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本社に頼らないで拠点主導の施策の立案を目指す

本社が東京や大阪にあったり、国外のパリやニューヨークにあったりした場合、出先機関である地方や日本支社などの拠点は、本社が決定した施策をそのまま受け入れて事業活動をすることが普通に行われている。
これは正しいのか?
組織運営からすると正しいのかもしれないが、業績をあげることが目的だとするとそのまま受け入れることは決して正しいことではない。
なぜならば、拠点が担当している市場の特徴は、本社が認識している市場と必ずしも一致していないからだ。
なぜそのようなことが起きるのか。
市場を構成している顧客ニーズの変化のスピードが速いこと、本社の多くは、今ある製品をなんとかして売りたいというプロダクトアウトの考えが中心であること、拠点がテリトリー市場で起こっていることを顧客から学ぶことができたとしても、それを拠点主導で自らの“施策”を考え本社を説得することができないからだ。
とすると、拠点がまず取組むべきことは市場で起こっている情報を収集し単に本社に伝えるだけではなく、拠点において売上を増大させるための施策を立案することが極めて重要ということになる。
これは困難ではあるものの、学習することで身に着けることができるので学んでみる価値は大きい。

 
 拠点長と討議していてよく聞くことは、「売上をあげるための取り組みとして本社から言われていることは、市場の実情にマッチしていないのでなかなか成果を上げにくい」というのがある。
 
もともと売上をあげることが難しい環境の中で、本社の指示が間違っているとは言えず、もちろん自分たちの営業力に問題あるとも言えないため、目標達成していない拠点は競争相手や製品仕様や価格に問題があるとして済ませてしまう。
 
目標達成ができないと若干ボーナスは減るかもしれないが、責任を取らされることもないので、いつまでたっても業績はあがらない。
 
そもそも売上をあげる取組みというのは、拠点が市場を評価した情報と本社の意向と期待値の両方から導き出したもの。
しかしながら、多くの場合は本社が市場全体の数字とか拠点に関するデータを分析した上で施策を立案するのが普通になっている。
 
それなのになぜ実情とマッチしていないのか。
 
本社に蓄積されている拠点に関するデータの多くは“事業活動の結果”であり、“施策立案”には市場の動向とか、対象顧客が製品や販売方法に求めていることが反映されていなければならないのに、それが評価されていないからだ。
 
もちろん、本社が全拠点に出かけて顧客を訪問し、拠点の施策を考え出すことが出来れば良いがそれは不可能に近い。
とすると、拠点自体が施策を立案できるスキルを持つことが必要になるということになる。
 
そのためには、まず会社全体がなにを目指しているのかを理解することが重要であり、その枠組みの中で拠点は自分たちが対象としている市場がなにを求めているのかを、訪問した顧客や代理店から学ぶ必要があるのだ。
 
もちろん、学んだ情報だけからでは個別顧客がどんな意見を持っているかがわかったとしても、拠点全スタッフで取り組むべき“成功確率の高い施策”は導き出せない。
 
拠点に関する数値データの分析と“顧客の意見”の両方を評価することで初めて“施策”が立案されるのだ。

文責:斎藤顕一

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
無断転載はご遠慮下さい。

お誕生日には新しいことをしよう

お誕生日をお祝いしたりされたりする人は多いし、その機会に自分の新しい1年の抱負とか 決意表明をする人も結構いるのではないだろうか。
人が元旦や誕生日などの節目、節目で 「今までの自分と違う新しい自分」に向って進んでみようと考えるのは素晴らしいことだと思う。
会社の成長も、個人が自分の成長を実感するためにも、必要なことはきっと新しいことに 取組み続けることだろう。
自分の誕生日を新しい飛躍の機会としてとらえ、今までやって いなかった新しいことに取組んでみたらどうだろう。
語学を学ぶ、山歩きを始める、 俳句をはじめる。なんでもいいのだ。
新しいことをすることの意味は、新しい友人が増える、 気分転換になる材料が増える、集中して取組み、変化する自分を見る機会が増える、など 良い点が沢山ある。
少々出費が増えたり、人生の時間の配分が変わるだろうけど、面白みの ない人間になったり、孤独な人間になるよりはるかに意味のあることだ。

 
 38歳になったころ、あるきっかけで「仕事だけが人生じゃないはず」ということに 初めて気がついた。
 
そうかと言って仕事を一生懸命するのを止めたわけではない。
自分の 誕生日をきっかけに、忙しい仕事に加えてまったく新しいことに取組むことを始めたのだ。
 
週末にテニスを習いに行ったり、自動二輪、小型船舶の免許をとったり、ともかく毎年 新しいことに取組む。
新しい知識を得て、試してみて感心したり、奥が深いと感動したりする。
もちろん、自分にはやっぱりむいていないことを理解できたりもする。新しい知り合いも増える。
 
