8月, 2008 |

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効果的な教育には参加者の意識をまず変えることが不可欠

教育プログラムは、ビジョンや戦略から考えて設計していくことが重要であると前回の語録で説明したが、いくらプログラム自体が優れていてそれを教える人材が優れていたとしても、参加者の成長に関する意識に問題がある場合は大きな効果を期待することは出来ない。
就職活動でも学生が企業を選らぶ基準として、充実した教育プログラムをあげることが多いが、個々人を成長させるのは企業ではなくて自分自身にあることを理解する必要がある。

「問題解決の考え方」を教えていると、受講生によってなぜこんなに理解度が違うのかということについていつも考えさせられる。

まさに、“なぜ理解度が人によって大きく違うのか”の答えが解らなければ、教えることの効率と効果を高めることができないからだ。

問題解決の考え方の多くは、学校時代に学べることでもなく、まして企業で学べるわけでもない。
要はゼロから学ぶ人が多いために、考える力がある人たちが受講生であることを前提とすると、理解度においてそんなに大きな差がでるとは考えにくいからなのだ。

教えるときの受講生の数はせいぜい20~30名と少数であるため“居眠りする”ことは難しいし、多くの場合は選抜された人たちで優秀であるはずであり、個々人への質問の違いは若干あるとは言え、同じ資料を使い同じ説明の仕方をしているので、学びの条件はほぼ同じである。

それでも、すごく出来る人と“思考停止しているかの人”が存在しており、これを単に問題解決に“向き、不向きがある”ということで済ませるわけにはいかない。

ここで受講生にインタビューをしてみて初めて解ったことは、理解度の違いは“学びに対する姿勢や本人の意識”にある可能性が高いことだ。

“考え方を学んだとしても、そう簡単に能力が高まるはずがない”と思っている人、“自分は人事部に言われたから研修に参加しているんであって、本当は現場で仕事をしていたい”と考えている人、“自分の能力はかなりレベルが高いので、いまさら研修なんて必要がない”と考えている人たちは、恐らく”慣れていない新しい考え方“を受け入れることを無意識に拒否している可能性があるのだ。

そのような姿勢を持っている人の考え方は結局今までの思考方法と変わらず、“方程式を覚えるがごとくに考え方を「記憶」してそれをいろんなケースに当てはめて考える”ということになる。

それは考え方を「理解」したわけではないため、本来の目的を満たす最適なアプローチを考えだすということができていないということなのだ。
それが結局、人の学びの差につながっているのだ。

効果的な教育は、まず人の学びに対する意識や姿勢を変えることにあり、一連の教育プログラムの一番最初に“効果的な学び”についての“講義”を行うことは極めて重要になる。

文責:齋藤顕一

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