情報収集にまず取組んでみる

「問題解決法」に取り組んでみようと考える人が最初に越えなければハードルがあるとするとそれは情報収集ができること。
それも問題の本質を発見するためには、良い分析が不可欠で、それをするためには良い情報がなければ出来ないので結構そのハードルは高い。
多くのビジネスパーソンにとって、考えるための情報やデータは会社が提供してくれることが多く、みずからの意思で意味のある情報やデータを集めたことがない。
全体像を理解するためには、現在の事業領域を超えた情報が必要だろうし、ある特定分野については詳細な情報が必要になるのに、どんな情報がどこに存在しているのか、そもそも存在すらしていないのかも理解できていないのが現状。
まして最近はインターネットが発達していることもあり。ネットでキーワードを入れて出てこなければ「ない」と思ってしまう人もいるようだ。
情報収集にも順序があり、使い慣れることでレベルアップすることが出来る。
まずは基本的なことにしっかりと取組んでみることが重要。

 
最初から高度なこと考えるのではなく、まず基本をしっかりと理解して、情報収集に慣れることが大切。
下記の3つのことに取り組んでみたらどうだろう。

 
 
1.総合統計書について理解しておく
 
総務省統計局が発行している各種統計を集めた資料。目次や項目を見るだけでも、どんな情報があるのかについての理解が深まる。
最新版はWebでも提供されている。出典も記載されているので、詳細については該当する統計や発行機関にあたるとよい。
マクロデータ、業種横断の統計データにどんなものがあるのかを知っておくと、ネット検索では出てきにくい情報にたどりつくことが出来る。
特に、日本統計年鑑は、日本の主要統計を集めたものであり、一度現物を手にとって見てみると良い。

(総務省総合統計書ホームページ)
 
 
2.問合せ先についての情報源を持っておく
 
集めたデータについて、理解を深めるためには、ヒアリングが必要になることもある。
通常は、データの発行元に問い合わせることになるが、業界団体などを知っていると、ヒアリング先の幅が広がる。業界団体発行の調査した情報が貰えることもある。
Wikipediaの業界団体のページには、各種団体へのリンクが載っているし、日本経済新聞社の「ビジネスまるごと情報源」は、毎年発行されている本で、企業や官公庁、業界団体の連絡先も載っているので、問合せ先を探すのに便利。

 
 
3.実際に何度か情報収集してみる
 
情報源を見るだけでは、活用する力はつかないので、一度テーマを決めて情報収集してみることをお勧めする。
日経ビジネスや週刊ダイヤモンドなど経済雑誌の記事テーマを見て、それについて自分が調べてみるとどうなるか、を試してみるのも良いね。
これを繰り返すことで、本当の“情報を集める力”が身につくし、雑誌の記事等を見ても、ここの情報が足りないな、と言うことに気づけるようになる。
国立国会図書館のホームページの「リサーチナビ」には、“調べるヒント“としてよくある質問が載っているので、これを見てみるのも勉強になるね。

(国立国会図書館のページ)
 
 
正しい情報が、正しい問題発見に繋がり、正しい問題認識が、正しい打ち手を導く。頑張ってもらいたいね~~。
 
文責:斎藤顕一

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チーム演習作業の効果を高める

問題発見の演習を企業研修などでよく行うのですが、よく出来るチームと出来の悪いチームがある。
各チームの構成メンバーは5人から10人ぐらいでランダムに分けられているので人のよしあしの偏りがあるとは考えにくい。
もちろん問題解決の考え方をよく理解している人と理解していない人がいるのは当然のことだけど、それぞれのチームメンバーの発言内容を聞いていると、どのチームにも優れたひとがいるにも関わらずなぜその格差が生まれるのかを知るのは非常に興味深い。
“演習結果の違い”に影響を与える変数を考えてみると、討議のイニシアチブを取っている人の問題、チームワークの取り方の問題、討議の進め方の問題の3つぐらいが考えられる。
誰がイニシアチブを取るかでよく起こるのは、年齢とか役職が上であるとか、“声がやたらとでかい”とか、良いアウトプットを出すこととは関係のないことでリーダーを決めてしまう。
もちろん、それらの人が問題解決の考え方をよく理解していて、チームの人達の能力を引き出せるのであればいいのであるが、そうでない場合はまずうまくいかない。
チーム演習の目的は、メンバーそれぞれの人の考え方から学び、みんなでよりレベルのアウトプットへと導いていくはずなのに、“自信を持って間違った考えを言える豪傑”がいたり、そもそもあまりしゃべらない人が沢山いると、意見を自由に言える雰囲気でないので、やっぱりうまくいかない。
お互いによく知らない人同士でチームを結成するので、よけいに大変だ。討議の進め方であるが、限られた時間の中で演習を行うので(これは企業活動においてもなんでも期限が決まっているので同じ)、出来るだけ「問題の本質」がなんであるかについての討議をすることが重要になるのであるが、ともすればリーダーを誰にするかを決めるために膨大な時間を使ったり、細かい事実をどう解釈するかの討議に時間を使ったりする。
面白いことは、優れたアウトプットを出すチームは、ひとつだけ出来ているのではなくこの3つのすべてについてうまく取り組んでいることだ。
演習をどう進めるかは学びのレベルに大きな影響を与えるので、チーム演習への取り組み方を真剣に考えることは大きな意味があるのだ。