もちろん、週末の趣味になるので、まずモノにはならない。
ちょっとかじって、喜んでいるだけ なのだ。
 
その程度のことなのに、今まで続けてきてなにが良かったのか。
 
新しいことも取り組む のだから、もちろん楽しいに決まっている。
話題も豊富になりどんな年齢の人とでも話を続ける ことができる(と思っている)。
いつも初心者からスタートするので「謙虚」にいることができる。
 
なによりも、自分でよいかもな~と思っていることは「新しい取組みを少しでも“自分のモノ” になるように、自分自身に対して戦う姿勢をとり続けることができること」だろうと思う。
 
成長し続けるように努力する企業も人も魅力的だと思う。
 
企業を成長させることができるのは、 もちろん自分を成長させることに喜びを感じている人達であるはずなので、自分もそうなれる ように毎年の誕生日には新しいことに取り組み続けたいものだ。

 
文責:斎藤顕一

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コンサルティング教育によって成果をあげる

「コンサルティング教育によって成果をあげる」 人の育成に力を入れている企業も増えてきた。
特に、市場全体が停滞している時こそ、 「顧客を理解して顧客の期待にそって対応できる人材」が求められるからだ。
ところが、企業の研修は単に「人を育てることを目的」としているために、必ずしも 売上を増大させることに貢献できる人材を育成できているわけではない。
研修は企業価値 を向上できる人材を作り上げることであるため、まず企業の売上が上がらない理由を しっかりと理解した上で、人の育成プログラムを考える必要がある。
総花的な教育 プログラムは無駄なコストを発生させているだけではなく、“やらされ感”を持った 従業員にも教育を行うため、“教育ボケ”した人材だけを作り上げていてむしろ マイナスであると考える必要がある。

 
最近になって教育に熱心な企業が増えてきた。
 
人事部が準備した教育プログラムの全体図 を見せてもらうと、階層別、機能部門別、外部研修、自己啓発などなど、多くのプログラム が用意されていることに気がつく。
 
と同時に「でも売上があがらないし活性化もしないので すよ」というのが人事部の嘆きにもなっている。
 
なぜそのようなことが起こるのか? 「管理職にはこのようなプログラムが必要だ、営業にはこのようなスキルが重要なので学んでもらう必要がある」、という考え方は“一般論に基づいた教育方法”であって、企業の 管理職や営業には固有の問題の解決にはならないのだ。
 
管理職であっても、開発部門要員 であれ、営業であれ、それぞれの人に与えられた役割を果たすことができない理由があって、 それは企業によって異なるし、部門によっても異なるのだ。
 
とすると、最大限の効果をあげ るためには、まずその企業や部門が抱えている“重要問題”を十分に理解する必要がある ことを意味する。
 
ただ、それらの問題点はその会社で認識されていることとは必ずしも一致 していないことを理解しておく必要がある。
 
ちょうど、戦略コンサルティングを実施する 前に企業担当者が考えている問題認識と事実ベースで導き出された問題認識が大きく異なっ ていることと似ている。
 
わが社がコンサルティングを実施した企業に教育を行った場合の 効果が大きく上がるのはそのためだ。
 
戦略コンサルティングと人材育成をセットで行うのは ベストではあるが、コンサルティングを実施しない場合でも効果的なやり方はある。
 
問題点を理解する上で重要な事実データを、事前にもらってしっかりと分析することと、 問題意識のあるメンバーにヒアリングを行うのだ。
 
例えば、営業に関しては、拠点別・個人 別の生産性の推移や、営業のバリューチェーンの評価を行うことで、売上が上がらない原因 をまず理解する。
 
そうした上で、新たなバリューチェーンの強化方法と個人別の顧客への アプローチ方法を教える。これがまさに、コンサルティング教育と私がよぶものであって、 大きな成果につながるものなのだ。

文責:齋藤顕一

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
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問題解決を学ぶとは人間力を磨くこと

「コンサルティング教育によって成果をあげる」 人の育成に力を入れている企業も増えてきた。
特に、市場全体が停滞している時こそ、 「顧客を理解して顧客の期待にそって対応できる人材」が求められるからだ。
ところが、企業の研修は単に「人を育てることを目的」としているために、必ずしも 売上を増大させることに貢献できる人材を育成できているわけではない。
研修は企業価値 を向上できる人材を作り上げることであるため、まず企業の売上が上がらない理由を しっかりと理解した上で、人の育成プログラムを考える必要がある。
総花的な教育 プログラムは無駄なコストを発生させているだけではなく、“やらされ感”を持った 従業員にも教育を行うため、“教育ボケ”した人材だけを作り上げていてむしろ マイナスであると考える必要がある

