企業のリーダーとしての正しい考え方カテゴリー

明るさを振りまいて人を喜ばせる

問題解決を志すProblem Solverは素晴らしい。
社会や、企業や、小さな組織や、家庭の問題を解決して人々に笑顔をもたらすことができるからだ。
難点があるとするならば、瞬間的に人の笑顔を引き出すことが難しいところにある。
成果につながるまでにどうしても時間が必要になるからだ。
そのため、問題解決を目指す人こそ、明るく、笑いをもって人と接するべきだ。難しそうな顔をして、難しそうなことだけを言う人よりは、明るく笑いを持ちながら、正しいことを言う人のほうがはるかに魅力的だ。
周りを見渡してみたらいい。明るく前向きに仕事に取組んでいる人はきっと人気者だろう。
そして仕事も出来る人の場合は魅力度はもっと増す。
結局、大変な時代、苦しい時代こそ、人を元気にする笑顔がどうしても必要になる。
問題解決者を目指す人たちこそ、正しく考えることが出来るように精進し続けることはもちろんのこと、今年は多くの人達に“すぐ元気になってもらえる”ように、明るさを振りまいてみることで自分の価値を高めてみたらどうだろう。

 
 問題解決の世界はともすれば、“難しい”とか“温かみが欠けて冷たい”と思われているようだ。
確かにコンサルタントのそばにいて、ほのぼのとした温かみを感じる機会はあんましないかもしれない(笑)。
 
それはきっと膨大な量の情報やデータを “冷めた目”で観察し、分析して、“人が聞きたくないこと”を平気そうに言うからかもしれない。
それに、いつも考え続けなければならないから、自ずと“気難しい顔”をしているからなんでしょう。
 
でも実際の仕事の場面ではどのような人が、人気者なのだろう?
気難しく賢いことを言う人よりも、いつも明るく“みんなを元気にする”人たちに決まっている。
 
問題解決を目指す人にとっては、人に大きな影響を与えることが大事なわけだから、今年から明るく振舞ってみることも、重要な取組みにしたらどうだろう。
 
挨拶をしっかりとする、声に張りをつけ元気さを滲ませる、落ち込まないで前向きになる、自分から仕事を買ってでる、人を笑わせる、そしていつも人に感謝する。
 
これらを実行するだけで周りは明るくなるはずだ!
 
もちろん、これらが出来るのは“人を大事にしようとする心”があるからなので、それをまず自分の軸足としてしっかりと持つことやね~。

文責:斎藤顕一

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
無断転載はご遠慮下さい。

外部の知恵を活用する

売上が減少し始めて収益性が悪化し、近い将来においても業績向上が見込めない場合、会社は“リストラ”を決断せざるを得なくなる。
しかし、多くの会社でのリストラに向けた取組みは必ずしも成功しているとは言えない。
リストラしたのに黒字化できなかった場合もあるが、むしろリストラ実施後に活力を失いそのまま倒産してしまうケースのほうが多い。
リストラの失敗は、経営層の“弱気”もあるが、本来のリストラの意味をはき違えて削減計画だけに取り組むことからくる。
リストラは短期的に成果を出すことを目指すために、取組みの中心はどうしても人員の削減と資産の売却などになりがち。
しかしリストラの意味は“Re-structuring”(事業の再構築)であって、人とモノの削減だけを意味するものではない。
厳しい市場環境の中でも収益をしっかりと確保できる体制作りが目的であり、その目的を満たすための取組みを行うべきなのだ。

 
【解説】
 
人間は思い込みの動物であり、主観的にものごとを考えるのに慣れている。
 
客観的に考えるためには、自分を他人の立場において考えてみるということも良いが、「売上が増大しない本当の理由は、大きく分けても5通りある」というように、論理的帰結として考えてみることが出来ると大いに役立つ。
 
企業経営者や意思決定に責任のある立場の人たちが、論理的に考え、必要とされる情報を明確にし、分析方法を示すことで、多くの事実から本質的な問題を発見できるのでるのであれば、もちろん問題解決活動に取り組める。
 
