11月, 2006 |

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インタビューのスキルは論理性にあり

誰でも人に質問すれば、その人の応えは聞ける。
でも意味のある話は、誰でも聞けるわけではない。
人の問いかけに、誰でも答えることはできる。
でも相手に感動を与えることは、誰でもできるわけではない。
インタビューをする場合に、周到な準備と技と熱意があれば、大きな成果を導き出すことができる

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
企業の業績をあげるために、販売力を強化することはどの企業も取り組む基本的な施策だ。
 
販売力を強化するということになると、多くの場合は営業1人1人の能力を高めることが当然のことながらマネジメントの大きな関心事になる。
 
ところが、多くの企業での悩みは、営業の人の能力のバラツキであり、全体の能力を高めたいのだけど、なかなか出来ない。
結局それを是正するため、マニュアルを作成したり、ロールプレーを含めた営業教育をせいぜい行うわけだ。
 
しかしながら、そのことだけをいくら一生懸命やったとしても、大きな成果は期待できない。
厳しい競争環境のもとでは、受注につなげるのはテクニックの領域ではなく、当たり前だが、結局顧客との信頼関係をいかに築くかにかかっている。
 
それは単に“お互いに知り合って何年になります”という時間の関数ではなく、“どれだけ正確にお客様が考えていることを理解し、お客様が考えていることを提案できるか”の質の関数となる。

 
「お客様を理解する」とは、誰でも言えることではあるけど、実際に実現させるのは難しい。
 
顧客を理解するには、インタビューという“単に自分達が知りたいことを、ただ聞く”ということではなく、相手に質問をし、その応えから新たな質問を生み出すことで、更なる価値のある考えや取組みにつなげていく高度なコミュニケーションの方法を知ることがどうしても必要になるのだ。

 
“問題解決におけるインタビュー”は、まさに問題を発見し、問題を解決するために必要なことであり、これは誰でもできることではない。
 
まず、テクニックの部分としては、インタビューの目的を明確にすることがまず大事になるし、そのインタビューを誰にするのかを決定する必要がある。
目的を満たす上で、最適の人を選ばなければ当然、レベルの高い答えを得ることは困難になる。
 
次に、目的を満たすための準備作業にエネルギーをかけることが大事。
アポイントメントを取る方法も神経を使う必要はあるが、質問の設計をどうするかがインタビューの成果が大きいかどうかを決定するぐらい重要であることは言うまでもない。
 
インタビューの実施の方法にもコツがあるし、インタビューを終えた後のフォローの仕方もその後信頼関係の構築に影響を及ぼすほど重要である。
 
 そして、これらのテクニックの部分以外に重要なことは、実際にインタビューをする場面で相手の話を聞きながら、頭の中で論理的に整理しながら、目的を満たす“真の答え”を導き出すことだ。
 
結局、インタビューとは、テクニックだけの世界ではなく、“問題解決を行う論理の世界”であることを認識する必要があるということなのだ。

 
文責:斎藤顕一

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