 
最近になって教育に熱心な企業が増えてきた。
人事部が準備した教育プログラムの全体図 を見せてもらうと、階層別、機能部門別、外部研修、自己啓発などなど、多くのプログラム が用意されていることに気がつく。
と同時に「でも売上があがらないし活性化もしないので すよ」というのが人事部の嘆きにもなっている。
 
なぜそのようなことが起こるのか?
「管理職にはこのようなプログラムが必要だ、営業にはこのようなスキルが重要なので学ん でもらう必要がある」、という考え方は“一般論に基づいた教育方法”であって、企業の 管理職や営業には固有の問題の解決にはならないのだ。
 
管理職であっても、開発部門要員 であれ、営業であれ、それぞれの人に与えられた役割を果たすことができない理由があって、 それは企業によって異なるし、部門によっても異なるのだ。とすると、最大限の効果をあげ るためには、まずその企業や部門が抱えている“重要問題”を十分に理解する必要がある ことを意味する。
 
ただ、それらの問題点はその会社で認識されていることとは必ずしも一致 していないことを理解しておく必要がある。
ちょうど、戦略コンサルティングを実施する 前に企業担当者が考えている問題認識と事実ベースで導き出された問題認識が大きく異なっていることと似ている。
わが社がコンサルティングを実施した企業に教育を行った場合の 効果が大きく上がるのはそのためだ。戦略コンサルティングと人材育成をセットで行うのは ベストではあるが、コンサルティングを実施しない場合でも効果的なやり方はある。

 
問題点を理解する上で重要な事実データを、事前にもらってしっかりと分析することと、 問題意識のあるメンバーにヒアリングを行うのだ。
例えば、営業に関しては、拠点別・個人 別の生産性の推移や、営業のバリューチェーンの評価を行うことで、売上が上がらない原因 をまず理解する。
そうした上で、新たなバリューチェーンの強化方法と個人別の
 
顧客への アプローチ方法を教える。これがまさに、コンサルティング教育と私がよぶものであって、 大きな成果につながるものなのだ。

文責:齋藤顕一

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企業にも“経営の総合診断医”が必要

企業業績がなかなか上がらない。
コスト削減はそろそろ限界にきているのに、売上げをあげる方法がわからないからだ。
消費者の節約ムードや値下げ競争がさらに需要を押し下げ売上が低迷する。
現在のように売上げが上がらないと“問題点に対する感度”が高まるだけでなく、 自部門だけではなく他部門の問題点がより目に付くようになる。
自部門の問題については正しいか正しくないかは別としても、 問題解決に取り組むことは出来るが、 他部門は“別の組織”であるために部門長どうしが話し合うことがあっても干渉することは非常に難しい。
企業は価値を生み出すために事業部門だけではなく間接部門も含め、 全組織が連携することが大前提になっているため、単に部門の問題に縦割りで取り組むのではなく、 業績が上がらない問題の本質を見極めたうえで、 それらの問題に関わっている部門の問題を優先的に解決することが不可欠といえる。
それはまさに、目が見えにくくなったから最初から眼科に行くのではなく、 目が見えにくくなった問題の本質を総合診断医にまず見極めてもらい、 その本質的な問題を解決できる専門医の治療を受けるのと似ている。

 
最近、医療の世界では「総合診断医」の重要性が取りざたされている。
 
一説では「総合医の診断を受けた上で、専門医の治療を受けることで医療コストの三分の一程度削減できる」 と言われるぐらいインパクトが大きいようだ。
患者の思い込みで診療科を選んでしまうため、 もちろん病気は治りにくく、延々と治療と薬剤投与を受け続ける。
 
 
企業においても同じことが起こっているとも言える。
 
企業の事業部門に関しては売上管理とか収益管理が行われているため、 目標を達成していない部門は「問題部門」であり、 部門長は目標達成を目指して取組むことを期待されている。
 
もちろん担当部門が売上拡大を目指して一生懸命取組んでいないこともあるので、 もっとうまくやれるようにみんなで工夫して活動することは出来るが、 それでは期待通りの成果はあげきれない。
 