もし、それらを実施する上で、“方法がわからない”とか“ためらい”があるのであれば、外部から企業変革の知恵と具体的な売上増大の施策と、それを実現するための仕組みや仕掛けに関する具体策を得ることのほうが貴重な時間を買えるし、なによりも社内に存在していなかった「問題解決のノウハウ」も獲得できる。
 
外部の知恵を検討する時には「分析方法やテクニック中心」ではなく、むしろどのように問題解決に取り組んだらよいのかの「考え方が出来ること」を重要視することが肝要だ。

 
 
企業業績を向上させるためには、市場・競争環境を今までの「事業運営の視点」でみるのではなく、「対象とする顧客の満たされていないニーズの視点」で評価する必要がある。
 
企業は自社の視点、つまりは“主観的”に市場を見ることに慣れ親しんでいるため、新たな売上げ増の施策を立案するためには、どうしても客観的に評価するスキルが必要となるわけだ。
 
社内にそのスキルを持った人材が不足しているのであれば、社内で育成するか外部に依存するしかない。
 
どれぐらい早いスピードで会社を変えていくかが業績向上の鍵となっている現在、自社で人を育てる時間は膨大になり、期待成果を引き出すためにかかるコストは「外部の知恵」を雇うよりはるかに高額になる。
 
外部の知恵を使う意味は、企業を取り巻く市場・競争環境を示し、業績を上げるための方法を学ぶ「勉強になる機会」をもらうことではない。
売上げを増大させ利益を増やすのを手伝ってもらうことなのだ。
 
さらに、共同作業をすることで、質の高いノウハウ獲得のスピードを高めることができる。
 
そのような“質の獲得”であるため、「外部の知恵」を得る際は、企業の業績が上がらない理由について熟知しており、想定される問題とその解決法についての考え方を示せることが重要になる。
 
試しに、想定される課題を投げかけて、その課題から本質的問題を類推することができるかどうかを試してみたらよい。
 
一般的なアプローチしか示せない場合は「外部の知恵」もただの(無料ではなく高額になる)「知識の提供」にしかすぎないことになる。

 
文責:斎藤顕一

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リストラを成功させる条件

売上が減少し始めて収益性が悪化し、近い将来においても業績向上が見込めない場合、会社は“リストラ”を決断せざるを得なくなる。
しかし、多くの会社でのリストラに向けた取組みは必ずしも成功しているとは言えない。
リストラしたのに黒字化できなかった場合もあるが、むしろリストラ実施後に活力を失いそのまま倒産してしまうケースのほうが多い。
リストラの失敗は、経営層の“弱気”もあるが、本来のリストラの意味をはき違えて削減計画だけに取り組むことからくる。
リストラは短期的に成果を出すことを目指すために、取組みの中心はどうしても人員の削減と資産の売却などになりがち。
しかしリストラの意味は“Re-structuring”(事業の再構築)であって、人とモノの削減だけを意味するものではない。
厳しい市場環境の中でも収益をしっかりと確保できる体制作りが目的であり、その目的を満たすための取組みを行うべきなのだ。

 
【解説】
 
出来ればリストラはやりたくないと考える経営層は多い。
やったこともないことに取組む不安感や、今までの取組みが間違っていたことを認めたくないことから来るのだろう。
 
過去において赤字を経験したものの、今までそれを乗り越えて来たのだから、今回も逆境を通り抜けることができるとどうしても考えたくなる。
いくらデータで会社の危機を示されても、人や資産の削減を本格的に実施するというのは、未経験であるがゆえに行き過ぎだと考えてしまう。

 
 
そもそも、“リストラが必要”とされる意味は、対象市場の成長が限定的で、今までの事業運営方式の延長では、売上増が困難で存続が難しいから、組織・人材・戦略を含め、事業運営自体の見直しが必要だからだ。
 
