戦略策定のためのアプローチ |

カテゴリー: 戦略策定のためのアプローチ

どうやって企業の業績を上げるのか?

バブル崩壊によって失った資産は1300兆円を超えるともいわれるほど日本の産業界に与えた影響は大きく、その結果日本は成長することが出来なくなってしまった。国際競争力も低下し、GDP規模も中国の後塵を拝し、企業の年間成長率も大幅に低下した。労働生産性は主要7か国の中でも最下位で、営業の生産性は営業職の人数が減っているにも関わらずほとんど20年前を超えることができていない。アベノミクスのプラスの影響があったものの、成長できない企業、成長できない日本になってしまった。
 
 
にもかかわらず経営コンサルティング会社は成長しているようだ。日本企業は成長しないのに、なぜコンサルティング会社は成長しているのでしょうか?それは成長できないクライアント企業の業務改善やオペレーションの見直しを行うことで、収益性の改善を行っているからなのです。企業は成長しないと収益性が悪化するので、ともかく収益性をあげることが重要な取組になるのでしょう。
 
 
健全な企業は、売上を増大させることで収益性を向上させるのですが、どのように売上を伸ばせばいいのでしょう。おそらく、多くの企業は売上を伸ばすための具体的な方法を何通りも考え、その施策の中で最も効果的な方法を実践されるのだと思います。しかし、なかなか思ったような成果を実現させることが出来ないのだと思います。なぜか?その時に考え出された数々の施策は、過去の成功体験や他の企業の成功事例から導き出されたものだからなのです。世の中が大きく変化しているのですから、過去の成功事例はほとんど役に立たないでしょうし、他企業の成功事例は他企業だから成功したのであって、全く異なった経営を行っている企業には役に立たないのです。
 
 
それではどうすれば良いのでしょう。フォアサイトは企業が売上を伸ばすことが出来ない根本原因に着目することから始めます。最も重要なのは、競争力の源泉ともいわれる”バリューチェーン”を見直し、どの要素が弱体化しているのかを見極めるのです。そして、売上を上げる施策が成果を実現するために必要なインフラや人の問題にも踏み込んで考えるのです。
 
 

文責:斎藤顕一

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
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事実の裏付けのない“一般論”は自社の問題に使わない

経営に興味のある学生や、管理職の人達また文字通り経営に携わっている経営者たちの中には熱心に本を読んだり、講演会に出かけたりして、大事な考え方を学んでいる人たちがいっぱおられる。
そして、それらの学びを、日常の事業運営で活用しようとする。これ自体は素晴らしいことだと思う。
ただ、時々、経営者や管理職のひとたちと討議していて気が付くことは、一般論として正しい考えではあるけど、自社の現状を正確に理解していないで、これらの一般論を使う傾向がいかに多いかということ。
例えば「国内市場は成長していないので海外に行くべきだ」、「現在の事業では成長には限界があるので、新規事業に取り組むべきだ」、「成長の可能性のある分野に積極的に投資をする」、というような“新たな成長を達成する上での重要な考え方”も、市場の魅力度や自社の実力度合や、その事業での成功確率に対する読みを事実ベースで評価できていない場合は、これらの考えは全く役にたたないどころか、会社を崩壊に至る道に誘導することになる。
一般論は一般論として正しいものの、これらの一般論が有効に働くのは“事実ベース”で自社を取り巻く環境や自社の現状を理解したうえで、しか起こらないことを肝に銘ずるべきだと思う。

 
リスクを取る話も、新規市場に参入することも、初めにこれらの考えがあって行動するのではない。
 
市場の魅力度や競争環境を理解することはもちろんのこと、自社の財政状況、バリューチェーン(VC)の競争力の度合、VCの各要素の連携がうまく取れているのか、またこれらの売上をあげる戦略軸の実現を可能とするインフラが整っているのか、そもそも企業の活動に取り組む人たちの意識は高いのか、という現状についての理解がファクトベースによって検証されていることが大前提になるのだ。
 
これらの事実ベースでの理解が十分にできていることが不可欠要素であって、それらの事実から導かれた意味合いを考えるときに初めて“一般論”が参考になるのだ。
 
一般論の議論を“乱発”する人たちの共通点は、新しい考えを学ぶことに貪欲であること、自分なりに目指したい姿についてのイメージをもっていること、でも事実ベースで自社の置かれた状況を正確に理解していないことなのだ。
 
自分が成し遂げたいことを正当化するために、一般論を“自分の考えを正当化”するために使う。これらの考え方は自社が業績を高めることが出来ない本質的な問題を理解しないで、ただ取り組み方だけを明示して進んでいくため、会社に致命的な損害を与えることにつながる可能性があるのだ。
 