 
チーム演習からなにが学べるのか?
チームメンバーの人がどんな考え方をしているのかを知り、そこから自分の考えを見直してみる。
 
“なるほど!そんな考え方をしていなかった”とか“その考え方はちょっと無理があるぞ”みたいに、自分の考え方を確認し、新たに考えを広げたり深くしたりするためのアイデアをもらえたりする。
 
それだけではなく、チームをどのように機能させればよいのかとか、どのようにすると人の考えを引き出せるのか、ということまで学べるのだ。
自分個人で孤独に考えるだけではなく、より多くのことを学べる機会だから、その機会を有効活用しない手はない。
 
ではどのようにすると効果的なチームを作ることができるのか?作業の進め方に沿って考えてみよう。
 
問題の本質を考えるためには、まず事実に着目する。
チーム作業では“事実の書き出し”をポストイット上に行うわけだが、良くないチームは書き出す段階で個人の解釈で選別してしまっている。
 
一つの事実だけではそれほど重要そうに見えていなかったものも、ほかの事実と一緒に考えると重要な意味を持っていることがあるので、ともかく事実を書きだすことだ。
 
次に沢山ある混在した情報を(ポストイット)仲間同士を集めるように分類するのであるが、ここで差が出てくる。
 
やたらと大きな括りで分類しようとしたり(外的と内的みたいなもの)、最初から知っている意味のないフレームワーク(人・モノ・金みたいなも)を決めてそれで分類すると、なにが起こっているかを理解するのにやたらと時間がかかる。
そうすると大事な問題の本質について討議する時間が減少しありきたりの考えしか出てこない。
 
フレームワークで整理する意味には2通りあって、全体でなにが起こっているのかを自分たちが理解しやすくするためと、もうひとつは人に理解してもらえるようにするためがある。
 
慣れないうちはまず“自分たちが理解するために分類する”ことが大事で、情報の分類を“明らかに同類”と考えられるものを、それほど情報量が多くなくてもまずグループ化して、それを要約するのがいいだろう。いくつかの“要約文”が出てきた段階で、それらの整理軸を眺めて、人に説明するためのフレームワークを考えてもよい。
 
企業の本質的な問題を理解するためには、大きなくくりとして市場・競合・自社とか、取り巻く環境(市場と競合)・自社戦略・自社体制というような分け方があるので、それで整理して考えても良い。
 
グループ化された情報を要約する時に大事なことは文章の意味を理解して要約することで、文章を単にまとめることではないことだ。
 
このようなアプローチで考えるとすると年齢とか役職は関係がないことがわかるだろう。
 
事前に演習テーマも決まっていて資料が配布されている場合が多いのだから、自分なりに“なにが本質的な問題になるのか”を論理的に整理しておいて、みんなで自分がやったものを持ち寄って、論理的に説得力のあるのを選んで、それをたたき台として討議するのは有効だ。
最初からリーダーを決めるよりははるかに効果はありそうだ。
 