なぜならば、リーマンショック以降の市場環境では、 多くの企業の業績が上がらないのは一部門の問題で解決できることではなくて、 全社に関る問題が大半だからだ。全社の状況をしっかりと診断して、 なにが業績を高めることを妨げているのかをまず理解し、 その問題を解決するために関連部門を横断した取組みをしない限り強い体制を持つ企業を作り上げることは困難であり、 この不況のあとにおいても大きく業績をあげることはできない。
 
結局、「問題解決の考え方」を学び実践できる人が、 全社の問題に取組むことを期待されているということなのだ。

 
文責:斎藤顕一

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スケジュール管理とは自分を律すること

スケジュールを管理することはなかなか難しい。
私が教えているE-Learning の場合も、 モデルスケジュールがあって無理のないような設定がされていても全員が守れているわけでもない。
クライアントの製品開発スケジュールも遅れがちだし、役員や顧客に提案する資料の作成も 発表当日までぎりぎりの状態で作成する人たちも多い。
要は一度決められたスケジュールを 守りながら作業を進めることは難しいということだ。
なぜそうなるのか。
①スケジュールを守ることの重要性と守らないことのディメリットを本当に理解していない。 ②スケジュールの立て方に問題がある。 ③時間の守り方を工夫しない、の3つがありそうだ。

 
計画通りに仕事や勉強を進めることができない、 もっと時間があれば質の高いものが出せるのに、など時間管理に関する悩みは多い。
 
時間は平等で、誰に対しても同じ長さの時間を提供してくれる。
違いは、その同じ時間をどう使うかで充実した生活を送れるか送れないかだけ。
 
さらには、“スケジュールが守れる”ことは、自分の行動の基盤となる“強い意思”を しっかりとコントロールしていることを意味しているため、その人に対する信頼度と大きく関係してくる。
 
まず、時間をマネージ出来るということは自分の“人生の質”を決定することにつながるし、 人からの信頼を受けることにもつながるので、重要視して取り組むべきということだ。
 
面白いことに、決められた締切り前に余裕を持って提出された資料の質は高いことが多い。
 
これは決められた時間に対して、自分なりのスケジュールを設定し、それを守るための工夫 をしているので、“質の向上”に時間をうまく使えるからだと思う。
 
企業も学校も“締め切り”が設定されるため、その締め切りまでに、誰が、なにを、どのタイミングで やらなければならないか、のスケジュールを最初に作成する必要がある。
 
私の場合、クライアントへの 発表資料はプレゼン当日を目指して作成するのではなく、プレゼン1週間前に完成を目指して プロジェクトスケジュールを作成することにしている。
 
そのスケジュールには、1週間ごとに“なにをやるか” ではなく“どのようなことがわかりたいか”という考えで作成する。
 
例えば、“競合に関するデータを集める”のではなく“競合A社が自社にとって脅威であるかどうかを 見極める”というように、作業領域とアウトプットがわかりやすいように設定する。
 
もちろん1週間ごとなので“金曜日”までに実施することをスケジュール化し、翌週の月曜日には しない。
月曜日にすると週末にも仕事をせざるを得なくなり質を下げてしまう可能性が高まるからだ。
 
E-Learningの場合は、毎朝5時から90分やる、通勤時間でやる、帰宅してから寝る前の1時間は 勉強にあてる、土曜日の午前中はすべて学びにあてる、金曜日の夜と土曜日の午後は遊びに 専念する(笑)というように、具体的な曜日と時間帯を決めて、自分なりの行動のリズムを作ることが 効果的。
 
また仕事でも勉強でも、ともかくやるべきことに取り組む「最初の出だし」が重要。 最初から集中して取り組むことは難しいので、無理やりにでも資料や教材を目の前において、 ともかくスタートする。
それこそパソコンのスイッチを入れて、ファイルをクリックして、作業や学習に 取り掛かる体制に持ち込むことだ。
 
気持ちが逃げたくなる時が多いので、大事にしている“標語”に 目を向ける、怖い先生や社長の写真を目の前に貼る(涙)、頭を活性化させるチョコレートとコーヒー セットを準備するとか、ハチマキをするなり、自分なりの“勝負モード”を作ることだ。
 
「やる気になった時にやろう」というのが最悪のパターン。
いつまで経っても始めることができない。
 
一度、決めたスケジュールが途中で守れなくなる可能性が出てきたときには、早急に遅れを 取り戻すことが大事。
放置しておくと、だんだん遅れが激しくなり取り返しがつかなくなるからだ。
 
