7月, 2010 |

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スケジュール管理とは自分を律すること

スケジュールを管理することはなかなか難しい。
私が教えているE-Learning の場合も、 モデルスケジュールがあって無理のないような設定がされていても全員が守れているわけでもない。
クライアントの製品開発スケジュールも遅れがちだし、役員や顧客に提案する資料の作成も 発表当日までぎりぎりの状態で作成する人たちも多い。
要は一度決められたスケジュールを 守りながら作業を進めることは難しいということだ。
なぜそうなるのか。
①スケジュールを守ることの重要性と守らないことのディメリットを本当に理解していない。 ②スケジュールの立て方に問題がある。 ③時間の守り方を工夫しない、の3つがありそうだ。

 
計画通りに仕事や勉強を進めることができない、 もっと時間があれば質の高いものが出せるのに、など時間管理に関する悩みは多い。
 
時間は平等で、誰に対しても同じ長さの時間を提供してくれる。
違いは、その同じ時間をどう使うかで充実した生活を送れるか送れないかだけ。
 
さらには、“スケジュールが守れる”ことは、自分の行動の基盤となる“強い意思”を しっかりとコントロールしていることを意味しているため、その人に対する信頼度と大きく関係してくる。
 
まず、時間をマネージ出来るということは自分の“人生の質”を決定することにつながるし、 人からの信頼を受けることにもつながるので、重要視して取り組むべきということだ。
 
面白いことに、決められた締切り前に余裕を持って提出された資料の質は高いことが多い。
 
これは決められた時間に対して、自分なりのスケジュールを設定し、それを守るための工夫 をしているので、“質の向上”に時間をうまく使えるからだと思う。
 
企業も学校も“締め切り”が設定されるため、その締め切りまでに、誰が、なにを、どのタイミングで やらなければならないか、のスケジュールを最初に作成する必要がある。
 
私の場合、クライアントへの 発表資料はプレゼン当日を目指して作成するのではなく、プレゼン1週間前に完成を目指して プロジェクトスケジュールを作成することにしている。
 
そのスケジュールには、1週間ごとに“なにをやるか” ではなく“どのようなことがわかりたいか”という考えで作成する。
 
例えば、“競合に関するデータを集める”のではなく“競合A社が自社にとって脅威であるかどうかを 見極める”というように、作業領域とアウトプットがわかりやすいように設定する。
 
もちろん1週間ごとなので“金曜日”までに実施することをスケジュール化し、翌週の月曜日には しない。
月曜日にすると週末にも仕事をせざるを得なくなり質を下げてしまう可能性が高まるからだ。
 
E-Learningの場合は、毎朝5時から90分やる、通勤時間でやる、帰宅してから寝る前の1時間は 勉強にあてる、土曜日の午前中はすべて学びにあてる、金曜日の夜と土曜日の午後は遊びに 専念する(笑)というように、具体的な曜日と時間帯を決めて、自分なりの行動のリズムを作ることが 効果的。
 
また仕事でも勉強でも、ともかくやるべきことに取り組む「最初の出だし」が重要。 最初から集中して取り組むことは難しいので、無理やりにでも資料や教材を目の前において、 ともかくスタートする。
それこそパソコンのスイッチを入れて、ファイルをクリックして、作業や学習に 取り掛かる体制に持ち込むことだ。
 
気持ちが逃げたくなる時が多いので、大事にしている“標語”に 目を向ける、怖い先生や社長の写真を目の前に貼る(涙)、頭を活性化させるチョコレートとコーヒー セットを準備するとか、ハチマキをするなり、自分なりの“勝負モード”を作ることだ。
 
「やる気になった時にやろう」というのが最悪のパターン。
いつまで経っても始めることができない。
 
一度、決めたスケジュールが途中で守れなくなる可能性が出てきたときには、早急に遅れを 取り戻すことが大事。
放置しておくと、だんだん遅れが激しくなり取り返しがつかなくなるからだ。
 
遅れている場合は、お遊びの時間を犠牲にすることを自分のルールにしておくのも良いだろうし、 予定したより多くの時間を作業や学習にともかく投入してみるのもひとつ。
 
もともと、自由気ままに生きるのが人間の本性だとすると、 決められた時間とか自分で決めた時間を守るためには自分を律することしか方法がない。
 
仕事や学びにおいて成果を出すためにスケジュールをどのようにマネージするかのスキルを得ることは 一生ものとして重要ではあるが、“自分を律することができる”ことが一番大きな収穫と言える。

 
文責:斎藤顕一

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