問題解決は本から一般論として学ぶものではなくて、顧客から学び、事実から学ぶものであることを再認識する必要があるのだ。
 

文責:齋藤顕一

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数値目標を重視するのではなく活動内容重視で新年度に臨む

4月から新年度が始まって、全体会議などで新しい事業計画や部門目標が提示されている会社も多いだろう。
初めてその目標値を聞いた人たちはどのようにそれをとらえるだろう。
「また、無理な計画ばっかり立てて、こんな数字達成出来ないよ」とか、「どっちみち、達成できなくても非難されるわけでもないので適当にやっておこう」、「そもそも数値目標は管理職が気にしていればいいのだ」などとネガティブに考える人は結構多いのではないか。
数値目標は目指すべき到達点を示すという意味で重要ではあるか、本当に大事なのは「どのような活動をして数字を上げる」かにある。
自分がこれから取組もうとしていることは、自分にとって貴重な1年をかけるに値する活動かを考え直してほしい。
数字は結果であり、顧客にとって価値のある活動をすることで初めて期待以上の数字が得られることを再認識すべきなのだ。

 
「予算」もひとつの数値ではあるが多くの人たちの捉え方は間違っていると思う。
予算はある目的を達成するための上限の金額数値であるだけで、決して「使わなければならない金額」ではないのだ。
 
例えば、会社行事でお花見をしましょう~となった時には企画する人は、まず「予算はどのぐらいですか?」と上司に聞き、上司も「去年はこのぐらいだったから、このぐらいで考えてみたら」と提示する。
そしてその金額を使おうとする。これでは本来の目的を達成するために、なにをどのように成し遂げるべきか、という「重要な考えのプロセス」を放棄していることになる。
 
予算があって、何人ぐらい集まって、それなら場所はここ、食べ物は何、出し物はこう、と決めていくのは楽ではあるが、まさに「何のためにそれをするのか、それを達成するためのベストの方法は何か、その為に必要なコストは正当化できるのか」という活動の価値を高めるための考え方が出来ていないことになるのだ。
 
 
売上目標などの部門目標値も、結局同じように決められていることが多い。
 
人数がこのぐらいいて、コストがこのぐらいかかっていて、株主からはこういう成長が求められているから、前年の数字を参考に、このぐらいの目標数値にしようと決めてしまう。
 
まず、全体を決めて部門間調整をして、各部門の数字を決めよう、という流れは、業績向上を目指した本当の計画ではない。
 
売上は、活動の結果であって、何のためにどんな活動をするか、という具体策なしに数字を決めても絵に描いた餅にすぎなく、成果をあげることは極めて難しい。
 
自分たちの使命は何なのか。目的はなんなのか。お客さんに何をどのように提供すべきか、その中で自分たちがなすべきことは何か。そのように考えることで数字はあがる。
 
さらにその数字を最大にするために、自分の良いところは強化すると同時に間違いを正し、新たな取り組み方を考えてみる。
 
新しい目標値をもらった時に、その数字をいったん忘れてこれらのことを考えてみてもらいたい。
そうすることが結果的に目標数値を大きく上回るような成果を生み出すことに繋がるのだ。

 
文責:斎藤顕一

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本社に頼らないで拠点主導の施策の立案を目指す

本社が東京や大阪にあったり、国外のパリやニューヨークにあったりした場合、出先機関である地方や日本支社などの拠点は、本社が決定した施策をそのまま受け入れて事業活動をすることが普通に行われている。
これは正しいのか?
組織運営からすると正しいのかもしれないが、業績をあげることが目的だとするとそのまま受け入れることは決して正しいことではない。
なぜならば、拠点が担当している市場の特徴は、本社が認識している市場と必ずしも一致していないからだ。
なぜそのようなことが起きるのか。
市場を構成している顧客ニーズの変化のスピードが速いこと、本社の多くは、今ある製品をなんとかして売りたいというプロダクトアウトの考えが中心であること、拠点がテリトリー市場で起こっていることを顧客から学ぶことができたとしても、それを拠点主導で自らの“施策”を考え本社を説得することができないからだ。
とすると、拠点がまず取組むべきことは市場で起こっている情報を収集し単に本社に伝えるだけではなく、拠点において売上を増大させるための施策を立案することが極めて重要ということになる。
これは困難ではあるものの、学習することで身に着けることができるので学んでみる価値は大きい。

 
 拠点長と討議していてよく聞くことは、「売上をあげるための取り組みとして本社から言われていることは、市場の実情にマッチしていないのでなかなか成果を上げにくい」というのがある。
 
もともと売上をあげることが難しい環境の中で、本社の指示が間違っているとは言えず、もちろん自分たちの営業力に問題あるとも言えないため、目標達成していない拠点は競争相手や製品仕様や価格に問題があるとして済ませてしまう。
 
