アプローチは、クライアントと一緒にプロジェクトに取り組む場合と、クライアントのイニチアチブで取り組む場合の2通りあります。
プロジェクト開始まで
これまでフォアサイトが手がけてきたプロジェクトは、人の紹介でスタートしたものばかりです。問い合わせをいただくと、その会社のトップや管理職の方々と十分な打ち合わせをさせていただきます。基本的な数字を頂戴し簡単な分析を行うと同時に、社内の主要なメンバーにインタビューさせていただきます。これは、その依頼企業が考えているプロジェクテーマが、実際にその企業全体の業績を高める上で正しいかどうかを確認するために行います。
企業の業績が上がらない原因に、必ずしもそれらの企業が考えている検討課題がテーマでない場合が多くあります。これは、自社の問題をどうしても“主観的”に捉えるため、思い込みで考えてしまうからでしょう。このように間違ったテーマに取り組んだ場合、それらの活動から得られる成果は期待レベルよりはるかに低いのです。
これらのお互いに了解した事項やアプローチ、作業体制、スケジュール、費用などを“提案書”として提出します。つまり、過去には提案書の提出を“合い見積もり”として希望される場合もあったのですが、その場合はむしろ他の企業に依頼されることをお勧めしています。
その提案書に対する合意があってからチームを結成し、まずクライアントのメンバーに対して基本的な情報収集法や分析法、インタビューの仕方などについての教育を1~2日程度実施して、問題解決の考え方やアプローチについて理解してもらいます。
クライアントのイニシアチブでプロジェクトを実施する場合は、各作業チーム別に作業計画を作成してもらい、プロジェクトマネジメントの方法についてしっかりと理解してもらいます。\
重要課題の発見
問題解決活動の開始より2ヶ月を費やし、クライアントの業績向上を阻んでいる重要課題を発見します。それが出来ると、それら重要課題を解決する方向性が理解できるようになります。
具体的には最初の3~4週間でまず、クライアントに存在している基本的な財務データや事業業績データ等の管理データをチャート化してなにが起こっているのかを理解します。同じ時期に、社内の主要なメンバーや好業績営業パーソン、またクライアントの主要なお客様に対してインタビューを行い、何が重要課題になるのかを理解します。これらの基本的な活動からクライアントが業績を高めることが出来ない重要課題を仮説として導きだし、それをデータによって証明するのです。このフェーズでの成果物は中間報告会で発表されます。
クライアントのイニシアチブでプロジェクトを進める場合は、重要課題の発見には最低4か月を目処に計画するものの、実力レベルに合わせて5か月かけることもあります。これは、兼務スタッフによって活動が行われるため、どうしても時間がかかるのです。月に2回の進捗会議を行い、そこでアプローチや考え方について討議し、必要に応じて軌道修正します。同じように成果物は中間報告会で発表されます。
解決策の立案
中間報告の次のステップとしては、2ヶ月を費やし具体的な解決法を導き出します。解決の方向性が決まったからと言って、その方向性の中にあるバラ色の具体的な解決策を提案するわけではありません。クライアントのそれまで蓄積されてきた組織としての遂行能力、組織の柔軟性、また担当分野における管理職の能力、企業文化など、新しいことに取り組む能力を客観的に評価することが必要になるのです。そうした上で、売上を増やすための具体的な施策(これを戦略と呼んでいます)を2〜3決定するのです。そして、その施策を実現するために不可欠となる支援策(インフラ)とこれらの新しい取り組みに参加してもらいたい従業員の人たちを巻き込むための仕組みや仕掛けを作り上げるのです。
みんなで一緒に取組む場合も、クライアントのイニシアチブでプロジェクトを実施する場合も同じように取り組みますが、クライアントのイニシアチブでプロジェクトを実施する場合は、3〜4ヶ月かけるので、全体では7〜9ヶ月かかる勘定になります。ただ、問題解決活動は最初からスタートしているので、関連部門での脳力構築などが始まっていると言えます。
成果実現までの取組み
売上を増やすための具体的な解決策も、実施することを求められている人たちが、決められたことをしっかりと実践することで初めて成果を実現することができます。そのため、スケジュール表に従って、確実に実施できるようにモニターし、必要なところで行動を手助けし、みんなでお互いを励ますための取組みも必要になります。施策の複雑さや難易度によって支援の仕方は変わりますが、月1〜2回ほど、進捗報告会を実施して必要なアドバイスなどを行います。具体的な成果は実施後半年ぐらいで実現することが多いため、期間的には6〜9か月支援します。その期間で、新しい取り組みがクライアントの標準行動基準となるようにするということです。クライアントのイニシアチブで進める時には、このフェーズを実施しないで全てクライアントのみで行います。もともとが、クライアントの主導で進めているからそのようなことが可能となるのです。