2020年6月

6月 2020Archives

第2回:リーダシップとは?


  
  
  
多くの企業は、市場の成長性とは関係なく、収益性さえ伸びていればリーダーの取り組みを高く評価し、メディアもその企業の取り組みを成功事例としてとりあげます。しかしながら、一旦収益性が低下し、業績が悪くなれば、社員だけではなく株主をはじめメディアもリーダーをたたき始め批判家になることがあります。 
  
これは、新型コロナの影響下の今、新型コロナ対策がうまくいかない国でも同じことが起こっています。国が経済的に恵まれていて、自分に影響がないときにはリーダーを評価し(あるいは無視―笑)、一旦自分たちに害が及ぶと、国のリーダー、自治体のリーダー、組織のリーダー、あげくのはてには配偶者をも批判をし始めます。
  
そんなとき、問題解決者(問題解決の考え方を学ぶひとたち)はどのように行動すべきか。やはり、批判家ではなく、変革者、つまり、どんな時代であれ、より良い状況を目指して考え、行動するリーダーになってほしいのです。批判ではなく、状況を良くするために、うまく行かないことの根本原因を見極め行動する、それこそが本当の問題解決者であり、行動するリーダーであると思います。
  
では、今、企業で求められる“本当のリーダー”はどのような人なのでしょうか? 役員の人でしょうか?声の大きい人でしょうか。部下にもっと頑張れと、尻をたたいて指示してきた人でしょうか。あるいは高学歴の人で経験のある人なのでしょうか。きっとそのような切り口ではないと思います。
  
経験則が使えない今の時代は、自らの頭を使って企業が業績を上げることができない“根本原因(重要課題)”を発見することが出来る人なのです。そして、重要課題を発見することが出来るので、具体的解決提案を行い、多くの人たちを巻込んで、成果実現に向けて邁進できる人財でしかないのです。この人たちは、経験とは関係のない若い人たちかもしれないし、女性であるかもしれないのです。実際に私の知る多くの企業でそのような人たちが成果をあげているのです。
  
  
企業に必要なリーダーとは、
① 新たな成長を達成するための施策(戦略)を考え出す
② 戦略を実行するために、人を巻き込む
③ 挑戦意欲をもって仲間と一緒に取り組み続ける
ことが出来るのが、真のリーダーだと思います。 
  
  
企業が成長するためには、対象とする顧客市場を決定したうえで、その顧客獲得のためにバリューチェーン*(競争力の源泉)を強化することが不可欠。もちろん対象とする顧客市場は規模があることと成長していることが条件になります。いくら自社の競争力を強化してシェアを伸ばしたとしても対象とする市場が成長していないと、売上は伸びないからです。
  
だからどの市場セグメントで戦うのかを決めることは大事なのです。成長を達成するためには、海外を含め戦うべき市場セグメントを見極めることや、その市場の顧客を徹底的に理解すること、そして自社がそれらの顧客を獲得するための方法を考え出し、全社員が一丸となって取り組むことが必要になります。
  
管理職は会社が選びます。真のリーダーは、会社が選ぶのでしょうか?違うのです。真のリーダーは周りにいる人たちが選ぶのです。
  
つまり肩書と部下の関係ではなく、真のリーダーには“一緒についていきたい”と考えるフォロワーが沢山いることになるのです。そのリーダーと捉えられている人たちには人間力があると同時に問題解決のアプローチを十分に理解し、実行力があり、困難にもめげないで成果を実現する人たちなのです。
  
そのような素養を持った人たちは沢山いるのですが、自分にそのような潜在的な能力があることに気が付かないし、ましてどのようにすればそんな人に成れるのかもわからないのです。真のリーダーとは天賦の才能ではなく、磨き方を学び実行することで得られるものであるところも面白いと思います
  
  
  

今日のTips

リーダーシップに必要なこと
① 新たな成長を達成するための施策(戦略)を考え出す
② 戦略を実行するために、人を巻き込む
③ 挑戦意欲をもって仲間と一緒に取り組み続ける

バリューチェーンの分析
会社によって若干項目が変わりますが、ビジネスの流れ(バリューチェーン)を書いて、現状と問題とその理由を書き出してみてください。
戦略的な問題が浮き彫りになります。 具体的には、また別の機会に詳しくお話ししますね。

第1回:本質的な問題とは何か?