そのような状況では、自社の競争力を高めてシェアを伸ばし売上をあげたとしても、それだけでは現在のコストを賄えない。
 
また、新規事業で売上をあげようとしても成功するかわからないし、もちろん成果が出るまで数年かかるために、会社はそれまで存続ができない。
 
むろん、競争力を高めるための取組みは不可欠であるし、業界自体の成長が見込めない場合は、新規事業への参入を見据えた取組みを開始すべきであることは言うまでもない。
 
しかし、そのような活動と同時に自社の収益構造を見直し、過剰な部分を削減したりして身軽な体制にするのは当たり前なのだ。
 
人の削減も契約社員だからとか、年齢が高く人件費負担が大きいからという理由で行うべきでない。
より高いレベルの知識と知恵を増やすことに努力し、自ら成長思考する人達こそが次の会社の成長を可能としてくれる人材であり、これは年齢とか正社員であるとかとはまったく関係がないのだ。
 
新たな成長を目指した取組みと収益構造の見直しが“リストラ”において検討されるべきことで、これが社員の納得と支持を得る方法なのだ。

 
文責:斎藤顕一

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顧客中心の営業活動に戻って既存製品の拡販を行う

顧客中心の営業活動に戻って既存製品の拡販を行う。

 
【解説】
 
現在のように売上が簡単に上がらない時代になればなるほど、営業は既存製品の値下げや、新製品の登場を渇望する。
 
もちろんその新製品が圧倒的強みを持っていたら万々歳であるが、強みがあろうとなかろうと、ともかく“新製品”と名のつくものが出るだけでも“営業トーク”がやりやすくなるので新製品は不可欠要素ととらえるようになる。
 
ただ現実的には、多くの“新製品”なるもので新たな需要を創造できるような製品になることは珍しく、単なる改善・改良型の新製品開発であれば、むしろ既存の製品の置き換えに繋がり売上自体は大きく成長しないことが多い。

 
 
とすると、新製品開発は別途進めるとして、まずは売れなくなってきている既存製品をどのようにして拡販するかを見極めなければならないことは自明の理だ。
 
売上が減少してくるのは、市場全体が冷え込んでいることに加え、競争相手も必死に戦いを挑むためシェアまで低下させるためだ。
 
営業は当然、競争相手の取組みに敏感であり、敏感であればあるほど相手の“新製品”や“価格”が見えるようになる。
“営業の質”の部分が見えないこともあり、質よりも見える製品や価格、訪問回数などで対抗しようとすることになるわけだ。
 
競争相手の“見える取組み”を理解して対抗策を考えるよりは、自分達の営業活動が本当に顧客中心になっているかどうかを見直して、顧客中心の取組みに変更することが売上げをあげる正攻法といえるのだ。

 
 
企業の資源は限られているし、顧客ニーズの多様化も進んでいるため、すべてのお客様の満足を満たすことはできない。
とすると顧客中心の営業活動の大前提は自分達の顧客を決めることをまず第一にやるべきことなのだ。
 
顧客を特定できれば、“顧客の顔”が見えることでより成功確率の高い対応策を考えることができるようになる。
 
顧客を決める場合も、個別顧客に対応してもコストばかりかかるので、同じようなニーズや購買行動を取る“顧客のかたまり”を発見して、その人たちをターゲット顧客としてその人たちが求めていることを徹底的に理解することで”売上げの規模“を高めるのだ。
 
なにを求めているのかがわかると、その満たされていないニーズを満たすために、顧客のどの部門の人たちに会うべきなのかを決めることができる。
購買部門は直接の窓口なので、もちろん訪問主要対象部門ではあるが、顧客の本来のニーズは購入する人ではなく使う人であるため、その人たちにアプローチすることも重要なのだ。
 
顧客のニーズが分かれば、なにが訴求ポイントとなるかがより理解しやすくなるため、より効果的な提案書を持っていくことができるようになる。
さらに営業の“質問し、相手の質問に答える技”を磨くことで、飛躍的に商談の成功確率を高めることができる。
 
顧客の課題や満たされていないニーズを理解し、それらについての考え方を営業が示すことで本当の意味での信頼感を得ることにつながり、それが結果として売上増につながることになるのだ。