また、誰が全体の討議のイニシアチブを取ろうが、自分の考えを述べたり、ほかのメンバーに意見を求めたり、ともかく全員の知恵を結集できるようにする必要があるだろう。
 
チームワークが取れているグループは明るく笑い声が満ち溢れている。話しやすい雰囲気づくりに全員が努力すべきなのは言うまでもない。

 
文責:斎藤顕一

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経験年数は意味がない

世の中でわりと重要視されている言葉として“何年何十年の経験がある”という表現がある。
確かに、「私は、教員生活を30年やってます」とか「私は職人として25年の経験があるのです」と言われると、それはすごいですね~と多くの人は反応する。年数の蓄積には重みがあるということやね。
また、若い人の中には、「経験がモノを言うのであれば、これは年を取らないとダメだということですね」という人もいる。
これらの反応や意見は正しいのか?必ずしも正しいとは言えない。
本来の“経験”とは、信念を持って自分を成長させるために無我夢中になって取り組んだ期間と内容に関係があるからなんです。
だから、60歳の大学教授が35年の経験があると言ったとしても、夢中になって研究に取り組み研究者として自分を成長させた時期が大学院を含めて最初の10年間であれば、この人の経験は10年しかないことになる。
一生懸命に取組んだ時期が1年で、その1年の経験を10回繰り返しても、経験は10年ではなく1年ということや。
逆に、時間軸にスピードをあげて取り組むことが出来たとすると、その人の“経験年数”は飛躍的に増えることになる。
例えば、行動するスピードを速めると普通の人の成長のスピードよりも3倍ぐらいは速く成長することができる。
とすると、スピードを速めて一生懸命に自分の成長に取り組んで来た30歳の人にとって、大学卒業後の8年の経験は、実は普通のスピードで過ごしている人と比較すると、実に24年の経験を経てきたとも言える。
「僕の年齢は今30歳ですけど、真剣に問題解決に取り組んでいる実経験年数を加えると、なんと46歳の年齢の人の経験を持っているのです」なんて、言えるようになりたいもんだね。

 
なにを経験したかは重要ではあるものの、「経験したこと」は、「経験していないこと」よりも素晴らしいとは思う。
しかし経験年数に話が行くと急にテンションが下がってしまう。
 
これは人生経験も同じで、経験年数が長いつまりは年をとっているから、”その年齢に応じた魅力“を感じるかというとそんなことはない。
その人の生きるスピードと質に、つまりは”生き方“にしか魅力を感じない。
 
それが専門領域に関しての話になると、なぜか人は”経験年数が長いことは良いことだ“と思うようになってしまう。
 
それを意識しているせいか、ぼくは人にはコンサルティングの世界に何十年いるのですとは恥ずかしいから言わない。
 
それはあたかも、大学はどこで、どんな会社に勤めているのかを言うことで、自分の実力ではなく相手の人が持っているはずの”大学や会社に持つ良いメージ“で見てもらいたいという意識に似ている。
本当の経験年数とは”実力“の話になるわけだ。
 
だから企業人で「製薬の世界に20年いる」からと言って、”知識“だけは20年分の業界に関する蓄積はあるかもしれないけど、「現状評価した結果、これらから導き出された意味合いはこういうことで、わが社が取組むべき道はこういうことだ」と言うような”知恵“を言えないとなると、それは20年に値しないで、せいぜい5年の話にしかならないのだと思う。
 
とするとやっぱり「実経験年数を増やすためには、考え方を学びスピードを高めて行動すること」しかないということやね(笑)。
頑張りがいがあるな!

 
文責:斎藤顕一

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営業は“初めに製品ありき”から“初めに質問ありき”に大転換する必要がある

「営業が求められていることは自社の既存製品・商品やサービスを顧客に売り込むことであること」に誰も反対しないだろう。
ただ、経済が停滞し売ることが非常に厳しい時代には、自分たちの既存製品を既存顧客に売っているだけでは会社は成長しない。
とすると自分たちが慣れ親しんで来た製品だけではなく、まさに顧客が求めている製品やサービスを売ることが重要になるのであるが、そのためにはまず既存顧客や潜在顧客から“求めているもの”を聞き出す必要がある。
ところが、営業は顧客から既存製品に関する質問に答えることができても、顧客に対して“既存製品以外のこと”について質問することや“その質問に対する顧客の答え”について、更に答えることは慣れていないので出来ないのだ。
これは“顧客の本当のニーズを満たすことが重要”と言われながら、最前線にいて顧客情報を獲得する役割を担っている営業が出来ないのだから、顧客のニーズを満たすことができず結局ジリ貧になることを意味しているのだ。
営業の質問力を強化するためには、今までの営業の“初めに製品ありき”の活動を改めて、意識・論理性・ツール開発によって“初めに質問ありき”の活動に大転換すべきなのだ。

