10月, 2006 |

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考え方を学ぶとは何か

知識は絶えず増やしたり、アップデートする必要はあるけど、考え方を学ぶとそれは一生使える

「問題解決における考え方を学ぶ」ことについて説明していきましょう。
“考え方を学ぶ”とは、「考え方の軸足を決める」ということと、「論理的な考え方に慣れる」ということです。
「考え方の軸足を決める」とは、どういうことかと言うと“行動する上で基本となる大事な考えを持っていましょう”、ということだと思います。
 
下記は、イメージしやすく重要な顧客に関する例示になります。
顧客についての考え方の軸足:
 
1.自社の利益よりも顧客の利益を優先する
2.すべての顧客を満足させることはできないので、対象顧客セグメントを決めて満足させることを行う
3.お客様の中には5~10%程度のわがまま顧客(良くない顧客)がいるので、その人たちは無視する
4.顧客の言葉だけではなく、事実となるデータを確認しとるべき行動を確信する

 
これらの考えの軸足を決めたうえで、顧客の行動を理解し自社の行動を論理的に導き出します。
そうすると、勝手な論理だけで、間違った道を歩むことを自然と避けることができるのです。
 
考えの軸足と言われるものは、「問題解決の知恵/経験がある人」から考えを学び習熟度を早めることもできます。
ただし、結局自分のものにするためには考え経験して学習してきたことから成り立っていくものだと言えます。
では、「論理的な考え方に慣れる」ということは、自分の思い込みを避けるために、出来るだけ客観的になろうということです。
 
客観的な情報(複数の人の話)やデータによって証明された事実を集めれば集めるほど、いろんな新しいことがわかります。
 
でもその沢山のデータから、“だからなんなのか?”という問いに答えなければ、結局は情報の羅列でしかなくなるのです。
なぜ、問題点がわかりづらいかと言うと、様々なデータや情報が混在しているからなのです。
 
とすると、理解するためには“混在を避けて同種類の情報だけにして、それをまとめれば理解しやすくなるはず”なのです。
具体的には、多くの情報も共通項(例えば“製品に関する情報”)でグルーピングし、それらの情報を要約する必要があります。
要約したものをまた“要約の共通項”でグルーピングして、さらに「要は何か」と帰納的にまとめあげるのです。
 
例えば、“製品”、“価格”、“流通”、“販促”についての要約を集めて、マーケティングというくくりでまとめてみるということなのです。
また、逆に命題が決まっていたら、それを3つぐらいの考えに演繹的に分解してみることも大事な考え方なのです。
例えば、“家族を幸せにしたい”、という問いかけがあったら、きっと“愛情”、“経済力”、“みんなで一緒にいれる時間をできるだけ作る”とか考えれるのではないですか?
 
このように一つの考えを、同じレベルだけど全く異なる大事な3つの要素に分解することができると考えの世界が広がるでしょう。
これらの考え方は非常に普遍的で一生役にたちます。
 
一朝一夕でできるものではありませんが、頭の良し悪しの問題ではないのです。
やり方を理解して徹底的に実践すれば必ず身につくといえるでしょう。
世の中の変化は目まぐるしく、日々新しい情報が世の中を行きかっています。
そのような中で、一過的に今の「最新」の知識を学び追いついていくことは必要ではあるものの、「考え方」を知っている人こそ本当の意味で問題解決者として世の中に貢献できるのではないでしょうか。
 

文責:柴田祥子

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