問題解決の基本は、業績が上がらない根本原因を発見することです
問題の根本原因が理解できると、解決の方向性が見えてきます。重要課題を発見するためには、事実データの分析と顧客や現場の人たちへの十分なインタビューを行い、それらの活動で得られたものから帰納法で結論付ける作業が必要となるのです。
事実ベース
過去の成長時代と比べて、今の世の中の厳しい状況はどの企業も認識しているはずです。
しかし、実際の取組みは世の中が成長していた時代や過去の成功体験に基づくやり方を継続している企業がまだまだ大半なのではないでしょうか。自社の技術力は昔から定評がある、営業は顧客との関係が大事でそのためには訪問頻度が大事だ、ともかくみんなで頑張れば何とかいける―というようなことです。
しかし、実際はこれまでのやり方が思うように成果につながらない、頑張ってもなかなかうまくいかないのが現状です。フォアサイトは、今起きている「事実」をしっかり理解することにエネルギーを投入します。「わが社は十分なデータを持っていて、それの分析も行っているので、別に目新しいことではない」と考えられる人もおられると思います。でもよく考えてください。多くの企業は膨大なデータを持っていて、それらの分析もある程度行っていると思います。でも売上を増大させることができない。なぜでしょうか?それは、企業内で収集した情報は“企業が成長出来ない根本原因を理解するには不十分”にほかならないのです。私どもは、プロジェクト開始時にクライアントに提供をお願いする必要データリストをお渡しするのですが、返ってくる答えは“全体の50〜60%は社内に存在していない”ということなのです。事業活動を管理するデータと、問題解決に必要なデータは異なるということなのです。
私どもは、まず企業業績がどれくらい深刻な状況にあるのかを知ることから始めます。なぜならば、深刻度合によって、やるべき施策の優先度付けが変わるためです。また参入している市場やその周辺市場について理解できるように市場やセグメントデータを収集して“成長のための市場機会”を理解します。
顧客の理解
市場全体が成長している時には、競争相手の取組みを理解することも重要と考えていました。しかしながら、現在のように市場が成熟化している場合は、競争相手の分析に使う時間よりもクライアントの対象顧客の満たされないニーズを理解することがより重要になります。その人たちから学べることは、どのような製品やサービス開発を行うべきなのかのイメージであり、必要な機能であり、感覚的に顧客が求めていることです。更に対象とするお客さまに、「自社がお客様にもっと満足していただくためには何をすべきなのか?」という“大きな質問”をし、意味のある対話をし続けることで、自社の売上が伸びない原因について理解できるようになるのです。わが社の場合、クライアントの先にいる顧客を15社から20社ほどインタビューするのですが、そうすることで重要課題の当たり付けが出来るようになるのです。
前述したデータの分析に加えて、対象とする顧客に対するインタビューによって、自社が成長できない根本原因に関する仮説が得られます。そして、次にはそれが事実であるかどうかを検証するために、新たな追加データを得て重要課題についての確信を持つのです。
重要なことは、全ての情報が事実に基づいて導き出された結果であり、思い込みとか成功体験とはなんら関係がないのです。売上を上げられない根本原因は、事実ベースの分析結果とインタビューから論理的に導き出すことができるのです。
あとは、戦略立案だけでは成功確率が小さくなるため、その戦略を実現させるために最低限必要となるインフラ施策を考え出すことと、仲間を増やすための具体的な施策を組合わせて取り組むことになるのです。