  
  

~多くの人が誤解している“売上が上がらない”のは問題ではなく現象~

世の中の人の多くが“答え”をすぐに求めたがる。どうしたら営業成績1位になれるのか、どうしたら事業に成功するかなど、昨今は、答えだけ教えてください、という風潮があるような気がしてなりません。でも実は、その答え=解決策を立案するよりも、正しく問題を理解するということが難しく価値があります。
  
では、問題とは何でしょう。多くの経営者を含むビジネスマンがとらえている問題は、“問題”ではなく“現象”をとらえていることがあります。“御社の問題は何ですか?”と聞くと、“売上が上がらない”、“利益がでない”、 “新商品開発ができない”、“新規顧客開拓ができない”などという答えが返ってきて、「現象」の羅列は際限なくできますが、それらは、本質的問題とはいえません。
  
そして、多くの場合、それらを間違えて問題と捉えて、対処療法をとる。
“売上が上がらない”では、“広告費を増やそう” とか “利益がでない” では、“原材料費を安いものに替えよう”。などなど誤った取り組みをしている会社は数えきれないほどあります。実は、これらの解決法は、実は過去の経験則から来ていることが多いのです。
  
表面上の“現象”ではなく、 “そもそも何が問題なのか”を考えることを本質的問題の発見といいます。氷山の一角に例えると、現象は上の目にみえる部分、本質的問題はその下の見えない部分と考えてください。そして、自分たちの問題は大したことないと表面上思っていても、実は、大きな問題が表面下に隠れている企業が実は多くあります。
  

  
では、どうやって、本質的問題を発見するかなんですが、具体的には、5つのフェーズに分けて根本原因を理解し解決法を導き出すことができます。
  
  
まずは、
重要課題発見プロセス
① 問題の深刻度を理解するため、会社の業績を数値でおさえる  
② 対象となる市場の成長機会を理解する(市場と顧客)
③ 事業活動(VC)を流れで整理し、うまくいかない原因を理解する
④ 事業の運営体制や人の巻き込みにおける課題を理解する
解決策の立案
⑤ 疎外要因を①‐④で理解し、その裏返しの解決法を実践する 


  
  
問題解決の5つのフェーズ
  
どうでしょう、問題解決とは何か、イメージがわいてきましたか?
では、もう少し問題解決において、大事な考え方があるので、触れさせてもらいます。
  
1.問題解決とはまず重要課題を発見すること。
重要なことは最初から解決法を考えるのではなく、業績があがらない根本原因を徹底的に見極めることやね
  
2.問題解決は学問ではなく実学である。
学校では学べない新しい考え方であるため、問題解決のできる人財は年齢、経験、学歴とも関係ない
  
3.問題解決とは脳力の使い方を学ぶこと。
知識や成功体験で解決法を考えるのではなく、知る必要のある事実データの収集と分析と対象となるお客さまや現場の人へのインタビューによって得られた情報から、論理的に考えることが重要
  
4.問題解決を学ぶ問題解決者(Problem Solver)が目指すことは“能書きを言うこと”ではなく成果を実現すること。
問題解決のアプローチを理解し試行錯誤して身につける努力をするだけではなく、人を巻き込むための人間力が不可欠で信頼されるための自己鍛錬が大事
  
  
しっかり学び、身につけることが出来ると、それは圧倒的な差別化できる能力であり、今の企業や組織で求められている能力であるため、皆さんにしっかりと学んでほしいと思います。
  
そうそう、説明が遅れましたが、これはシリーズ化していこうかなと思っています、それでは、また。次回。
  
  

Tips ~やってみよう!考え方のヒント~

実際にやってみてください。まずは、頭を使うことからスタート!

1.問題と現象の違いを理解する
普段から、自分の会社や部門の直面している現象や問題について考えてみてください。

2.問題解決のフローを意識する
実際に、フローの流れ通り考えてみてみると今まで気が付かなかった問題に気づくことができます。それぞれのフェーズについてはまた別途とお話しします。

文責:齋藤顕一

本メッセージの著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーおよび齋藤顕一にあります。
無断転載はご遠慮下さい。

どうやって企業の業績を上げるのか?

バブル崩壊によって失った資産は1300兆円を超えるともいわれるほど日本の産業界に与えた影響は大きく、その結果日本は成長することが出来なくなってしまった。国際競争力も低下し、GDP規模も中国の後塵を拝し、企業の年間成長率も大幅に低下した。労働生産性は主要7か国の中でも最下位で、営業の生産性は営業職の人数が減っているにも関わらずほとんど20年前を超えることができていない。アベノミクスのプラスの影響があったものの、成長できない企業、成長できない日本になってしまった。
 
 
にもかかわらず経営コンサルティング会社は成長しているようだ。日本企業は成長しないのに、なぜコンサルティング会社は成長しているのでしょうか?それは成長できないクライアント企業の業務改善やオペレーションの見直しを行うことで、収益性の改善を行っているからなのです。企業は成長しないと収益性が悪化するので、ともかく収益性をあげることが重要な取組になるのでしょう。
 