目標達成ができないと若干ボーナスは減るかもしれないが、責任を取らされることもないので、いつまでたっても業績はあがらない。
 
そもそも売上をあげる取組みというのは、拠点が市場を評価した情報と本社の意向と期待値の両方から導き出したもの。
しかしながら、多くの場合は本社が市場全体の数字とか拠点に関するデータを分析した上で施策を立案するのが普通になっている。
 
それなのになぜ実情とマッチしていないのか。
 
本社に蓄積されている拠点に関するデータの多くは“事業活動の結果”であり、“施策立案”には市場の動向とか、対象顧客が製品や販売方法に求めていることが反映されていなければならないのに、それが評価されていないからだ。
 
もちろん、本社が全拠点に出かけて顧客を訪問し、拠点の施策を考え出すことが出来れば良いがそれは不可能に近い。
とすると、拠点自体が施策を立案できるスキルを持つことが必要になるということになる。
 
そのためには、まず会社全体がなにを目指しているのかを理解することが重要であり、その枠組みの中で拠点は自分たちが対象としている市場がなにを求めているのかを、訪問した顧客や代理店から学ぶ必要があるのだ。
 
もちろん、学んだ情報だけからでは個別顧客がどんな意見を持っているかがわかったとしても、拠点全スタッフで取り組むべき“成功確率の高い施策”は導き出せない。
 
拠点に関する数値データの分析と“顧客の意見”の両方を評価することで初めて“施策”が立案されるのだ。

文責:斎藤顕一

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企業にも“経営の総合診断医”が必要

企業業績がなかなか上がらない。
コスト削減はそろそろ限界にきているのに、売上げをあげる方法がわからないからだ。
消費者の節約ムードや値下げ競争がさらに需要を押し下げ売上が低迷する。
現在のように売上げが上がらないと“問題点に対する感度”が高まるだけでなく、 自部門だけではなく他部門の問題点がより目に付くようになる。
自部門の問題については正しいか正しくないかは別としても、 問題解決に取り組むことは出来るが、 他部門は“別の組織”であるために部門長どうしが話し合うことがあっても干渉することは非常に難しい。
企業は価値を生み出すために事業部門だけではなく間接部門も含め、 全組織が連携することが大前提になっているため、単に部門の問題に縦割りで取り組むのではなく、 業績が上がらない問題の本質を見極めたうえで、 それらの問題に関わっている部門の問題を優先的に解決することが不可欠といえる。
それはまさに、目が見えにくくなったから最初から眼科に行くのではなく、 目が見えにくくなった問題の本質を総合診断医にまず見極めてもらい、 その本質的な問題を解決できる専門医の治療を受けるのと似ている。

 
最近、医療の世界では「総合診断医」の重要性が取りざたされている。
 
一説では「総合医の診断を受けた上で、専門医の治療を受けることで医療コストの三分の一程度削減できる」 と言われるぐらいインパクトが大きいようだ。
患者の思い込みで診療科を選んでしまうため、 もちろん病気は治りにくく、延々と治療と薬剤投与を受け続ける。
 
 
企業においても同じことが起こっているとも言える。
 
企業の事業部門に関しては売上管理とか収益管理が行われているため、 目標を達成していない部門は「問題部門」であり、 部門長は目標達成を目指して取組むことを期待されている。
 
もちろん担当部門が売上拡大を目指して一生懸命取組んでいないこともあるので、 もっとうまくやれるようにみんなで工夫して活動することは出来るが、 それでは期待通りの成果はあげきれない。
 
なぜならば、リーマンショック以降の市場環境では、 多くの企業の業績が上がらないのは一部門の問題で解決できることではなくて、 全社に関る問題が大半だからだ。全社の状況をしっかりと診断して、 なにが業績を高めることを妨げているのかをまず理解し、 その問題を解決するために関連部門を横断した取組みをしない限り強い体制を持つ企業を作り上げることは困難であり、 この不況のあとにおいても大きく業績をあげることはできない。
 
結局、「問題解決の考え方」を学び実践できる人が、 全社の問題に取組むことを期待されているということなのだ。

 
文責:斎藤顕一

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成果につながる“本当の事業計画”を立案する

企業にとって事業計画を立案することは重要な行事とされている。
それは翌年の“事業活動”を決定するものであり、 売上をあげ、収益をあげる具体策であり、それを“拠りどころ”として全従業員が走り始める行動基準だからだ。
ところが現実的にはほとんどの企業の事業計画は、数値目標をさだめて、 それを実現するために“これをする、あれをする”と言った“過去の活動の継続”しか示していない。
本来は市場・顧客や競争環境を十分に理解したうえで行うべきはずが、 それをする能力が企業にないために数値目標を示し“同じ取組みの改善版”を実施するわけだ。
目標数値の達成という“気合”だけで、業績があがるはずがない。
企業はまず“事業計画”という業績向上するうえで、 成功確率の高い施策を立案する能力を身につけ、 今の難しい時代の生き残りを計るべきなのだ。