遅れている場合は、お遊びの時間を犠牲にすることを自分のルールにしておくのも良いだろうし、 予定したより多くの時間を作業や学習にともかく投入してみるのもひとつ。
 
もともと、自由気ままに生きるのが人間の本性だとすると、 決められた時間とか自分で決めた時間を守るためには自分を律することしか方法がない。
 
仕事や学びにおいて成果を出すためにスケジュールをどのようにマネージするかのスキルを得ることは 一生ものとして重要ではあるが、“自分を律することができる”ことが一番大きな収穫と言える。

 
文責:斎藤顕一

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問題解決の提案には工夫が必要

私が教えている大学院やE-Learningの学生からよく聞くのが、 「上司に対し自部門の問題を発見して解決策を提案しても、 “そんなことを言うならば自分で勝手にやったらどうだ”」、 とか「そんなことは言われなくても解っている」というように反応されて、 それ以上に話が進まないと言うのがある。
学生にしてみたら、本来の業務を超えて会社や部門が良くなることを信じて提案しているのに、 それを真剣に捉えてくれないのを嘆いているわけだ。
このようなことを聞くたびに、 「やっぱり問題解決者というのは、ある種の“宣教師”であって、正しいことを言っても迫害される立場にある(笑)」 ことを痛感すると同時に、そうであるがゆえに「提案し続けること」の重要性を再確認するのです。
ただ、本来の目的は「部門や会社の業績を高めることにある」のであって、 やはり提案を受けいれてもらえない限り業績は高まらない。
とすると、まず上司にその提案を納得して受け入れてもらうための工夫が必要になるということで、 特に伝え方に配慮することが重要となる。

 
本来、上司から期待もされていないのに、 「この部門の問題はこんなところにあるので、それを解決するためにはこのような取組をすべきと考えます」と、 いくら論理的に伝えたとしても、それを受け入れる上司というのはそう沢山いるわけではない。
 
あらかじめ会社から大学院に派遣されたりして、上司の期待値が「問題を発見して業績向上できる取組を提案しろ」 というところにあればいざ知らず、私の生徒の大半は“個人で自分に投資をしている人たち”であるため、 上司が知らないケースが多い。
 
ただ、問題解決の方法を学び、自部門の本質的な問題が見えれば見えるほど、 それを提案したくなるのは問題解決を学んだ者としては“当然の反応”だし、私自身もそれを期待している。
 
とするとどうすればよいのか。なぜ“受け入れられないか”をまず考える必要がある。 可能性としては、大きく2つあって、「提案内容の問題」と、「提案の伝え方の問題」になりそう。
 
提案内容については説得力があるかないかについて確認する必要があるが、 まず本稿では「伝え方の問題」を考えてみたい。
 
なぜ伝え方がうまく行かなかったのか?
部門の問題とその解決法について予期せぬ人から言われてしまったという“提案者の問題”、 話題にもなっていなかったのに急に話題にあがってしまったという“タイミングの問題”、 自分が本来やらなければならないことなのに、巻き込まれていなかったという“除け者にされていた問題”の3つがありそうだ。
 
この中で、3番目の“除け者問題”が一番大きいと言える。
それも問題解決能力が欠如しているとみなさあれていたから相談もされなかった場合が多かったため、 「上司の嫉妬とか保身」という問題がからんでくるので余計にややこしい。
 
その上司を超えてその上司に行くことは、 多くの会社でまだあまり好ましいとは考えられていないため、その上司の支持を受けることが重要になる。
 
このようなケースの場合は、事前に「問題解決を勉強していて、その考え方を使って部門の業績を高める方法を考えたい。 ついてはいろいろ解らないところが出てくるので、その時は教えて欲しい」、とか提案書を示して説明するときも、 「普段から上司が心配されていたことや、今までのお考えを含めて考えた結果、このような問題があることがわかりました。 それを解決する為にはこのようにすれば良いと思うのですが。 いろいろコメントをいただければ、それを反映した提案書を作成し一緒に担当役員に説明させていただくことも良いのではないかと思っています。いかがですか?」、 というようなコミュニケーション上の工夫をすることで、この問題を解決できるのではないかと思う。
 
大事なことは上司を味方につけて、業績を向上させる取組に一緒に参加してもらうことにあるのだ。
自分の手柄を上司と分かち合うぐらいの度量の大きさを示してもらいたいものだと思う。

