第6回:戦略実現のためのインフラ強化

第6回:戦略実現のためのインフラ強化

第6回:戦略実現のためのインフラ強化


  
  
第5回はバリューチェーン、つまりは戦略軸にふれたので、今回はそれを実現するためのインフラについて考えてみましょう。ちなみに、インフラとはもちろん、一般的にいう社会基盤ではなく、企業の事業活動に必要不可欠な基盤と考えてもらうといいですね。

企業の業績を持続的に成長させるためには、売上を上げるための事業戦略(バリューチェーン)だけでは不十分で、戦略実現のためのインフラ構築が不可欠となります。

よくある間違いは、売上規模が大きくなって扱う資源(人・物・金や情報)が増えるのに、新たなインフラ構築が成長のスピードに間に合わず、売上が急激に下がってしまうケースです。

逆に、インフラ投資は固定費の増大を招き、過剰な体制は高コスト体質につながる危険性があります。そのため、戦略実現とは関係のない、インフラ投資は避ける必要があります。今回の新型コロナのように、一時的に大きく業績が悪化した時に、そのリスクに耐えられるような柔軟なインフラを構築しておくことも重要です。

では、インフラとは何かというと、人事・総務・財務・情報システムなどの支援部門と組織・仕組み・組織スキル・風土などの全社に関わる要素を意味します。ただ、多くの場合、インフラや人の問題はデリケートで難しい問題なので避けて通りがちですが、戦略に合わせて進化をさせないと企業の将来はないといえます。
  
  

  
インフラの問題は、数値で客観的に評価できないことが多いので、戦略に比べて問題発見が難しくなります。問題点を明確にするためには、起こっている現象から問題のカギを見つけ深堀していく必要があります。例えば、“人がよく辞める”、“会議の発言が少ない”、“資料の提出や承認に時間がかかる”は表面的に起こっている現象ですが、その根底には、人事制度、非効率なシステムなどの根本的問題が潜んでいる可能性があります。課題となる現象を発見できると、それはなぜか?と問いかけ深堀していくことで、根本原因に近づくことができます。

戦略やそれに見合ったインフラの強化には、人の巻き込みが重要となります。問題解決実現のカギは「人」であり、最大の阻害要因も「人」であるからです。だからこそ、その人たちの育成と信頼を得られないと成果を上げることは難しい。嫌なことから逃げない、しんどいことにも取り組む、改善策や新しいことを考える、それらを実現する方法を何取りも考える、といった、まさに「人間の業」との闘いに挑める人が重要です。そのような人たちが強い情熱とコミットメントを持ち、他の人を巻き込み、気持ち的にも何としてでも取り組みたいと思わせる仕掛けや仕組みを作ることも大事になりますね。
  
  

文責:齋藤顕一

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