 
健全な企業は、売上を増大させることで収益性を向上させるのですが、どのように売上を伸ばせばいいのでしょう。おそらく、多くの企業は売上を伸ばすための具体的な方法を何通りも考え、その施策の中で最も効果的な方法を実践されるのだと思います。しかし、なかなか思ったような成果を実現させることが出来ないのだと思います。なぜか?その時に考え出された数々の施策は、過去の成功体験や他の企業の成功事例から導き出されたものだからなのです。世の中が大きく変化しているのですから、過去の成功事例はほとんど役に立たないでしょうし、他企業の成功事例は他企業だから成功したのであって、全く異なった経営を行っている企業には役に立たないのです。
 
 
それではどうすれば良いのでしょう。フォアサイトは企業が売上を伸ばすことが出来ない根本原因に着目することから始めます。最も重要なのは、競争力の源泉ともいわれる”バリューチェーン”を見直し、どの要素が弱体化しているのかを見極めるのです。そして、売上を上げる施策が成果を実現するために必要なインフラや人の問題にも踏み込んで考えるのです。
 
 

文責:斎藤顕一

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
無断転載はご遠慮下さい。

Distinguished Alumni of the Year賞 受賞メッセージ

Distinguished Alumni of the Year(DAY)賞は、国際基督教大学(ICU)に在籍したことのある卒業生・留学生・教職員の中から、大学および同窓会の知名度・魅力度を高めることに貢献した方に対し、その功績を称えるために贈呈される。齋藤は2002年から2006年までICU同窓会第15代同窓会長として同窓会を率い、斬新なアイデアと若手現役世代や在校生を巻き込む求心力で、現在の「働く同窓会」の礎を作ったことを評され、2020年にDAY賞を受賞した。以下受賞メッセージは、ICU同窓会HPおよびAlumni News(Vol.133, 2020年9月発行)に掲載されたものである。
  
DAY賞について
  

  
  
齋藤 顯一 74 年語学科卒 (17期)
  
この度は DAY 賞にお選びいただき、誠にありがとうございます。まさか、自分が同窓会長の時に設立した賞に選ばれるとは思わず、”自作自演”になってしまうのではないかと受賞をためらったのが本音なのですが、2006 年から現在まで 15 年間もこの活動を続けてきてくださった同窓生や事務局の皆様に感謝申し上げるとともに、ICU の知名度・魅力度を高めることに貢献なさった皆様に肩を並べることができたことをとても光栄に思います。
  
  
私は現在、問題解決者の育成を通じて企業の業績を高めることに取り組んでいます。問題解決とは学問ではなく、記憶した知識で与えられた問題を解くわけでもありません。本当の問題解決とは、考え方であり、頭の使い方であると私は思います。事実データを集めて分析し、本質的な問題を発見し、その意味合いを正しく論理的に理解する。そして成果を実現させるために、人を巻き込みながら行動に移す。問題解決は、組織、団体、企業、ひいては社会をより良くするための考え方です。大きな問題だけでなく、常日頃からこの問題解決的な思考で生活することで、より良い人生が送れる、すなわち問題解決を学ぶということは、生き方を学ぶということでもあります。
  
  
私が 2002 年に同窓会長を引き受けたときも、同窓会を「同窓生、在校生、大学にとって魅力的な集まりにしてみたい」という願いをもって、問題解決的な考え方をもとに様々な取り組みを考え、副会長をはじめとする理事・評議員の方々、そして事務局、同窓生、学生の皆様のご協力のもと、評議員や在校生を含めた部会活動の活発化、アラムナイニュースの刷新、学生評議員制度やドリームコンペティションの導入、募金パーティー、DAY などを実施しました。このような取り組みは、時代が変わるにつれ、そのとき必要とされている最適な形へと変化させていく必要があります。これからも、ICU 同窓会が ICU、そして同窓生のためになる活動を実現できる場であり続けることを心より願っております。
  
  
“問題解決”とは、言葉にすると簡単に聞こえますが、今の日本の状況をみると、問題解決的な思考で物ごとを考えられる人は非常に少ないと感じます。1990 年のバブルの崩壊は 1,300 兆円にも上る資産を失うことにつながり、日本の国際競争力は低下したまま回復できていないのが現状です。正しく考える力をもつ人材は、これから先どんどん必要になってきます。問題解決をできる人材が増えることで、より良い組織、より良い社会、そしてより良い日本ができると信じ、これからも問題解決者の育成に邁進していきたいと思います。
  
  
以下、英文受賞メッセージ(翻訳 ICU同窓会広報部 鈴木律)
I am truly thankful for being selected as one of the Distinguished Alumni of the Year. As the DAY was inaugurated when I served as Alumni Association president, I was hesitant at first about accepting this prize – would I not become a director-actor in a charade! But on second thoughts, it would be an honor to line up shoulder to shoulder with those who have raised ICU’s visibility and appeal, and to thank the alumni and secretariat that have continued these activities for the past 15 years since 2006.
  