 
 BtoBビジネスを行っている企業の営業の人たちも最近は、顧客、それも普段から窓口になっている購買部ではなく、企画やマーケティングの部門に対して質問することの重要性を認識しつつある。
 
ただ、問題は、長年“初めに製品ありき”で営業活動を行ってきた人たちにとって、“①顧客に問いかけて→②顧客から問いかけへの答えが返ってくる→③その答えにまた営業が問いかける”という一連の会話が成り立たせることが困難なのだ。
 
なぜか。最初の問いかけは準備しておけば質問できる。
ただ、次の顧客の答えの中に“自社製品に関連がありそうな言葉”が出てくると、営業の習性から“すぐ既存製品の中から類似製品を提案してしまうから”なのだ。
 
例えば、営業は「みなさんがお困りのことってどんなことなんですか?」と問いかけ、顧客の答えが「いま、困っているのはもっと小型化して重量を10%は下げたいのだ。もう少し、部品を小さく軽く出来ないか?」と問われると、営業は製品カタログを見て提案するか、テーマを自社に持ち帰ってさらに小さく出来ないかを開発と討議するという、今までと同じアプローチを取ってしまうのだ。
 
既存製品を売ることに慣れた営業にとっては「すみません。なぜ小型化が重要なのですか、なぜ10%なのですか?」という質問が出来ないのだ。
 
これは“自分達の製品をなんとしてでも売るのだ”という意識ではなく、“なんとしてでもお客さんの抱えている問題を解決してあげて、それで売上げを上げるのだ”という意識に変えない限り無理なのだ。
 
また今まで既存製品に関する“具体的な質疑応答”しかしてこなかった人たちに、「御社の業績をあげたり生産性を高めたりする上で困っていることはどんなことなのですか?」という“そもそも論に関わる抽象レベルの高い質疑応答”が出来るようになるためには、目的に戻って考える方法を教えてあげないと難しいのだ。
 
ただ、顧客の業種・事業領域や企業規模などによって“困っている内容”は何通りかに分類できる可能性が高い。
 
そのため、営業がすべき質問や、顧客の答えや問いかけに対する営業の答え方をある程度想定できるので、ツール化しておいて訓練をつむことで、営業の質問力を今までよりも高めることは出来るのだ。

 
文責:斎藤顕一

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問題解決の提案には工夫が必要

私が教えている大学院やE-Learningの学生からよく聞くのが、 「上司に対し自部門の問題を発見して解決策を提案しても、 “そんなことを言うならば自分で勝手にやったらどうだ”」、 とか「そんなことは言われなくても解っている」というように反応されて、 それ以上に話が進まないと言うのがある。
学生にしてみたら、本来の業務を超えて会社や部門が良くなることを信じて提案しているのに、 それを真剣に捉えてくれないのを嘆いているわけだ。
このようなことを聞くたびに、 「やっぱり問題解決者というのは、ある種の“宣教師”であって、正しいことを言っても迫害される立場にある(笑)」 ことを痛感すると同時に、そうであるがゆえに「提案し続けること」の重要性を再確認するのです。
ただ、本来の目的は「部門や会社の業績を高めることにある」のであって、 やはり提案を受けいれてもらえない限り業績は高まらない。
とすると、まず上司にその提案を納得して受け入れてもらうための工夫が必要になるということで、 特に伝え方に配慮することが重要となる。

 
本来、上司から期待もされていないのに、 「この部門の問題はこんなところにあるので、それを解決するためにはこのような取組をすべきと考えます」と、 いくら論理的に伝えたとしても、それを受け入れる上司というのはそう沢山いるわけではない。
 
あらかじめ会社から大学院に派遣されたりして、上司の期待値が「問題を発見して業績向上できる取組を提案しろ」 というところにあればいざ知らず、私の生徒の大半は“個人で自分に投資をしている人たち”であるため、 上司が知らないケースが多い。
 
ただ、問題解決の方法を学び、自部門の本質的な問題が見えれば見えるほど、 それを提案したくなるのは問題解決を学んだ者としては“当然の反応”だし、私自身もそれを期待している。
 
