか?
それはならないのです。
部分がよくても、全体を良くする力は部分同士の協力と工夫が必要だからなのです。
 
このようなタスク中心の仕事の仕方は、「自分さえ良ければいい」という考えを生み出すだろうし、改良・改善、新たな創造も求められていないため、その先に成長はないのです。

 
 
では、使命とは何かというと、「やるべきことを具体的に指示しないと人はサボる」という“性悪説”に基づいた考えではなく、「人に、企業の価値観と、やるべきことの方向性を明示すれば、人は自分なりに工夫して行動してくれる」という性善説に基づいた考えなのです。
 
これにより人間の潜在的能力を最大限に引き出し、継続して成長する企業を可能とするわけです。
 
そして、今は市場が厳しいからこそ、使命に基づいた行動がすごく重要となっているのです。

 
文責:柴田祥子

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
無断転載はご遠慮下さい。

総論賛成・各論反対

もしあなたが、問題解決をするための取組に参加しなければ、
あなたは「問題」であることを十分に認識する必要がある

【解説】
さて、この言葉は僕がよくキックオフプレゼンテーション*や
最終報告会でその企業のトップや役員に向けて発している言葉です。
これは、『「総論賛成・各論反対」じゃあかんで。軸足は会社の業績あげることなんで、

自分自身の問題として取組や~』と戒めている言葉です。

総論賛成とは、

その会社の行動を“お客さん中心で考えよう”とか、

“従業員満足の高い会社になろう”とかの、

“当たり前のこと”については誰も反対しないことを意味しているんだと思うんです。

会社の業績を大きく向上させるためには

、そのこと自体は正しい考え方のように聞こえるので、もちろんみんなは賛成します。

しかし、総論では賛意を示した経営陣が、

各論において反対し業績を向上する上での阻害要因になってしまうことは現実ではよくあるのです。

それでは、各論とは何かと言うと、取り扱うテーマによっては、

その経営陣が培ってきた制度の廃止、不採算営業拠点や工場の撤退ということもあります。

既存の事業体制を見直すのですから当然のことですが、

当事者である経営陣はそのことに賛意を表して頷くか、というと頷かないのが現実なのです。

むしろ、多くの場合は、急に目じりをつりあげ、声大きく反対します。

これが、各論反対となります。

結局、総論は全体の話であり、もっともな考えで賛成はするものの、
各論となり、自分の聖域が侵害されると思った途端、反対するのです。

社長の立場になって考えれば、

自分の聖域だろうとなんだろうと全体のことを考えて行動することができますが、

現実は会社よりも自分の”縄張り“が大事になってしまうんです。

「総論賛成、各論反対」これが、

本来改革を推進するはずの役員が阻害要因になる典型的な例です。

これらの総論賛成各論反対である企業の現実を理解したうえで、

経営陣に対してこの言葉を発して“変革への決心”を促しているのです。

あなたの会社は大丈夫ですか?

文責:斎藤顕一

*プロジェクトの実施前に経営陣やプロジェクトに参加する社員に対してプロジェクトの全体像を理解してもらい、全体のベクトルをあわせるためのプレゼンテーション

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