9月, 2008 |

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情報収集はロジックである

本質的問題の発見を行うためには、「情報収集」、「分析」、「整理・統合」の3つの重要な作業の流れがあることをいろんなところで説明してきた。
問題の本質を理解するためには、“現在起こっていること”を、思い込みではなく客観的に理解するために必要な情報やデータを集め、分析することが不可欠となる。
しかし、必要な情報項目をどのようにして決定していいのかがわからないのが現実である。それではどのように必要な情報項目を考えるのか。
それには2通りある。
ひとつは分析するテーマに関して演繹的に分解していく方法。
もうひとつは、インタビューなどによって、特定テーマについての意見を聞き、それらの意見を共通項でグループ化し、それらを帰納的にまとめてまず結論を仮説ベースで決定する。
そしてその結論を演繹的に分解して、その結論を証明するために必要な分析項目を決定し、その分析に必要な情報を明確にするというやり方だ。
これらの方法を取ると、総花的に調べたり、思い込みで漏れのある作業につながることが防げるのだ。
これらの2通りの方法は、帰納法と演繹法を理解している必要があるため、情報収集はロジックと言えるのだ。

 
【解説】
 
物事を正しく判断するためには情報が必要であることは言うまでもない。
 
しかし、企業であれ、部門であれ、担当者であれ、直面している問題点を正しく評価するために必要な情報はなにか、という問いかけに対して正しく答えられる人たちはほとんどいない。
 
せいぜい自分の経験上、知りえてきた情報項目をあげることができるぐらいで、今まで知りえなかった情報項目をあげることはまず不可能だ。
 
それはロジックで情報項目を考えるということを教わったことがないし、演繹的とか帰納的という考え方になじんだことがないからだ。

 
例えば、「営業の問題点」に関して情報収集の必要な項目を演繹的に考えてみると、まず大項目として「販売力」、「販売支援体制」、「営業の意識」の3つに分けて考えられるのではないか。
 
「販売力」は、「営業個人別の生産性」、「拠点別・課別オペレーション」、「拠点別・課別投入資源」に分けて考えることが出来るだろう。他の項目についても同じように可能性の高い項目で分解して行くわけだ。

 
仮説を決めて情報収集を行う上でもうひとつ大事なことは、出来るだけ多くの顧客、代理店、自社のいろんな部門の人たちに意見を求めることだ。
それによって、問題の本質についてのあたり付けが出来るだろうし、重要な問題を漏れ逃す可能性が低くなるからだ。
 
聞いた意見をグループに分類するだけで、どんなテーマ(情報の大項目)が重要になるかがわかる。
そのまま分解してそれらを証明するための分析とそれに必要な情報項目を明確にしても良いが(ただし重要度については理解できない)、出来ればグループ化したものを要約してさらにそれらを要約することで、本質的問題が何になるかを考えたほうがよい。
 
そこから、また演繹的に分解し、情報項目を決定するわけだ。これらの作業は難しいとはいえ、問題の本質を発見するために必要な取り組みであるため、ぜひ学んで欲しい。

 
文責:斎藤顕一

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