リストラと従業員満足

リストラと従業員満足

リストラと従業員満足

新型コロナウイルスの影響で、アメリカの4月の失業率が戦後最悪のx14.7%を記録したというニュースがあったので、ぼくが重要だと思う“リストラ”と“従業員満足”について簡単に触れたいと思います。

まずリストラについてですが、

リストラの意味は“Re-structuring”(事業の再構築)であって、人とモノの削減だけを意味するものではない

今回の新型コロナの影響で、企業が生産活動を行えず売上が減少し、収益性も悪化。近い将来においても業績向上が見込めない場合、会社は“リストラ”を決断せざるを得なくなります。しかし、過去多くの会社でのリストラに向けた取組みは必ずしも成功しているとは言えません。
リストラしたのに、リストラに伴って発生する退職金などの負担が大きく黒字化できなかった場合もあるのですが、むしろリストラ実施後に成長のための活力を失い、そのままさらなる売上の大幅減少で倒産してしまうケースのほうが多いように思えます。
リストラは短期的に成果を出すことを目指すために、取組みの中心はどうしても人員の削減と資産の売却などになりがち。しかしリストラの意味は“Re-structuring”(事業の再構築)であって、人とモノの削減だけを意味するものではありません。厳しい市場環境の中でも収益をしっかりと確保できる戦略と体制作りが目的であり、その目的を満たすための取組みを行うべきなんですね。

現在、大手企業も多くの中小企業も本当に厳しい状況下にあると思います。でも、こんなときだからこそ、本当の意味での事業の再構築の機会と捉え、

① まず自分たちが参入している市場と未参入の周辺市場セグメントの成長機会の発見
② 自社の競争力の源泉とも言えるバリューチェーンの見直し(戦略)
③ その戦略で成果を実現するためのインフラの強化策

を考えてみたらどうだろうか。
もちろん、グローバルな視点で、競争相手や他業種企業から学べることは、徹底的に学んでみることも大事になるでしょう。

次に従業員満足についてです。まず、従業員満足と言うと“甘やかす”と思う人がいるかもしれませんが、甘えとはまったく無関係で、むしろ従業員の意欲やモチベーションと関係しているということです。

「従業員満足を高めない限り、顧客満足を高めることは出来ない」

今回の非常事態は初めての経験であるため、なにをすれば良いのかがわからず、従業員の士気はますます弱まっていることと思います。経営者が考えなくてはならないのは、従業員満足を高い状態にしておかないと、顧客満足を高めることはできないということです。これは従業員満足がない限り、いくら小手先のスキルやコツを教えたところで成果は上がらないということなのです。

確かに、従業員が自分の会社や仕事に不満を持ち、自分の仕事に一生懸命に取り組んでいないとするならば、お客さんや上司がその従業員に感動するわけではなく、まして信頼感を持つわけがないのです。
それでは、従業員は何によって満足するのか?やはり大事な考え方は3つあるのです。

① 取組んでいる仕事に意義を見出せるか
② 人間関係に良循環を生み出す要素があるのか
③ 正しく評価され、貢献したときに報いがあるのか

これらの、3つともすべて揃っていれば従業員満足が高まり、その結果として顧客満足を高める可能性が極めて高くなりますが、1つしかない場合は、まず無理と考ええていいでしょう。

会社に“人を大事にすることで業績を上げたい”という意思と行動力があれば、これらの3つを満たすことはそれほど難しいことではありません。“人を大事にする”という意識がないとするならば従業員による価値の向上はないと考えたほうがよいかもしれません。

従業員を“使い捨てのコマ”と考えている会社には、これらの3つのことに対する配慮が出来るわけがありません。会社が実現したいと考えている夢やビジョンの実現は、自己育成の機会を獲得する従業員のみによってそれが達成されると信じている会社だけに許されることなのです。

リストラと従業員満足をお話ししたのは、この2つは一見、相対するように考えがちであるものの、実は非常に密接していると考えているからなのです。この非常事態だからこそ、削減を目的としたリストラではなく、従業員満足を視点においた上での取り組みを目指し、みなさんには問題解決者として、活躍してもらいたいと思います。

文責:齋藤顕一

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2020/05/10 07:58 note掲載