成果につながる“本当の事業計画”を立案する
企業にとって事業計画を立案することは重要な行事とされている。
それは翌年の“事業活動”を決定するものであり、 売上をあげ、収益をあげる具体策であり、それを“拠りどころ”として全従業員が走り始める行動基準だからだ。
ところが現実的にはほとんどの企業の事業計画は、数値目標をさだめて、 それを実現するために“これをする、あれをする”と言った“過去の活動の継続”しか示していない。
本来は市場・顧客や競争環境を十分に理解したうえで行うべきはずが、 それをする能力が企業にないために数値目標を示し“同じ取組みの改善版”を実施するわけだ。
目標数値の達成という“気合”だけで、業績があがるはずがない。
企業はまず“事業計画”という業績向上するうえで、 成功確率の高い施策を立案する能力を身につけ、 今の難しい時代の生き残りを計るべきなのだ。
企業の事業計画や中期計画を読むと、3つのことが含まれているのに気がつく。
達成できそうもない目標値、今まで「出来なかった具体的取組み」の継続、方法記述のない「売上をあげるための理想的な活動」。
なぜそんなことになっているのか。
これらが示しているのは、市場・顧客や競争会社を理解していないからに他ならない。
企業が存続するには事業計画が不可欠なのに、なぜいい加減な事業計画でなんとか生きながらえてきたのか?
景気が良いときや、成長業種にいる場合や新製品開発を継続的に行える会社はなんとか生き残れる。
それでは成熟業種にいる会社の場合はどうなのか。
それはその会社が過去に築いてきた優良顧客との関係と、 確立された運営体制がなんとか必死に企業を維持しているだけにしかすぎない。
これらの企業は、市場環境が急激に悪化している現在、顧客が真に求めていることに対応できないため、 優良顧客数は減少しオペレーションも市場変化に対応できないため、業績はジリ貧になることは免れない。
事業計画立案の基本は、既存顧客と潜在顧客の両方から今後の市場性を理解し、 自社の既存製品と営業努力によってどれぐらいの売上をあげる可能性があるかを定量化することにある。
そして、それらを積み上げた数値と会社が期待している数値のギャップを埋めるために、 どのような新規の取組みが必要かを併せて考えることで、初めて事業計画の立案になるのだ。
これらの立案活動は、“根性や気合”で出来ることではなく、そのスキルを学ぶことで初めて達成できるのだ。
文責:斎藤顕一
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