5月, 2009 |

Archives: 5月 2009

顧客を理解するということとは

「お客様を理解しよう」とか「顧客ニーズを理解しよう」ということは日常的に言われているけど、本当に出来ているのであれば企業業績はきっともっとマシになっているはずなんですね。
呪文のように「お客様を理解しよう~」と唱えたところで、もちろん理解できるわけはない。
そもそも「顧客を理解する」とはなんなんだろう。
よく営業の人たちが新規顧客を開拓するときに相手の会社案内を取り寄せたり、またネットで会社概要を調べたりするけど、それが「理解すること」なのかな?
あるいは、四季報で業績変化を調べたり、日経新聞に目を通して、既存顧客や潜在顧客についての記述を読むことが理解することなのか?

 
【解説】
 
「なにをするか?」で迷うときは、目的を考えてみると解りやすくなる。
 
顧客を理解することの目的はきっと「お客様をどのようにすれば喜ばせることが出来るかを知り、相手の期待に応えた対応をして、その結果購買活動につなげてもらって、自分の会社の売上をあげる」ということにあるはず。
 
とすると、まさに、「どのようにすればお客様が喜ぶのか」を知ることが「顧客を理解すること」の意味であり、企業の概略や業績変化を知っていることは、相手の喜びとはまったく関係がなく、知っていて当たり前の世界であり、知らないことは論外ということになる。

顧客が喜ぶのはどういう時なのか?
良い顧客が喜ぶのは、「自分が期待していることにスピーディに応えてくれること」であり、結果的に「自分の会社の業績があがる」ことにつきる。
 
とすると、理解することとは、顧客の購買担当者が自分の仕事のレベルを上げるために最も必要とされていることはなにで(例示:品質、納期、価格)、どれぐらいのレベルをいつまでに達成して欲しいのかを知ることであり、購買した製品を使うユーザーである他の部門担当者が求める製品要素がなにか(例示:生産性、施行性)、また顧客企業のエンドユーザーである顧客がどのような「満たされていないニーズ」を持っているのかを理解することになる。
 
これらは顧客と接触し、質問しない限り理解できないことであるため、購買部門だけでなくマーケティングや製品開発、生産部門への聞き取り、またエンドユーザーへのインタビューが必要になる所以なのだ。

 
文責:斎藤顕一

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
無断転載はご遠慮下さい。