 
文責:斎藤顕一

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善なる行動によって業績向上できる体制の礎を築く

善なる行動によって業績向上できる体制の礎を築く。

 
【解説】
 
景気のよいときは、自分たちの会社や製品の良さを顧客に伝えることだけで製品を販売することができた。
 
しかし、現在のように生産した製品や仕入れた商品が、それらの良し悪しに関係なく、単に消費することを手控えているため売れないとするならば、そのときにはどうしたら良いのだろうか。
 
このまま景気が良くなるのをじっと待つだけなのか。むしろ、このような厳しい時期であるからこそ、自分達の事業のありかたを見直してみたらどうなのだろう

 
 
この消費の手控えの意味は、“購入の優先順位”が変更されたのであって、本当に必要とされているものがなくなることはないはず。
 
そのように資源配分を厳しく見直している時に、粗悪品をそれに見合った価格で販売したり、製品の品質を偽装したり、顧客の無知に付け込んで不必要なものを購買させるなどはもちろん論外であるし、今までの正攻法とされていた開発された製品やサービスを特定顧客に“必死になって売り込む”ことだけでも解決にはなりえない。
 
製品・商品・サービスが価格以上に魅力的であることを納得してもらうことはもちろん必要であるが、もっと大事なことはその提供する製品・商品・サービスとそれらの提供の仕方に“善”なるものを感じさせるかどうかが極めて大事になってきたと言える。

 
 
自社の利益、自部門の利益、自分個人さえ良ければいいのだ、という思想が根底にある限り“善”なるものを顧客に感じさせることはできない。
 
頑張っている従業員を大事にすることや顧客の利益を自社の利益より優先させること、また人に対する思いやりがなければ、どんなビジネスをやっていようが信頼が生まれるわけがない。
 
本来、ビジネスは“善”が原点にあるものであり、困難な今の時代こそ、“善”に戻ることで強い会社を作るための基盤ができるのだ。
 
その基盤が出来ていない会社にとっては、数値目標はただの“実現できない目標”にしか過ぎないし、いくら競争優位を目指した“戦略”を立案できたとしても、それはまったく無意味な取組みにしか過ぎない。
 
今回の世界不況は、我々にビジネスの原点に戻る機会を提供してくれたと考えるべきなのだ。

 
文責:斎藤顕一

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景気が悪くなっていることを恐れるな。戦いの姿勢を取って取組みを考える

新聞やテレビ報道を見ていると、生産台数の減少、季節工・臨時工の削減、売上と収益の下方修正、銀行の貸し渋り、などなど気がめいる話のオンパレードだ。
確かに売上が激減すると固定費の高い企業は一挙に赤字に突入する。
企業はそのために、投資を減らし、無駄なコストを削減する。
今回の場合は、一挙に悪化したこともありどのように対応してよいのかがわからず、コスト削減と合理化という守りに入っているようだ。
企業は臆病になることではなく、今回の危機を好機ととらえ体質強化に必要な取組みを行うべきなのだ。
対象とする顧客を明確にしたうえで、求められていることを徹底的に理解し、その期待値や満足を満たすために、“聖域”にこだわらず必要な取組を行うのだ。
まさに事業の原点にもどって筋肉質の経営体制を新規に構築することのみが、企業発展を約束するのだ。

 
【解説】
 
企業業績が大幅に下方修正されるなど、企業を取り巻く経済環境は悪化している。
 
消費者は耐久消費財の購入だけではなく日常の生活費の出費さえ控え、企業も設備投資や人に対する投資を抑制する。
これらの行動が世界規模で起こっていることで、景気はさらに悪化していく。
 
不景気なときにありがちな“コスト削減と合理化”という取組みで本当に企業は生き残れるのか?
それでは無理というものだ。
 
第一次オイルショックの時は“コスト削減と合理化”によって、乗り切った。
しかし、90年バブルが崩壊したときに、企業はやはりコスト削減と合理化を行い、その結果が“景気連動で成長は出来ても継続的に成長できない企業”を作り出したのではなかったのか。

 
 
過去の取組みの改善改良では成り立たず、コスト削減と合理化では生き残れない可能性が高いとするならば、企業はなにをするのか。
 
原点に戻るとはなにを意味しているのか。
それはターゲットとする顧客に戻り、ビジネスシステムを強化し、管理部門を含め継続的な売上増大を確実とするインフラの強化や、全社員の成長に向けた意識作りに取組むことを意味する。
 