 
文責:斎藤顕一

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コミュニケーションは伝える意思と気配り

コミュニケーションのとり方には、自分から相手に対する働きかけである、 「挨拶」、「相談」、「連絡」、「報告」、 そして誰かからの働きかけに対しての「挨拶返し」、「質問への応え」、「考えに対する感想や意見」などがある。
自分から相手に対するコミュニケーションのとり方については 「ほう・れん・そう、がしっかりできるように」と言われるぐらいその重要性は説かれているし、 不十分であるものの人は割と気を使う。
しかしながら、 誰かの働きかけについてのコミュニケーションのとり方が素晴らしい人は極めて少ない。
要は、返事が遅い、返事をしない、質問に答えていない、考えを伝えない、 など“双方向”であることがコミュニケーションの原点であるにも関わらず、 多くの人が出来ていないのだ。
自分からの働きかけは一生懸命でも、 人からの働きかけにしっかりと応えることができるかどうかで、 その人たちの“人と仕事をする能力”を垣間見ることができる。
双方向のコミュニケーションの重要性を理解しない人が役員や社長レベルであると、 会社全体がコミュニケーションの悪い会社になってしまう可能性が高くなるので、 1人1人が“応え方”について十分意識して行うことが重要となる。

 
コミュニケーションは自分と自分以外のやり取りが多く、 その量だけではなく、質も場所も重要という話は、以前この語録でもお伝えした(https://forsaito.co.jp/topics/200609.html)。
 
昔は手紙や固定電話でのやり取りが中心であったため、どうしても“返事する”には随分と時間がかかったし、 そのことを余り気にしていなかった。
 
ただ、近年はインターネットや携帯メールがあることや、仕事のスピードが求められるため、 すぐ反応することが極めて重要になってきた。
 
誰かから連絡されてきた内容がたとえ、 考えたり調べたりするのに時間がかかる場合ですら、 「受信確認とどれぐらいの時間が必要なのか」という連絡は不可欠ではないかと思う。
 
また、“返事しないこと”が“拒絶”の表れであるとは“一般の認識”であったとしても、 やはり明確に“NO”であることを伝えるほうが、コミュニケーション上は“良し”とされると思う。
迷惑メールに入っているかもしれないし、なんらかの理由で見ていない可能性があるからだ。
 
結局、知っている人とのやりとりの場合は、 どれだけ相手の人に対する“伝えようとする意思”と“気配り”を持っているかで コミュニケーションの良し悪しが決定されるということだ。
 
口先でいくらコミュニケーションが大事と言おうが、 相手に働きかけることはもちろん、相手の働きかけに応えることができないと、 それは人とのつながりを軽視していると取られてもしかたがない。

 
文責:斎藤顕一

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新入社員教育をきっかけに人材育成プログラムを見直してみる

新入社員研修がまっさかりの季節。出来るだけ早く使える社会人を育てるべく、いろんなプログラムが実施されている。
アルバイトはしたことがあるものの、社会で働いたことのない人にとって、 社会や業界常識だけではなくその企業の常識に出来るだけ早いこと触れさせ、理解させることは重要である。
ただ、多くの場合、企業にはいかに“覚えさせるか”、“体験させるか”を中心としたプログラムで、 今までの企業文化の型にはめようとしている傾向があり、新人ならではの特徴を生かすことをも考えるべきだろう。
新入社員とは企業のキャリアにおける最初のステージであり、企業における人材育成プログラムの最初の活動といえる。 つまり、新入社員教育が、今までの人材育成の思想や枠組みを越えていないとするならば、 将来的にも今まで以上の優れた人材を作り出すことはできないと考えたほうがよい。
新入社員を迎えることは、その会社が築いてきた企業文化に新しい息吹を吹き込む絶好の機会でもあり、 全社の人材育成プログラムの設計にも影響を与えることが出来ることを理解すべきだろう。
もちろん、新入社員にも、自分たちが得てきた知識や感性でどのように企業活動に貢献し、 どのように自分の能力を高めていくべきなのかを教えなければならないし、 全社員に対しても新しい人づくりを展開していく決意と方法を示さなければならないことは言うまでもない。

 
新入社員には優秀な学生や、おもしろい個性を持った人達がいる。
 
しかし、そのような特徴のある人達が、会社に入社してほんの数年経つと普通の企業人になってしまう。
 
企業が新入社員を採用する目的を“定期採用”、“欠員の補充”、“戦力強化”、“若返りを図る”などに設定している限り、 当然そのような結果になってしまう。
 
この場合の育成の視点には、“素質を見抜き出る釘を抜く”発想がないため、 配属された部門で仕事を覚え生産性を高めて仕事が出来ること、 上司や先輩の指示に従うこと、そして他の人よりも頑張れる人など“配属された部門でいかにうまくやれるか”の枠組みでの育成方法になってしまう。
 
これらの方法は、その企業が長年築いてきた事業運営の方法に適した“企業戦士”を作ってきたのかもしれないが、 現在のように新しい市場での戦いが求められる中で、多様な価値観を持つ顧客の信頼を得るための人材育成にはまったく不適当とも言える。
 