 
企業の事業計画や中期計画を読むと、3つのことが含まれているのに気がつく。
 
達成できそうもない目標値、今まで「出来なかった具体的取組み」の継続、方法記述のない「売上をあげるための理想的な活動」。
 
なぜそんなことになっているのか。
これらが示しているのは、市場・顧客や競争会社を理解していないからに他ならない。
 
企業が存続するには事業計画が不可欠なのに、なぜいい加減な事業計画でなんとか生きながらえてきたのか?
 
景気が良いときや、成長業種にいる場合や新製品開発を継続的に行える会社はなんとか生き残れる。
それでは成熟業種にいる会社の場合はどうなのか。
それはその会社が過去に築いてきた優良顧客との関係と、 確立された運営体制がなんとか必死に企業を維持しているだけにしかすぎない。
 
これらの企業は、市場環境が急激に悪化している現在、顧客が真に求めていることに対応できないため、 優良顧客数は減少しオペレーションも市場変化に対応できないため、業績はジリ貧になることは免れない。
 
事業計画立案の基本は、既存顧客と潜在顧客の両方から今後の市場性を理解し、 自社の既存製品と営業努力によってどれぐらいの売上をあげる可能性があるかを定量化することにある。
 
そして、それらを積み上げた数値と会社が期待している数値のギャップを埋めるために、 どのような新規の取組みが必要かを併せて考えることで、初めて事業計画の立案になるのだ。
 
これらの立案活動は、“根性や気合”で出来ることではなく、そのスキルを学ぶことで初めて達成できるのだ。

 
文責:斎藤顕一

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売上を上げるためにはまず国内を見直してから

調べてみて驚いたのですけど、これだけグローバル化が重要と言われながらなんと日本の上場企業の81%は輸出比率が25%以下で、国内市場を主要な事業領域とした事業展開を行っている。
しかも、国内製品市場の多くは成熟市場であって、その中で売上を継続して上げていこうとするわけだからハードルはかなり高い。
それでは比較的成長している海外市場へ行くかというと、もともと海外に売上を増大させるためのインフラを構築していない企業が、まして海外事業を運営できる人材が社内に育っていない場合は、海外で売上を増大することはかなり困難と言える。
とすると、まずは自分達が良く知っている国内市場を再度徹底的に分析し、拡販の方法を探し出すことが最善の方法になるわけだ。
シェアの低い下位企業にとっては自社のバリューチェーンの見直しだろうし、シェアの高い企業の場合は販売力と製品・商品開発力の徹底強化による新市場の開拓を検討すべきだし、それこそ自社だけでもだえ苦しむのではなく競合会社との連携による生き残り策も含めて検討すべき時期にあると言える。

 
【解説】
 
多くの企業は国内中心型であって、国内市場の成熟化に伴って売上を伸ばすことができないのが最大の問題点とされている。
 
海外で戦う選択肢を考慮して準備を始めておくことは良いが、成長市場に目を奪われるのではなくまず自分たちが熟知している国内市場において売上を継続的に伸ばす体制を整えることが先決。
 
シェアが低い会社にとっても競争相手から売上を奪える可能性は常にあるわけで、バリューチェーンの販売力の見直し強化を行うことで売上増加が可能となるため、まずここから取り組むのが定石。
 
またいずれの場合も取組みの大前提として、今までの「初めに製品ありき」からスタートしていた販売体制ではなく、「初めに顧客ありき」というように意識を大きくシフトさせることが重要となる。
 
つまり、今、販売している製品をどう売るかではなく、まず対象顧客を再度定義づけた上でそれらの顧客が求めていることを十分に理解することを行うことなのだ。
 
そうした上で、顧客が求めていることに対して、自社の製品開発、調達、生産、マーケティング、販売やサービス活動を再設計すると同時に、これらの戦略的な取組みを支援する業務部門の重要活動を見直すわけだ。
 
自社で競争力を強化できる場合は変革を促す強いリーダーを中心に努力することでも良いが、戦略実現が自社で困難な場合や、間接部門の生産性を向上させることが困難で、人の危機意識レベルも改善しようがない場合、外部のプロを活用することで競争相手や補完企業との合従連衡を行うことなどの選択肢について検討することが求められる時期になったといえる。