それは戦いの姿勢を取る企業にしかできないことであり、いまこそ、その実現性を信じて改革の旗を振る必要があるのだ。

 
文責:斎藤顕一

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間違った社員への温情主義は会社を滅ぼす

人を大事にすることは素晴らしいことだ。
企業の業績が上がるか上がらないかは“多くの人の知恵と行動”によって影響を受けるため、人を大事にするかしないかはまさに企業業績の明暗をわけると言っても過言ではない。
人を大事にするとは、人に企業が目指しているビジョンを示し、それが実現できるような学びの機会を提供し、自分の能力を最大限に発揮できるようなチャンスを与え、貢献に対して次なる大きな貢献が出来るように報いることなのだ。
貢献することができなくなった人には別の貢献が可能とする領域を提供する。
これらの一連の取り組みを行うことで、初めて“人を大事にしてきた”と言える。
成長することを放棄している人を、単に過去の貢献だけで他の人に影響を与えるポジションに残し続けることは、実は人を大事にしていることではなく、むしろその人をダメにすることだけではなく、会社を崩壊させる道を選んでいると考えるべきなのだ。

 
【解説】
 
自分を成長させようと、知識を増やす努力したり、いい仕事をしようと工夫したり、人の話に耳を傾けたりする人を見るとなんだか楽しくなってくる。
将来になにか面白いことが起こりそうで応援したくもなる。
 
会社の成長には戦略的施策が必要であるものの、自分の成長を求めそれが結果的に会社の成長につながるはずだと考える人材がいるかどうかで、企業が大きな飛躍が出来るかどうかが決定される。
 
まさに、企業においては“成長することの意味”が単に自分の属する組織における出世という小さな目的ではなく、自分の価値を高めるためだと理解して、自ら苦労する道を選ぶ“人財”を作り出す必要がどうしてもあるのだ。

 
 
確かに、企業において成長することの重要性をなんとなく理解し、自分を高めたいと考えている人は、若い人を中心に結構存在している。
 
この人たちは、先輩の意見や人事部の考えを聞くことはできるものの、“どのようにすれば効果的に自分を成長させることが出来るか”の考えをしっかりと持っているわけではない。
 
そのため、経営者が人財開発に関して自分の言葉で“思想”を伝え、その思想を具現化するための具体策を示すことに期待するのだ。
 
多くの企業が、“本人任せ、現場任せ”の姿勢をとるが、その意味は、人を大事にすると言いながら、なにもしていないことを従業員に公言していることと同じなのだ。
 
企業の人材育成に対する取り組みは、単に思想を明確にするだけではなく、すべての人事施策が人の育成に軸足を置いた取り組みであり、貢献した人財に公平に報いることが大前提になる。
 
それが人事施策の根幹であるにも関わらず、“成長することを放棄して、なんら貢献できない人間を間違った温情主義で守る”ことで、会社発展の担い手となる人材を失っていくことに拍車をかける。
 
物理的に退職することも大きな損失ではあるが、可能性のある人材から成長する意欲を奪ってしまうことは、会社全体から“人を通じて企業を成長させる風土”を奪っていくことにつながり、その影響度合いは極めて大きいのだ。
 
大事な考え方は、意欲のある貴重な人財を育成することで会社の成長を達成することであり、自ら成長することを放棄した人たちを温情主義で守ることではないのだ。

 
文責:斎藤顕一

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優秀な管理職をもつ会社になるために

企業運営において管理職の役割は極めて重要であるにも関らず、役割を遂行できる人材を登用し育成しているケースは決して多くない。
ともすれば、管理職になれる年齢層で、過去からの上司受けが悪くない、目立ったミスもない、昇格試験にパスした、という理由から管理職になっているケースが多いのではないだろうか。
しかし、本来、管理職は会社が目指す目標を実現させるためにチームを率いていくリーダーであり、施策実現の方法を具体的な行動レベルまで落とし込む能力や、チームメンバーを育成し成果をあげることが出来るように支援する能力が必要になる。
企業は、管理職の役割を再定義し、人選の方法や評価の見直しを行うと同時に、管理職が自分自身を磨くための考え方や行動の仕方を徹底的に教え込む必要がある。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
管理職が企業業績を高めていく上で極めて重要な役割を果たす立場にいることに反対する経営者は皆無だろう。
にもかかわらず、なぜ多くの管理職が期待された仕事をやれないのか。
 