とするとどうすればよいのか。なぜ“受け入れられないか”をまず考える必要がある。 可能性としては、大きく2つあって、「提案内容の問題」と、「提案の伝え方の問題」になりそう。
 
提案内容については説得力があるかないかについて確認する必要があるが、 まず本稿では「伝え方の問題」を考えてみたい。
 
なぜ伝え方がうまく行かなかったのか?
部門の問題とその解決法について予期せぬ人から言われてしまったという“提案者の問題”、 話題にもなっていなかったのに急に話題にあがってしまったという“タイミングの問題”、 自分が本来やらなければならないことなのに、巻き込まれていなかったという“除け者にされていた問題”の3つがありそうだ。
 
この中で、3番目の“除け者問題”が一番大きいと言える。
それも問題解決能力が欠如しているとみなさあれていたから相談もされなかった場合が多かったため、 「上司の嫉妬とか保身」という問題がからんでくるので余計にややこしい。
 
その上司を超えてその上司に行くことは、 多くの会社でまだあまり好ましいとは考えられていないため、その上司の支持を受けることが重要になる。
 
このようなケースの場合は、事前に「問題解決を勉強していて、その考え方を使って部門の業績を高める方法を考えたい。 ついてはいろいろ解らないところが出てくるので、その時は教えて欲しい」、とか提案書を示して説明するときも、 「普段から上司が心配されていたことや、今までのお考えを含めて考えた結果、このような問題があることがわかりました。 それを解決する為にはこのようにすれば良いと思うのですが。 いろいろコメントをいただければ、それを反映した提案書を作成し一緒に担当役員に説明させていただくことも良いのではないかと思っています。いかがですか?」、 というようなコミュニケーション上の工夫をすることで、この問題を解決できるのではないかと思う。
 
大事なことは上司を味方につけて、業績を向上させる取組に一緒に参加してもらうことにあるのだ。
自分の手柄を上司と分かち合うぐらいの度量の大きさを示してもらいたいものだと思う。

 
文責:斎藤顕一

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コミュニケーションは伝える意思と気配り

コミュニケーションのとり方には、自分から相手に対する働きかけである、 「挨拶」、「相談」、「連絡」、「報告」、 そして誰かからの働きかけに対しての「挨拶返し」、「質問への応え」、「考えに対する感想や意見」などがある。
自分から相手に対するコミュニケーションのとり方については 「ほう・れん・そう、がしっかりできるように」と言われるぐらいその重要性は説かれているし、 不十分であるものの人は割と気を使う。
しかしながら、 誰かの働きかけについてのコミュニケーションのとり方が素晴らしい人は極めて少ない。
要は、返事が遅い、返事をしない、質問に答えていない、考えを伝えない、 など“双方向”であることがコミュニケーションの原点であるにも関わらず、 多くの人が出来ていないのだ。
自分からの働きかけは一生懸命でも、 人からの働きかけにしっかりと応えることができるかどうかで、 その人たちの“人と仕事をする能力”を垣間見ることができる。
双方向のコミュニケーションの重要性を理解しない人が役員や社長レベルであると、 会社全体がコミュニケーションの悪い会社になってしまう可能性が高くなるので、 1人1人が“応え方”について十分意識して行うことが重要となる。

 
コミュニケーションは自分と自分以外のやり取りが多く、 その量だけではなく、質も場所も重要という話は、以前この語録でもお伝えした(https://forsaito.co.jp/topics/200609.html)。
 
昔は手紙や固定電話でのやり取りが中心であったため、どうしても“返事する”には随分と時間がかかったし、 そのことを余り気にしていなかった。
 
ただ、近年はインターネットや携帯メールがあることや、仕事のスピードが求められるため、 すぐ反応することが極めて重要になってきた。
 
誰かから連絡されてきた内容がたとえ、 考えたり調べたりするのに時間がかかる場合ですら、 「受信確認とどれぐらいの時間が必要なのか」という連絡は不可欠ではないかと思う。
 
また、“返事しないこと”が“拒絶”の表れであるとは“一般の認識”であったとしても、 やはり明確に“NO”であることを伝えるほうが、コミュニケーション上は“良し”とされると思う。
迷惑メールに入っているかもしれないし、なんらかの理由で見ていない可能性があるからだ。
 