 
文責:斎藤顕一

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情報収集はロジックである

本質的問題の発見を行うためには、「情報収集」、「分析」、「整理・統合」の3つの重要な作業の流れがあることをいろんなところで説明してきた。
問題の本質を理解するためには、“現在起こっていること”を、思い込みではなく客観的に理解するために必要な情報やデータを集め、分析することが不可欠となる。
しかし、必要な情報項目をどのようにして決定していいのかがわからないのが現実である。それではどのように必要な情報項目を考えるのか。
それには2通りある。
ひとつは分析するテーマに関して演繹的に分解していく方法。
もうひとつは、インタビューなどによって、特定テーマについての意見を聞き、それらの意見を共通項でグループ化し、それらを帰納的にまとめてまず結論を仮説ベースで決定する。
そしてその結論を演繹的に分解して、その結論を証明するために必要な分析項目を決定し、その分析に必要な情報を明確にするというやり方だ。
これらの方法を取ると、総花的に調べたり、思い込みで漏れのある作業につながることが防げるのだ。
これらの2通りの方法は、帰納法と演繹法を理解している必要があるため、情報収集はロジックと言えるのだ。

 
【解説】
 
物事を正しく判断するためには情報が必要であることは言うまでもない。
 
しかし、企業であれ、部門であれ、担当者であれ、直面している問題点を正しく評価するために必要な情報はなにか、という問いかけに対して正しく答えられる人たちはほとんどいない。
 
せいぜい自分の経験上、知りえてきた情報項目をあげることができるぐらいで、今まで知りえなかった情報項目をあげることはまず不可能だ。
 
それはロジックで情報項目を考えるということを教わったことがないし、演繹的とか帰納的という考え方になじんだことがないからだ。

 
例えば、「営業の問題点」に関して情報収集の必要な項目を演繹的に考えてみると、まず大項目として「販売力」、「販売支援体制」、「営業の意識」の3つに分けて考えられるのではないか。
 
「販売力」は、「営業個人別の生産性」、「拠点別・課別オペレーション」、「拠点別・課別投入資源」に分けて考えることが出来るだろう。他の項目についても同じように可能性の高い項目で分解して行くわけだ。

 
仮説を決めて情報収集を行う上でもうひとつ大事なことは、出来るだけ多くの顧客、代理店、自社のいろんな部門の人たちに意見を求めることだ。
それによって、問題の本質についてのあたり付けが出来るだろうし、重要な問題を漏れ逃す可能性が低くなるからだ。
 
聞いた意見をグループに分類するだけで、どんなテーマ(情報の大項目)が重要になるかがわかる。
そのまま分解してそれらを証明するための分析とそれに必要な情報項目を明確にしても良いが(ただし重要度については理解できない)、出来ればグループ化したものを要約してさらにそれらを要約することで、本質的問題が何になるかを考えたほうがよい。
 
そこから、また演繹的に分解し、情報項目を決定するわけだ。これらの作業は難しいとはいえ、問題の本質を発見するために必要な取り組みであるため、ぜひ学んで欲しい。

 
文責:斎藤顕一

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競争力強化のためのバリューチェーン

今のようにGDPがほとんど伸びない経済環境では、売上を伸ばし続けることが企業にとっての大きな目標となるが、その中でも企業が特に重要と考えていることは競争企業に比べてより高い成長率を達成することだろう。
その実現のためにと、企業はすぐに販売力の強化を考えるが、これだけでは決して正しい取組みとは言えない。
他社より売上をあげるためには、シェアを増やすことが大事である。
シェアとは競争力を強化することであって、販売力以外の要素も多くの場合、強化することが求められるのだ。
まずは自社のビジネスシステム上の問題がどこにあるのか、また各ビジネスシステムの要素は連携がとれているのか、などを検証し優先度をつけて取組むことが重要となる。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
経済成長が鈍化すると、多くの企業の売上も思うように伸びなくなる。
 
企業はコスト削減やリストラに取組むものの、それは活動制限につながることが多く人の意識に悪影響を与えることは否めない。
そのため、企業はなんとしてでも売上を増大させようと努力する。
 
このこと自体は正しいが、よくあるケースは売上を増大させるために“販売力の強化”だけに取組むことだ。
 
売上増大施策の優先度を考えた場合、販売力の強化はすぐに成果につながりやすいという観点では正しいものの、販売力を強化しただけでは売上を継続的に増大させることは出来ないことを理解すべきだ。

 
競争相手に対して優位性を確保しない限りシェアは増大しない。
つまり市場が急激に成長していない限り、売上を増大させることはできない。
 
シェアとは競争力の度合い、つまり強さを表しており、競争力とは販売力だけではなく、製品開発力、コスト競争力、マーケティング力やサービス力も重要な要素となる。
 
ここで大事なことは、競争力を強化するために“競争相手”と自社を比較する以上に“顧客がなにを求めているかを理解する”ことなのだ。そうすることで、なにを強化すればいいのか理解できるようになるのだ

