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リストラを成功させる条件

  • 企業のリーダーとしての正しい考え方
  • 2009/09/09

売上が減少し始めて収益性が悪化し、近い将来においても業績向上が見込めない場合、会社は“リストラ”を決断せざるを得なくなる。
しかし、多くの会社でのリストラに向けた取組みは必ずしも成功しているとは言えない。
リストラしたのに黒字化できなかった場合もあるが、むしろリストラ実施後に活力を失いそのまま倒産してしまうケースのほうが多い。
リストラの失敗は、経営層の“弱気”もあるが、本来のリストラの意味をはき違えて削減計画だけに取り組むことからくる。
リストラは短期的に成果を出すことを目指すために、取組みの中心はどうしても人員の削減と資産の売却などになりがち。
しかしリストラの意味は“Re-structuring”(事業の再構築)であって、人とモノの削減だけを意味するものではない。
厳しい市場環境の中でも収益をしっかりと確保できる体制作りが目的であり、その目的を満たすための取組みを行うべきなのだ。

 
【解説】
 
出来ればリストラはやりたくないと考える経営層は多い。
やったこともないことに取組む不安感や、今までの取組みが間違っていたことを認めたくないことから来るのだろう。
 
過去において赤字を経験したものの、今までそれを乗り越えて来たのだから、今回も逆境を通り抜けることができるとどうしても考えたくなる。
いくらデータで会社の危機を示されても、人や資産の削減を本格的に実施するというのは、未経験であるがゆえに行き過ぎだと考えてしまう。

 
 
そもそも、“リストラが必要”とされる意味は、対象市場の成長が限定的で、今までの事業運営方式の延長では、売上増が困難で存続が難しいから、組織・人材・戦略を含め、事業運営自体の見直しが必要だからだ。
 
そのような状況では、自社の競争力を高めてシェアを伸ばし売上をあげたとしても、それだけでは現在のコストを賄えない。
 
また、新規事業で売上をあげようとしても成功するかわからないし、もちろん成果が出るまで数年かかるために、会社はそれまで存続ができない。
 
むろん、競争力を高めるための取組みは不可欠であるし、業界自体の成長が見込めない場合は、新規事業への参入を見据えた取組みを開始すべきであることは言うまでもない。
 
しかし、そのような活動と同時に自社の収益構造を見直し、過剰な部分を削減したりして身軽な体制にするのは当たり前なのだ。
 
人の削減も契約社員だからとか、年齢が高く人件費負担が大きいからという理由で行うべきでない。
より高いレベルの知識と知恵を増やすことに努力し、自ら成長思考する人達こそが次の会社の成長を可能としてくれる人材であり、これは年齢とか正社員であるとかとはまったく関係がないのだ。
 
新たな成長を目指した取組みと収益構造の見直しが“リストラ”において検討されるべきことで、これが社員の納得と支持を得る方法なのだ。

 
文責:斎藤顕一

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