もちろん本人の問題が大きいことは否めないものの、実は企業側の問題のほうが大きい。
 
企業側の問題とは大きく分けて、役割を明確化できていないこと、管理職の選別基準が間違っていること、管理職を育てるプログラムを持っていないこと、の3つである。

 
 
管理職は“偉さを表している”わけではない。
企業が目指す目標をチームメンバーの力を最大活用しながら実現していく役割を担っている。
 
管理職は“役割”であるため、まず企業が期待している役割を明確化しないかぎり管理職としての役割を果たしようがない。
 
人やお金という資源を最大限に活用しながら企業が目指している目標を達成することが重要な役割であるため、人の育成に興味のない人や、投資効率や効果を考えることが出来ない人や、施策を具体的な行動レベルに落とし込もうとする意欲が欠如している人がそもそも管理職に選ばれてはいけないのだ。
企業は間違った管理職を選んだ代償として会社の将来を危うくする可能性があることを理解すべきだ。

 
 
もちろん、将来の経営層になりうる可能性のある人材を選抜できたとしても、その人たちを育成できるかどうかも重要な課題となる。
 
会長や社長が自分の経験を語ることは、企業の価値観を理解させ軸足を決定するうえで極めて重要であるが、取り巻く市場環境を事実ベースで客観的に理解して施策を考える方法、自分の仲間を励まし・支援し・育成する方法については新たに学ぶ機会を提供する必要があるのだ。
 
これらのスキルや能力の取得には、人の経験から学ぶことだけではなく、論理的に“成功確率の高い方法を理解する”ことが重要となる。
 
ただし、ここで注意してもらいたいのは企業側が提供できることには限界があるという点である。
 
結局、個々人に高い意識を持たせ、「自分を成長させるためにはどうしたら良いのかを考え、自ら行動し、レビューし間違ったところは修正する“クセ”」を日々の活動からつけさせることが出来るかどうかが優良なリーダーを創りだしていくことになる。

 
文責:斎藤顕一

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企業のクセを理解する

企業の業績変化や企業活動を長期に分析している時や、クライアントチームメンバーによる実際の活動報告を聞いていると、”なぜこんなことが繰り返して行われているのか“ということに気がつくことがままある。
これは決して一時的な現象ではなく、企業の中に長年にわたって起こってきた“役員を含めて社員共通の行動”とも言えるものである。
これを私は“企業のクセ”と呼んでいる。クセの多くは間違ったクセであり、企業業績を高めるうえでの障害になるものが多い。
それらはクセであるため指摘されて本人達は初めて気がつくが、同じ間違いを何度も繰り返してしまう。
“クセ”とは長年の蓄積によって築かれたものであるため、解決法は“何度も何度も繰り返して正だす”ことしかない。
企業のクセはさらなる悪癖につながるため、早期に対処することが大事。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
嘘をついているときに目をきょろきょろさせる、恥ずかしいと思ったときには頭を掻く、など個人には愛嬌のあるクセもあるが、時間を守らない、人を待たせるなど、人の迷惑になる悪いクセもある。
 
企業にももちろん多くのクセがあり、それらは企業業績を高める上で大きな障害になるものも少なくない。
 
例えば、会議はともかく“切り”がくるまでだらだら続ける、時間を守らない、またなにをするにもスピードが遅い、というクセは企業の生産性やモラールに大きな影響を与える。
 