 
ビジネスシステムはバリューチェーンとも呼ばれており、それぞれの要素を強化したとしても全体が連携していなければ“競争力”は高まらない。
 
企業が提供する価値は、ビジネスシステムの各要素が強化され、それらがまさに“鎖のようにつながって”(バリューチェーン/Value Chain/価値連鎖)初めて大きなものに変わるといえる。

 
文責:斎藤顕一

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分析のための考え方

分析の方法を何通りか知っていることは大事なことだけど、分析手法だけを学んでも、問題の本質を発見することは難しい。
まずはデータをチャート化し、そこに描かれたことから、「なぜそんなことが起こっているのか」と考え、その理由がわかるように更にデータを集め“また考える”という、クセをつけることが大事。
それが出来ると、初めて既存の分析方法が生きてくるのだ。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
“価値ある情報を集める”と“価値の高い分析”につながることが多いわけですけど、そもそも分析するとはどんなことなんだろう。
 
本屋さんに行くと、いろんな分析手法本があるんですけど、なかなか高等な技で誰がこれを買い求めるのか、をいつも不思議に思うのです。
 
そもそも、数字をPC、電卓、はたまたそろばんで計算したところで、計算したいことの結果はわかっても、収集した多くの情報からなにが起こっているかを発見することは難しいですよね。
 
そこで、分析手法なるものを知ってそれに数字を放りこんで、結果をみる、ということが起こるんでしょう。それもやらないよりはましかもしれないけどね。
 
 
お勧めは、まず考えるための材料となる数字、それも市場全体とか会社の売上の推移とか、大きな絵が描けるように、それも時系列で見れるようにチャートを書いてみることなんです。
 
そうすると描いたグラフを見ながら“なぜ減少しているのか?”とか、なぜここでピークになってそれから減り始めたのか、ということを“考える”でしょう。
それが大事になるのです。
“疑問を持つ”と次に、当然のことながらその疑問を解くために、それがわかるような情報やデータに着目するでしょう。
 
そしてまたチャートを書いて考える。
あるいはある人は、大きな流れがわかるデータや情報を何枚もチャート化して、それら全体から言えることはどんなことだろう~と考え始めるかもしれないですね。
 
そしてそれから、今度はそれぞれのチャートについての疑問を更に分析していく。
それが“考える”ということなんです。
 
なぜそうなっているかを理解するために、過去と比較したり、他の会社と比較したり、他の事業部と比較したり、なにかとなにかの相関関係をみたり、グループに分けて違いをみたり、時間軸で人の時間の遣い方を評価したり、するわけです。
 
単独の数字では理解しにくいので、“なにか比べること”が大事なんです。
そのように“考えることができる”と初めて“分析の仕方を知っていること”が生きてくるのです。
 
分析の仕方だけを知っていると、たくさんのグラフはあるけれども、そこからなにが言えるかが、結局よくわからない状態になってしまうのです。
ですから、まず考え方を学び、それから分析の仕方を学ぶほうが効果的なのです。

文責:斎藤顕一

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顧客理解のためのアプローチ(情報収集)

情報収集は問題解決においてもっとも重要な作業であるにも関わらず軽視されがち。
情報収集は闇雲におこなうのではなく、計画性をもって行う必要がある。
良い情報を集めることができたら、良い分析につながり、良い結論につながることを十分に意識すべき。
特に顧客に関する情報は企業の業績を左右するぐらい重要であることを理解する必要がある。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
もし、企業が、顧客が何を求めているかを理解し、それらを顧客に提供し続けることができれば、その会社はNO1になり続けることができるはず。
 
しかし現実的には、顧客に関する情報の多くは、自社製品の売上に関するものであることが多いのです。
 
これは“顧客を意識し、顧客のことを徹底的に理解する”という発想からでてきたわけではなく、“自社の売上管理データを単に顧客別にくくってみなおしただけ”の話なんです。
 
だから、集められた情報は断片的であって、その顧客がなにを求めているのかがわかるわけがないのです。
 
成熟産業においては、自分達が生産した製品や仕入れてきた商品は簡単に売れないわけですから、まず顧客が求めているものを理解しそれらを開発することで、売り上げ増を図ることが正しい取組みになるわけです。

 
顧客を理解するための情報とは何か?
 