Currently, I am educating and training problem solvers in order to improve corporate performance. Problem Solving is not an academic discipline, nor does it not rely on rote memory to solve issues. I believe that true problem-solving is a way of thinking and utilizing one’s mind. One has to gather the facts and data, uncover the essence, correctly and logically understand the meaning, get people involved, take action and obtain results. Problem-solving makes for better institutions, organizations, corporations and ultimately society. Not only major issues, but by tackling one’s daily chores with a problem-solving approach, life itself would be better. That is to say, learning about problem solving means learning to live.
  
On assuming the post of president, I utilized the problem solving thought process to create various programs to make the Alumni Association a more vibrant place to gather for the alumni, students and the university as a whole. With the help of the vice presidents, trustees, councillors, secretariat, alumni, students, the committee activities were livened up, the Alumni News renovated and redesigned, the student councillor scheme and Dream Competition introduced, fund-raising parties and the DAY prize organized. These programs should change optimally according to the times. It is my strong wish that the Alumni Association continue to be a venue where activities can be carried out for the benefit of ICU and alumni.
  
The term “problem solving” may sound easy enough, but if I look at the current situation in Japan, there is a dearth of people who can think through based on this problem solving approach. When Japan’s bubble burst back in 1990, 1300 trillion yen worth of assets went up in smoke and this country’s competitiveness has never recovered. The need for people who have the ability to think properly will become even greater. With more people endowed with problem solving skills, a better organization, a better society and a better country would be built. I will press forward in the education and training of problem solvers.
  
  

文責:齋藤顕一

本メッセージの著作権はICU同窓会および齋藤顕一にあります。
無断転載はご遠慮下さい。

人の繫がりがもたらすものとは?

さて、今回は、長年つきあいのある名古屋市立大学大学院教授河合先生の研究の一部を中部経済新聞が取り上げてくれたので、紹介したいと思います。 実は、名前は出ていないのですが、記事の冒頭にある「著名なコンサルタント」とはぼくのことです(大笑)。実際は無名のただのおじさんなんですけどね。

要は、人との繫がり(ネットワーク)の2つの側面が僕の駆動力が喚起しているとのこと。

2つの側面とは、次のことです。
1.人との出会いの機会を作ると人が「今まさにどんな問題にもがき苦しんでいるのか」を知ることが出来て新しい経営課題についての知識が得られる
2.悩みを持つ人を「なんとかしてあげたい」という気持ちに駆られる。社会的使命ともいうべき気持ちの高まりです。実際に教育を行い人々が成長したのを見ると自身も、一歩先に進む気持ちになる

論文も見せてもらったのですが、自分でも気が付かなったことを、いろいろ指摘してくれて新しい発見がいろいろありました。

「人の繫がりが“駆動力”を喚起する」
中部経済新聞 2020.5.25

記事の中でも触れられているように、今回新型コロナにおいて、我々は情報技術のおかげで、新しい手段でのつながりにより恩恵を受けているし、社会的エネルギーを高める必要があると強く思っています。

リモートワークは、インターネット上で仕事が完結する業界(EC、それに伴う広告、エンタメなど)や役割(そもそも、在宅で仕事をしていた人たち)を担っている人にとっては最適ですし、多くの人にとっては、通勤がないので、個人の作業は効率も良いなどメリットはあり、もっと活用すべきと思います。

ただ、リモートワークの課題もあるとは思うので工夫が必要になります。

‐新しい価値創造がしづらくなる。 人との対話を通して知恵を獲得できるし、新しいヒントももらえるが、どうしても考える世界が狭くなりすぎるため、創造活動は難しい
‐危機への感度が下がる。個人の関心事のみに注意を払うことが多くなるため、経営者視点や顧客視点で仕事をみることが疎かになり、会社や部門価値の低下に気が付かない。同僚のメンタル、体調面での変化にも気が付きにくい
‐育成が難しい。オンラインで本人のやる気と、質問する力が十分にあれば良いのですが、どうしても単に聴くという姿勢になるため、解らないところを放置したり、質問しづらいので、自分の“考え方”のどこに問題があるかを知ることは難しい。もちろん、オンラインで個人の集中力を維持するのはもっと難しい。

まさに、“人との繫がりが駆動力”という超濃厚接触人間としては(笑)、皆さんとまた会えることを楽しみにしています。それまでは、自粛や最大限の慎重さを持って活動しつつ、こまめにオンラインでの良いコミュニケーションのとり方を模索していきます。

それでは、また!今日も良い1日を!

文責:齋藤顕一

本メッセージの著作権は齋藤顕一にあります。
無断転載はご遠慮下さい。
2020/06/04 09:44 note掲載