結局、知っている人とのやりとりの場合は、 どれだけ相手の人に対する“伝えようとする意思”と“気配り”を持っているかで コミュニケーションの良し悪しが決定されるということだ。
 
口先でいくらコミュニケーションが大事と言おうが、 相手に働きかけることはもちろん、相手の働きかけに応えることができないと、 それは人とのつながりを軽視していると取られてもしかたがない。

 
文責:斎藤顕一

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判断力を養う

判断力はビジネスの現場だけではなく、日常生活で求められることも多く、その能力を持っていることはかなり高く評価される。
判断する能力があるということは、決断力があることにもなるからだ。判断力を求められる場合とは、多くの場合どうしていいかわからない困った状況で決断を求められるときであり、ともすれば単にYESあるいはNOで答えることよりも、みずからの考えを求められるために、困難さを感じることになる。
そのため、“判断すること”を避けるために、そのような役割を担うことを拒絶したりすることも起こる。
それでは、どのようにその判断力を増せばいいのか。
それはロジックでじっくり考えて判断するというよりも、反射的な対応が必要であり、結局は自分なりの判断基準をどう持つかが重要となる。
その判断基準とは、自分の体験の積み重ねによって生じるものであるため、判断力を養うためには、状況を理解し、考え、行動し、その行動が正しかったかどうかを検証することを絶えず行う必要がある。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
ビジネス現場で決断しなければならない場面は、役職や責任が重くなればなるほど多くなるし、そこで優柔不断になることはリーダーとしては許されない。
 
決断しないことは、企業にとって競合優位を維持する上で重要な“スピード”を削ぐことを意味するし、それ以上に大事なことは部下からの信頼を失い、リーダー不在の個人任せの組織になってしまうからだ。
 
正しい決断とは正しく状況を判断することから初めて可能となるが、どのようにすれば状況を正しく判断できるのだろう。
 
状況を理解するために当事者の話をしっかりと聞くことや、事実ベースのデータを分析する余裕があれば、より成功確率の高い判断を下せる可能性は高くなる。

 
 
しかし、現実的には即断・即決を求められることが多い。その場合は自分の判断力に従うわけだが、それを磨くためには“本から学ぶこと”ではなくて、“自分の体験から学ぶ”必要がある。
自分で考え、行動しそれで成功した場合を“判断基準”として採用するわけだ。
 
私はその時の考え方や行動の仕方を“成功のための原理原則”と呼んでいる。
それは決して、細かい具体的なことではなく軸足となるものなのだ。
 
例えばそれは、「顧客の利益を自社の利益より優先する」、であったり「困難に直面したときは、逃げないでチャレンジしたほうがダメッジは小さい」、「提供者の視点ではなく、受益者の視点で考える」、「売上や利益などの数字は行動の結果なので、数字達成の方法を正しく知らせない限り本当の成果はあげられない」などである。
 
そういったものは、自分なりに考え、行動した結果として学習したものなので、その判断基準に対する絶大なる信頼があり、判断が求められるとき正に体というか頭が反応することになるのだ。

 
文責:斎藤顕一

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営業の3つのスキル

営業の新しい3つのスキルを開発する 市場全体が大きく成長しているときには、単に商品・サービスの良さを売り込んでいるだけで結構売上につながった。
現在のように成長力が乏しい市場環境において、顧客の価値観の多様化が進むと同時に“賢い”顧客が増大してくると、おのずと営業にもより“賢明”な対応が求められるようになってきた。
このことに気がつき、早期に営業のスキル開発を行った企業が、強い販売力を持つことにつながるのだ。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
日本経済が成長している時代に、商品力や製品力で成長を果たしてきた会社は、当然その強みである商品・製品開発力で新たな成長を築こうとしてきた。
 
ただこのような、バリューチェーンの川上に位置する商品・製品開発力が強い会社の場合、その川下に位置する営業力はともすれば、弱くなる傾向があった。
 
強い商品・製品を提供できる会社の営業にとっては、優れた商品・製品を持っていたため顧客からの問い合わせに対応するという“待ちの営業”を行うことが当たり前のことになっていたためだ。
 
待っていても顧客が問い合わせてくる場合、対応力が重要で、顧客開拓力はそれほど重要ではなかったからだ。
 
成長している時代には確かに“アイデアベースの商品開発”や“シーズ中心の製品開発体制”でも成長する。
しかし、営業が顧客開拓というより、引き合いのあった顧客をいかに取り込むかだけに関心を持つようになると、大きな問題を生むことになる。

