知のネットワークを広げ、心のネットワークを作る
本を読む、学校での講義を聴く、仲間や先輩のプレゼンを聞く、友達や知り合いと話をする。
そうすると、自分が知らなかったことを知ることが出来たり、おぼろげに感じていたことが人の言葉を聞くことで明確になったり、今までそんな考え方をしたこともないことに気づかされ感動したりする。
ここで終わってしまうと、自分の閉じた世界で終わってしまう。
それらの新しい考え方に触れることで、一度その考えを自分でも試してみようと行動してみる。
行動してみることで、初めて人から聞いた言葉に対してその正しさに確信を持つようになる。
そうするとまたその人たちの言葉に触れたいと思うようになる。
そのような同じ気持ちを持った人たちがいつの間にか気がついたら集まっている。
知のネットワークの始まりだ。
その時点で知識は知恵に変わっているだろうし、お互いの知恵に対して敬意をいだくようになり、そこに心のつながりが出来始める。
そこには今まで過ごしてきた環境も、学校も、職場も、年齢も、性別もなんら関係ない。
そのつながりは、学校や職場での同窓であることから始まるということよりも、自分を成長させたいと願っている人たちの集まりの中から芽生えるのではないかと思う。
そんな集まりがいっぱいあればきっと楽しいなと思うし、世の中はもっと良くなりそうな気がする。
そんな機会をみんなが作れるようになるとすごいと思う。
異業種交流会なるものには出かけないのだけど、聞くところによると名刺を交換し、自分の会社の売り込みをすることに一生懸命みたいらしい。
同窓会の集まりに行くと思い出話や今どんなことをしているのかなどに話の花をさかせる。
友達に会うと共通の話題が多いために会話は盛り上がる。
これらのことを懇親目的のネットワークづくりと呼ぼう。
知的なネットワークは、もちろん自分からそのネットワークの一端を担おうと思わない限り参加できない。
ネットワークの一端を担うためには、自分の知的レベルが他人にどう思われていようが、自分自身が一生懸命考えたこと、また感じたことを人に伝えていく必要がある。
懇親目的のネットワークでは自分をちょっとかっこ良く見せることもあるだろうけど、知的ネットワークに参加する意味は、“自分なりを表現すること”が大原則。
自分の成長を志向している人にとって“正解の考え”は存在しておらず、いろんな人のいろんな意見や考えから、自分にとっての意味合いを考え、自分の考えを正したり確信をもったりする。
だから着飾る必要もないし、人の賛同を最初から求める必要も無い。
名刺に書かれた会社の名前や肩書きも最初はなんか意味がありそうだけどそれだけで終わり。
人は会話の中に、その人の魅力を見出す。
大事なことは自分の素直な考えを表現し、人の意見に耳を傾け、自分が貢献できそうなことについては提案すること。
人のために尽くそうとする人には確実に人から助けられる。
このような関係が出来たときに、気がついたら心のネットワークが形成されており本当の信頼関係ができているのだろう。
まず、知のネットワーク作りに参加することから始めたらどうだろう。
文責:斎藤顕一
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