チームで仕事をすることの意味や方法を学んでいないため、仕事が属人化してその人が辞めるとノウハウがなくなってしまうという由々しきクセもある。
 
中には、正しいことを言う者が偉いというよりも、単に組織の長の意見に従うことが偉いと常に考えてしまうというクセもある。
 
業績をあげるための施策を考えることが出来ないため、やたら組織変更をして“なにかした気になる”クセもある。
 
これらのクセは実は経営者レベルのクセが伝播・継承されてきたわけで、まさに“上に習え”式に作られてきた悪癖であるわけだ。

 
 
大事なことは “企業のクセ”をいちど客観的に整理してみることだ。
 
企業のクセは“蓄積されたもの”であるため、多くは会社のクセに汚染されたシニアの人たちが先導している。
そのため、若手の優秀な人たちにインタビューしてみることや、人をサポートする立場にいる一般職の人や秘書の人たちに話を聞いてみるとクセが浮き彫りされてくる。
 
あとは、それらのクセがどれぐらいコストや生産性に影響を与えているかを分析したりすることで、まずそのクセが企業行動に与える大きさを明確にすることだ。
 
そして、その問題がなぜ起こっているのかを理解することで解決法を考えるわけだ。
解決法を考えるには優良企業から学ぶのも大事な方法だ。
 
決めたら徹底的に繰り返してクセをなくしていく。これらのクセの問題に取り組むのにも結局“問題解決のアプローチ”が有効になるということだね。

 
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変革の際に踏み込まなくてはならない領域

問題解決アプローチ使って実際の企業の問題に取組み、論理的に導き出された解決法を実践すると確かに企業業績は向上する。
その取組に出来るだけ多くの従業員を参加させることで業績はさらに上向きに推移することも実証されている。
しかし、ある時点でなんか停滞感を感じ始め、月間ベースでの業績向上のスピードは遅くなることに気がつく。
取り組んでいることに“はずみ”がつかなくなってきているのだ。
なぜか。それはトップが全身全霊を込めて企業の変革にとりくまないことに起因することが多い。
新しい施策を従業員が実践することで成果はでるのであるが、それは今までやっていなかったことをやるから成果があがるのだ。
しかし、本当の企業の実力は、従業員が出来ることだけで達成できるのではなく、ともすればトップがやりたくない“人の問題や組織の問題”にもメスを入れることで初めて本当のものになるのだ。
トップが自らの生き方や経営観を変え、大きな勇気を持って取り組む必要があるのだ。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
継続的な業績向上を目指す企業のトップに求められることは極めて厳しい。
 
トップは単なる会社のシンボルでもないし、業績がすぐれた会社から学べることや大学教授が語る経営論を伝えることでもないし、自分がトップにいたった長い道のりで学習してきた成功体験を部下に語ることでもない。
まして過去の先輩たちが築いてくれた“正の遺産”に胡坐をかくことでもない。
 
トップは企業が目指すべき姿や方向性を示すことが大事なことは言うまでもないが、そのためにはトップは顧客それも企業にとって厳しい意見を述べてくれる企業や消費者の声を直接に聴き彼らを喜ばせる方法を考えることであり、従業員の話に耳を傾け人材を最大限に活用する方法を考えることなのだ。
 
そうすることで初めて、業績向上の施策を具体的に考えることができるし、正しい判断もできるからだ。

 
 
売上をあげるための取組は、多くの場合は事実データに基づいた結論であるため説得力もあり、トップもそれらの施策を遂行することにそれほど大きな抵抗を感じることは少ない。
 
しかし、これらの取組を最大限に生かすためには、その原動力となっている人の問題やその人たちの生産性を高めるための組織問題を解決する必要がある。
 
しかしながら、この問題は論理で説得しきれるものではないし、ともすれば感情の世界になるため、トップは出来れば避けたい課題なのだ。
 
その“避けたい意識”は従業員にすぐに見破られるものであり、変革の取組自体に限界を感じ始めるのだ。
 
結局、変革への取組をトップや役員がいくら声高々に叫ぼうが、自分たちが避けて通りたいことにチャレンジしない限り結局、挫折することになるのだ。
 
企業業績を継続的に高めるという大きな目標を達成するためにはトップは自らを“つらい立場に置く”ことがまさに求められるということなのだ。

 
文責:斎藤顕一

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