 
営業が担当している個別顧客の求めていることは理解できていも、“顧客の共通するニーズ”を理解することがまったく出来なくなり、“顧客のニーズをベースにした商品・製品開発が出来なくなる”ことだ。
 
元来、商品優位、技術優位であったため、強い営業体制を築くことが出来ず、それが結果的に“開発体制を弱体化”させるわけだ。
 
そのような状況を変え顧客中心のバリューチェーンを構築するためには、求められる営業の像を明確にしたうえで、出来るだけ早い時期にその役割を担えるように育成することが大事になる。
 
どのような役割を果たすべきなのか。
営業には大きく分けて3つの役割があり、そのスキル開発を行うべきだ。

 
一つ目は、もちろん既存の商品・サービスを売ること。
 
二つ目は、次にどのような商品やサービスを提供すればいいのかの情報を顧客から獲得し、共通したニーズを理解した上でそれを開発に伝えるという重要な役割だ。
 
三つ目は、顧客に正しい質問をし、その答えについて新たな質問をすることで、顧客も自分も気がつかなかった“新しい需要”についての考えを生み出すことだ。
 
相手のニーズを理解することは製品の改善・改良を行う上で重要ではあるが、お互いに気がついていない“隠れた需要”を探し出すことは成長のサイクルを考える上で極めて重要となる。
 
これらを達成するためには、営業にも問題を発見する能力や正しく質問する力、人間力を磨くことが重要になることは言うまでもない。
 
文責:斎藤顕一

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コミュニケーションの質と頻度

人との信頼関係を構築するためにはコミュニケーションをよくする必要がある。

コミュニケーションのレベルを上げるためには質と頻度の両方を高めなければならない。

質の良いコミュニケーションをたまに取っても、

“意味のない単なる連絡を頻繁にとった”からと言っても、それで信頼関係が生まれるわけではない。

質の良いコミュニケーションを、頻繁にとることが大事になるのだ

営業の人の問題もここにある。商品を購入してもらうために“ある時だけ”、

熱心に高度なセールストークをしたりしても、購入してもらったら知らん顔する。

購入の可能性の高い見込み顧客に、顧客のことを考えないで、“頻繁に電話をしたりDMを打つ”。

企業においても、トップや上級管理職が年に数回程度、自分の考えていることを従業員に伝えるぐらいで全社のベクトルが合うわけはない。

なぜなら、いくらそのときの考えが素晴らしいものだとしても、

態度が熱心だとしても、その一過的な“乾いた言葉”は相手の心には通じなることはないからだ。

質の良いコミュニケーションとは、“伝える相手のことを考えた上で、自分の考えを伝えれるか”どうかにある。

自分中心の考えを一方的に伝える行為は、相手の反感を生む可能性があり質が悪い。

逆に相手のことを考えた上でのメッセージは相手に受け入れられるやすいし、

更に論理的に流れるように伝えることが出来れば、もっと質は高まる。

スピードも重要な質の要素となる。

すぐに返答しなかったメールや礼状は不快感を与えるために、注意が必要になる。

この質と頻度は、すべての人に対して同じような基準で捕らえるのではなく、

相手との信頼関係の度合いや関係構築の重要性によって、変わることはいうまでもない。

(斎藤顕一)

【解説】
ビジネスにおいて、信頼関係を構築できる人は、斎藤が言うように、

相手を十分に「観察」して理解し、

自分の考えを相手が理解できるように伝え、

行動をしている人でしょう。

それらを実戦している人の共通点は、

相手の期待値の一歩「先」をみていると言えます。

相手の期待値の一歩「先」をみるためには具体的には、

例えば相手にとって価値のある情報を伝え続ける、

問題が発生すればその意味合いとどのように対応すればいいかその解決策を伝えることを怠らない、

相手がもし何かに直面していれば助けの手をさし伸ばし、

決して見ていないふりをしない、

というようなこととなります。

ここで重要なのは、それを「徹底してやり続けること」、

「相手に軸足を置き続けること」ができるかどうかになります。

いくら素晴らしいことを言ってもその場限りで、

普段の行動に伴っていなければそれは何の価値も生まない、

だからこそ質と頻度が重要になるのですね。

文責:柴田祥子

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