法人顧客の場合は、その顧客が目指している目標を達成する上での課題を理解することなんでしょうね。
 
そうすれば、その課題を解決するために、自社の製品やサービスがどのようにあればいいのかがわかるし、それを提供することで貢献できる可能性が高くなるわけです。
 
顧客情報を集めるためには、まず全体像がわかるように、売上や収益性などの業績推移に関する情報がまず重要でしょう。
数字は企業活動の結果であるわけだから、なぜそのような業績になっているのかを次に調べる必要があるのです。
 
おもに、売上に関係するバリューチェーンの評価と、その取組みを実現させるためのインフラの両面を理解することが大事になります。
会社のHPから理解できることもあるし、新聞や雑誌をネットで検索して、それらをフレームワークで整理すると、結構理解できるのです。

 
全体から部分に下りて情報を調べること、長期の数字を収集することなど既存のデータを収集・分析することは当然なんですけど、やはり対象とする顧客企業に直接インタビューすることは欠かせないでしょう。
 
また得られた情報はフレームワーク(整理するための論理軸)で分類して、その企業で起こっていることの当り付けをすることが大事になるのです。

 
文責:斎藤顕一

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インタビューのスキルは論理性にあり

誰でも人に質問すれば、その人の応えは聞ける。
でも意味のある話は、誰でも聞けるわけではない。
人の問いかけに、誰でも答えることはできる。
でも相手に感動を与えることは、誰でもできるわけではない。
インタビューをする場合に、周到な準備と技と熱意があれば、大きな成果を導き出すことができる

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
企業の業績をあげるために、販売力を強化することはどの企業も取り組む基本的な施策だ。
 
販売力を強化するということになると、多くの場合は営業1人1人の能力を高めることが当然のことながらマネジメントの大きな関心事になる。
 
ところが、多くの企業での悩みは、営業の人の能力のバラツキであり、全体の能力を高めたいのだけど、なかなか出来ない。
結局それを是正するため、マニュアルを作成したり、ロールプレーを含めた営業教育をせいぜい行うわけだ。
 
しかしながら、そのことだけをいくら一生懸命やったとしても、大きな成果は期待できない。
厳しい競争環境のもとでは、受注につなげるのはテクニックの領域ではなく、当たり前だが、結局顧客との信頼関係をいかに築くかにかかっている。
 
それは単に“お互いに知り合って何年になります”という時間の関数ではなく、“どれだけ正確にお客様が考えていることを理解し、お客様が考えていることを提案できるか”の質の関数となる。

 
「お客様を理解する」とは、誰でも言えることではあるけど、実際に実現させるのは難しい。
 
顧客を理解するには、インタビューという“単に自分達が知りたいことを、ただ聞く”ということではなく、相手に質問をし、その応えから新たな質問を生み出すことで、更なる価値のある考えや取組みにつなげていく高度なコミュニケーションの方法を知ることがどうしても必要になるのだ。

 
“問題解決におけるインタビュー”は、まさに問題を発見し、問題を解決するために必要なことであり、これは誰でもできることではない。
 
まず、テクニックの部分としては、インタビューの目的を明確にすることがまず大事になるし、そのインタビューを誰にするのかを決定する必要がある。
目的を満たす上で、最適の人を選ばなければ当然、レベルの高い答えを得ることは困難になる。
 
次に、目的を満たすための準備作業にエネルギーをかけることが大事。
アポイントメントを取る方法も神経を使う必要はあるが、質問の設計をどうするかがインタビューの成果が大きいかどうかを決定するぐらい重要であることは言うまでもない。
 
インタビューの実施の方法にもコツがあるし、インタビューを終えた後のフォローの仕方もその後信頼関係の構築に影響を及ぼすほど重要である。
 
 そして、これらのテクニックの部分以外に重要なことは、実際にインタビューをする場面で相手の話を聞きながら、頭の中で論理的に整理しながら、目的を満たす“真の答え”を導き出すことだ。
 
結局、インタビューとは、テクニックだけの世界ではなく、“問題解決を行う論理の世界”であることを認識する必要があるということなのだ。

 
文責:斎藤顕一

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フレームワークの考え方

フレームワークは論理的に考えたり、考えを論理的に伝えたりするためのツールで、重複がなく、ずれもなく、漏れを避けるための考え方とも言える。
収集した情報を分類し、それを要約するのに有効だし、考えを論理的に展開するのにも使える。
使い慣れる事が重要。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
フレームワークという言葉を皆さんは知っていますか? ビジネス書を読んでいるとたまに出てきたりしますが、今回はフレームワークについて説明していきます。
 
フレームワークとは、情報を種類別に分類するための箱で、例えば、野球、バレーボール、サッカー、テニス、陸上、水泳、というような情報がある場合、これを一つにまとめると「スポーツ」もう下位の分類を考えると、「球技とそれ以外」、「屋外スポーツ、室内スポーツ」など色々な分類ができます。このように普段何気なく使っているのがフレームワークになります。
 