成功の鍵も今までとは異なった競争環境で戦える人材とは、対象とする顧客の心を出来るだけ理解しようとする姿勢を持っていることや、 ITと事業を結び付けて考えることが出来たり、また論理的にモノを考えることが出来て顧客や取引先とコミュニケーションが取れる人達のことを意味している。
 
今までの育成方法を継続している限りでは今まで以上の優れた人材を輩出することはまず困難と考えたほうがよい。
 
まさに新人教育を“新たな会社のスキル獲得や文化の創造のきっかけ”として捉え、 “どこの会社でも使える人材”を意識して新入社員だけではなく、 新しい企業文化作りに参加できる人材を含めて育成プログラムを設計することが重要となる。

文責:齋藤顕一

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元気になるためにはちょっと努力が必要

人と話をしたり、メールのやり取りをしていて気がつく表現に「元気をもらいました!」というのがある。
私自身も人に会ったり、良い本を読んだりしたときに、「なんかエネルギーが湧き出てきてもっと頑張ろう」と感じることがある。
当然ながら元気になるほうが落ち込んでいるよりははるかにいいし、周りの人に与える影響も大きく違う。
人は基本的に孤独な仕事の仕方をしているため、気分がふさぎがちになる。
気分を変えるために“環境を変える”ことは誰でも出来ることであるが、“元気になる”ためにはちょっぴり努力が必要となる。
意識的に元気になるには個人差があるものの、“考え方を自分でコントロールする”、 ことと“元気になれる機会を敢えて求める”ことで元気になれるのではないか。

 
気分転換に散歩をする、お茶を飲む、森林浴をする、趣味にうちこむ、などなど、人は気分転換の方法を自分なりに持っている。
 
私にとって、気分転換とは“マイナスになりつつある気分を元の状況に戻す”ことであって、 元気になることは“マイナスの状況を一挙にプラスの状況に大きく変える”ことだと思っている。
 
そうするためには、ちょっと積極的な取り組み方が必要となる。
考え方のコントロールとは、 “意識的に元気なる言葉を考え、声に出して自分にいい聞かせること”。
 
普段、仕事に精一杯頑張って取り組んでいる人が“更に頑張らねば”と考えることは、 緊張をさらに強いることになるため、気分をマイナスにさせる。 スポーツ選手が“楽しみます”と言う言葉を自分にかけて、競技に臨むのも元気にさせる方法。
 
仕事に疲れて後ろ向きになったときに、“この仕事から自分はこんなことを学んでいるのだ”と前向きに考えたり、 “結果がうまく行かなくても、最大限に努力した結果であり、 自分を支えてくれ大事にしてくれている家族や同僚・部下がいる”と考えることで気分が休まり前に進む勇気がもれる。
 
逆境の時に、うまく行かないことを嘆いたり、人に八つ当たりするのは、気分転換ですらなくもっと“マイナス”が膨らむことを意味している。
 
逆に、つらい状況を、“自分を強くしてくれる絶好の機会”とその状況を敢えて受け入れ、積極的に解決に取組もうと考え行動すると、 妙に元気になるから不思議だ。
 
それでも元気になれなかったら、“まさに元気をくれそうな人”に会うに限る。
 
その“元気オーラ”を発している人達には共通点があるように思える。
楽観的であるし、前向きであることは言うまでもないけど、 決してスーパーマン(ウーマン)ではない。
 
生き方の軸足が定まっていて、大変だろうな~と思えることに一生懸命取組んでいる。
成功確率を高める方法を考え、声を大にして人に話しかけ、自分がそれを実践している。
 
それぐらいなら、自分も“元気印人間”に成れると思いません?

文責:斎藤顕一

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成果につながる“本当の事業計画”を立案する

企業にとって事業計画を立案することは重要な行事とされている。
それは翌年の“事業活動”を決定するものであり、 売上をあげ、収益をあげる具体策であり、それを“拠りどころ”として全従業員が走り始める行動基準だからだ。
ところが現実的にはほとんどの企業の事業計画は、数値目標をさだめて、 それを実現するために“これをする、あれをする”と言った“過去の活動の継続”しか示していない。
本来は市場・顧客や競争環境を十分に理解したうえで行うべきはずが、 それをする能力が企業にないために数値目標を示し“同じ取組みの改善版”を実施するわけだ。
目標数値の達成という“気合”だけで、業績があがるはずがない。
企業はまず“事業計画”という業績向上するうえで、 成功確率の高い施策を立案する能力を身につけ、 今の難しい時代の生き残りを計るべきなのだ。

 
企業の事業計画や中期計画を読むと、3つのことが含まれているのに気がつく。
 
達成できそうもない目標値、今まで「出来なかった具体的取組み」の継続、方法記述のない「売上をあげるための理想的な活動」。
 
なぜそんなことになっているのか。
これらが示しているのは、市場・顧客や競争会社を理解していないからに他ならない。
 
企業が存続するには事業計画が不可欠なのに、なぜいい加減な事業計画でなんとか生きながらえてきたのか?
 
