6月, 2006 |

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仮設設定の仕方

仮説は効果と効率を高めたいときに非常に有効である。
正しく仮説を使うことができれば、無駄な時間が省け
その成果物の価値は何十倍にも 高まる
(斎藤顕一)

【解説】

「皆さん仮説ってよく学生のときに、論文を書くときに設定したり、

理系の人は何かを証明するために利用したと思います、
問題解決においても仮説がすごく重要となります、

今回はちょっとその「仮説」について触れていきましょう。

ものが売れないので、

「そうか、それは商品開発が問題なんじゃないかな。なんとかしなくては!」という、

これは仮説ではない。

なぜならそれは、経験だったり、

おそらくなんとなく言われていることを正しいとこと、

責任を押し付けたい部分を問題として取り上げているだけだからだ。
それらは1つの可能性であるとはしても本質的問題解決につながる仮説ではない。

今世の中では、顧客が変わり、競合が進化している、

だからこそ、今までと同じやり方では通用しない、

事実を集め、その情報をグルーピングし、

実際に何がおこっているかを見極めることが必要で、

それが問題解決のための仮説設定といえる。
仮説設定において今まで見慣れた情報から正しい取り組みを考えることは無理。

よくあるのは、社内での数値だけをみて他の部門よりも業績がいい部門だからとか、

市場ではシェアが高いなど

(この場合は多くは自分たちの都合のいい市場を勝手に設定している)と言って

自分たちの優位性を主張する、これは大きな間違い。

仮説設定に必要な情報は、多くの場合、今までみたことのないものとなり、

それを見極めるためには顧客の声に軸足をおき情報源がどこにあるかを聞き、

情報を得るために誰をおさえればいいのかを知っておくこと、

違う視点から調べてみるなど知りたいものを知る努力をしなければ得られない。

情報が集まればそれが何のことを言っているのかを理解し

同じ種類の情報をまとめる。

業界の平均や競合と比較する自分たちと何が違うのかを理解する。

また、ある程度まとまったことを実際に並べて考えていくと

目的を達成するために漏れている情報に気がつき、

漏れている情報を集める、

そして、精度の高い仮説が作られていくということになる。

ここまで聞いていると、

「仮説設定ってなんだかえらいしんどいことだなぁ~」と思われるかもしれませんが、

違うんです。

漏れているものは確かにまた集めるんですけど、

無駄な作業がないんです。

というのも、ロジックツリーで要約したものをまとめていくから効率がいいんです。

情報が集まれば帰納的(集めた事実をまとめる)に要約する、

すべてが完全でなくとも要約していって足りないものがあればまた集めていく。

企業の問題は複雑化している、ものが売れないのは、

商品力の問題だけではなく、

営業や社員の意識の問題だったりもする、

だからこそ情報を集め、何が起こっているのかを見極めることがすごく重要となる。

だから問題解決のための仮説設定というのがすごく重要になるのではないでしょうか。

文責:柴田祥子

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