この考え方はビジネスにおいても非常に重要となり、斎藤が触れているように、単なる情報の要約だけではなく、論理的に考えを展開するのにも非常に有効となります。
 
コンサルティングをする場合、社員・顧客・はたまた仕入先・最終顧客へインタビューをするのですが、そこで集まった情報は、実は種類がばらばらで、話のレベルが異なったり、あまり重要な問題ではなかったり、ずれていたりと多種多様な“理解しにくい情報”があるものなのです。
それらの情報からそのまま意味を理解して、さらには、要は何かをまとめることは神業的で不可能と言えます。

 
しかし、このような場合でも、フレームワークを使って“共通の項目”で分類し、それらの要約を繰り返すことで、なにを言わんとしているかが理解できるのです。
 
つまり、人が理解できないのは、言葉が難解である場合はもちろんそうなのですが、多くの場合は“情報がランダムに並んでいる”ためなのです。
ですから、わかりやすいように“同じ仲間の情報を分類して整理する”ことで、理解度が圧倒的に増加するわけなのです。

 
フレームワークを使い慣れると次は論理的な考えを展開することができるようになります。
これはかなりパワフルな考え方なのです。
 
例えば「わが社の報酬体系はおかしい」と問題提起をする社員がするとします。となると、どうでしょうか・・・。
“そりゃ、そういうこともあるわな~”となりますか?
あるいは、報酬制度だけが問題点と考えるのはおかしいと考えますか?
 
それは報酬を決める前段階の“評価”だったり、そもそもの“採用”、“キャリアプラン”という一連の人事の流れに問題がある場合が多いのです。
 
フレームワークを使うと、その問題の重要性、他との関連性を即座に判断でき、この場合は、フレームワークを使って何が漏れているのかを考え、論理的に考えを展開することができようになるのです。
 
どうですか?
フレームワークとは何か、理解できたでしょうか?
 
勘所は、「1.重複なし、2.もれなし、3、ずれなし、4.レベルが一緒」。
この4つのポイントを意識して、実際にフレームワークを使いこなしてみてください。

 
文責:柴田祥子

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無断転載はご遠慮下さい。

仮設設定の仕方

仮説は効果と効率を高めたいときに非常に有効である。
正しく仮説を使うことができれば、無駄な時間が省け
その成果物の価値は何十倍にも 高まる
(斎藤顕一)

【解説】

「皆さん仮説ってよく学生のときに、論文を書くときに設定したり、

理系の人は何かを証明するために利用したと思います、
問題解決においても仮説がすごく重要となります、

今回はちょっとその「仮説」について触れていきましょう。

ものが売れないので、

「そうか、それは商品開発が問題なんじゃないかな。なんとかしなくては!」という、

これは仮説ではない。

なぜならそれは、経験だったり、

おそらくなんとなく言われていることを正しいとこと、

責任を押し付けたい部分を問題として取り上げているだけだからだ。
それらは1つの可能性であるとはしても本質的問題解決につながる仮説ではない。

今世の中では、顧客が変わり、競合が進化している、

だからこそ、今までと同じやり方では通用しない、

事実を集め、その情報をグルーピングし、

実際に何がおこっているかを見極めることが必要で、

それが問題解決のための仮説設定といえる。
仮説設定において今まで見慣れた情報から正しい取り組みを考えることは無理。

よくあるのは、社内での数値だけをみて他の部門よりも業績がいい部門だからとか、

市場ではシェアが高いなど

(この場合は多くは自分たちの都合のいい市場を勝手に設定している)と言って

自分たちの優位性を主張する、これは大きな間違い。

仮説設定に必要な情報は、多くの場合、今までみたことのないものとなり、

それを見極めるためには顧客の声に軸足をおき情報源がどこにあるかを聞き、

情報を得るために誰をおさえればいいのかを知っておくこと、

違う視点から調べてみるなど知りたいものを知る努力をしなければ得られない。

情報が集まればそれが何のことを言っているのかを理解し

同じ種類の情報をまとめる。

業界の平均や競合と比較する自分たちと何が違うのかを理解する。

また、ある程度まとまったことを実際に並べて考えていくと

目的を達成するために漏れている情報に気がつき、

漏れている情報を集める、

そして、精度の高い仮説が作られていくということになる。

ここまで聞いていると、

「仮説設定ってなんだかえらいしんどいことだなぁ~」と思われるかもしれませんが、

違うんです。

漏れているものは確かにまた集めるんですけど、

無駄な作業がないんです。

というのも、ロジックツリーで要約したものをまとめていくから効率がいいんです。

情報が集まれば帰納的(集めた事実をまとめる)に要約する、

すべてが完全でなくとも要約していって足りないものがあればまた集めていく。

企業の問題は複雑化している、ものが売れないのは、

商品力の問題だけではなく、

営業や社員の意識の問題だったりもする、

だからこそ情報を集め、何が起こっているのかを見極めることがすごく重要となる。

だから問題解決のための仮説設定というのがすごく重要になるのではないでしょうか。

文責:柴田祥子

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