景気が良いときや、成長業種にいる場合や新製品開発を継続的に行える会社はなんとか生き残れる。
それでは成熟業種にいる会社の場合はどうなのか。
それはその会社が過去に築いてきた優良顧客との関係と、 確立された運営体制がなんとか必死に企業を維持しているだけにしかすぎない。
 
これらの企業は、市場環境が急激に悪化している現在、顧客が真に求めていることに対応できないため、 優良顧客数は減少しオペレーションも市場変化に対応できないため、業績はジリ貧になることは免れない。
 
事業計画立案の基本は、既存顧客と潜在顧客の両方から今後の市場性を理解し、 自社の既存製品と営業努力によってどれぐらいの売上をあげる可能性があるかを定量化することにある。
 
そして、それらを積み上げた数値と会社が期待している数値のギャップを埋めるために、 どのような新規の取組みが必要かを併せて考えることで、初めて事業計画の立案になるのだ。
 
これらの立案活動は、“根性や気合”で出来ることではなく、そのスキルを学ぶことで初めて達成できるのだ。

 
文責:斎藤顕一

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
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“流行”に左右されるのではなく自分の戦い方を見つける

値下げ競争が続き、企業の収益性を悪化させている。
有識者と言われている人達も景気落込みの2番底もありうるとか、経済の急降下の可能性もあるとかで、不安が増す。
そもそも、先のことはそう簡単には見通せないのだから、人が言うことに右往左往することはない。
まして、じっと首をすくめてなにかいいことが起こるのを待つのでもない。
不安を感じて心配しても好転することはない。
面白いことも、楽しいことも、嬉しいことも、どこかからやってくるのではなく自分から求めて行動しない限りやってこない。
それも仕方なしに行動する人に与えられるのではなくファイティングポーズを取って“戦いの姿勢をとる”人たちのみに与えられるのだ。

 
日本人の“流行”に対する感度の高さには驚く。
 
バブルにはみんなが踊った。
モツ鍋が安くて美味しいと言われるとモツ鍋屋さんが乱立した。
民主党が政権交代を叫び流れがそちらに向くと民主党に投票し始めた。
 
要は“ブーム”を感じると一挙にそちらの方向に向いてしまう。
だから、“流行っていなくても、流行っていることを感じさせることが重要なマーケティング施策”として捉えられているのだろう。
 
企業の値引きが企業業績を悪化させている。
経営者ですら“消費者は値引きをしないと買ってくれない”と無策の値引きを繰り返す。
 
値引きが企業業績を悪化させ、それが給料の削減につながり更に消費が低迷するというマイナスのサイクルを生み出す。
“消費者はともかく安いものしか買わないのだ”という“流行信仰”が企業をダメにする。
 
消費者も経営者も、価値の高いものにはそれに見合った価格があるとの認識を持つべきだ。
 
人は自分の生活を豊かにする製品・賞品・サービスにはお金を使う、時間も使う。
自分の豊かさは、“流行”から決定するのではなく、自分なりの生き方、考え方に左右されるのであって、人がどう思うのかではない。
 
いろんな人がいる。
いろんな顧客もいるし、いろんな上司もいる。
それぞれの人たちが言うことを参考にすることは大いに意味があるものの、それらの人たちの言葉に一喜一憂していたら自分を見失ってしまう。
 
心配事の多い2010年の始まりかもしれないけど、“みんなと同じことをしていたら安心だ”という“流行信仰”は止めるべきだ。
 
まして“自分が大事だと思っていることは誰からも支持されないのではないか”と臆病になる必要はない。
 
大変な時期であるがゆえに。 ファイティングポーズをまず自分に示して、自分を鼓舞する必要がある。自分が大事だと思っている考え方に自信を持つ。
 
そして、今までと同じ取組みをうまくやることを考えるよりは、 自分の価値観に基づいた新しい取組みをいくつか考えだして(それも出来ればしんどい方法)それに徹底的に取組むことだ。 そうすることで得られるものは大きいはずだ。

 
文責:斎藤顕一

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