2006 |

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顧客理解のためのアプローチ(情報収集)

情報収集は問題解決においてもっとも重要な作業であるにも関わらず軽視されがち。
情報収集は闇雲におこなうのではなく、計画性をもって行う必要がある。
良い情報を集めることができたら、良い分析につながり、良い結論につながることを十分に意識すべき。
特に顧客に関する情報は企業の業績を左右するぐらい重要であることを理解する必要がある。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
もし、企業が、顧客が何を求めているかを理解し、それらを顧客に提供し続けることができれば、その会社はNO1になり続けることができるはず。
 
しかし現実的には、顧客に関する情報の多くは、自社製品の売上に関するものであることが多いのです。
 
これは“顧客を意識し、顧客のことを徹底的に理解する”という発想からでてきたわけではなく、“自社の売上管理データを単に顧客別にくくってみなおしただけ”の話なんです。
 
だから、集められた情報は断片的であって、その顧客がなにを求めているのかがわかるわけがないのです。
 
成熟産業においては、自分達が生産した製品や仕入れてきた商品は簡単に売れないわけですから、まず顧客が求めているものを理解しそれらを開発することで、売り上げ増を図ることが正しい取組みになるわけです。

 
顧客を理解するための情報とは何か?
 
法人顧客の場合は、その顧客が目指している目標を達成する上での課題を理解することなんでしょうね。
 
そうすれば、その課題を解決するために、自社の製品やサービスがどのようにあればいいのかがわかるし、それを提供することで貢献できる可能性が高くなるわけです。
 
顧客情報を集めるためには、まず全体像がわかるように、売上や収益性などの業績推移に関する情報がまず重要でしょう。
数字は企業活動の結果であるわけだから、なぜそのような業績になっているのかを次に調べる必要があるのです。
 
おもに、売上に関係するバリューチェーンの評価と、その取組みを実現させるためのインフラの両面を理解することが大事になります。
会社のHPから理解できることもあるし、新聞や雑誌をネットで検索して、それらをフレームワークで整理すると、結構理解できるのです。

 
全体から部分に下りて情報を調べること、長期の数字を収集することなど既存のデータを収集・分析することは当然なんですけど、やはり対象とする顧客企業に直接インタビューすることは欠かせないでしょう。
 
また得られた情報はフレームワーク(整理するための論理軸)で分類して、その企業で起こっていることの当り付けをすることが大事になるのです。

 
文責:斎藤顕一

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
無断転載はご遠慮下さい。

インタビューのスキルは論理性にあり

誰でも人に質問すれば、その人の応えは聞ける。
でも意味のある話は、誰でも聞けるわけではない。
人の問いかけに、誰でも答えることはできる。
でも相手に感動を与えることは、誰でもできるわけではない。
インタビューをする場合に、周到な準備と技と熱意があれば、大きな成果を導き出すことができる

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
企業の業績をあげるために、販売力を強化することはどの企業も取り組む基本的な施策だ。
 
販売力を強化するということになると、多くの場合は営業1人1人の能力を高めることが当然のことながらマネジメントの大きな関心事になる。
 
ところが、多くの企業での悩みは、営業の人の能力のバラツキであり、全体の能力を高めたいのだけど、なかなか出来ない。
結局それを是正するため、マニュアルを作成したり、ロールプレーを含めた営業教育をせいぜい行うわけだ。
 
しかしながら、そのことだけをいくら一生懸命やったとしても、大きな成果は期待できない。
厳しい競争環境のもとでは、受注につなげるのはテクニックの領域ではなく、当たり前だが、結局顧客との信頼関係をいかに築くかにかかっている。
 
それは単に“お互いに知り合って何年になります”という時間の関数ではなく、“どれだけ正確にお客様が考えていることを理解し、お客様が考えていることを提案できるか”の質の関数となる。

 
「お客様を理解する」とは、誰でも言えることではあるけど、実際に実現させるのは難しい。
 
顧客を理解するには、インタビューという“単に自分達が知りたいことを、ただ聞く”ということではなく、相手に質問をし、その応えから新たな質問を生み出すことで、更なる価値のある考えや取組みにつなげていく高度なコミュニケーションの方法を知ることがどうしても必要になるのだ。

 
“問題解決におけるインタビュー”は、まさに問題を発見し、問題を解決するために必要なことであり、これは誰でもできることではない。
 
まず、テクニックの部分としては、インタビューの目的を明確にすることがまず大事になるし、そのインタビューを誰にするのかを決定する必要がある。
目的を満たす上で、最適の人を選ばなければ当然、レベルの高い答えを得ることは困難になる。
 
次に、目的を満たすための準備作業にエネルギーをかけることが大事。
アポイントメントを取る方法も神経を使う必要はあるが、質問の設計をどうするかがインタビューの成果が大きいかどうかを決定するぐらい重要であることは言うまでもない。
 
インタビューの実施の方法にもコツがあるし、インタビューを終えた後のフォローの仕方もその後信頼関係の構築に影響を及ぼすほど重要である。
 
 そして、これらのテクニックの部分以外に重要なことは、実際にインタビューをする場面で相手の話を聞きながら、頭の中で論理的に整理しながら、目的を満たす“真の答え”を導き出すことだ。
 
結局、インタビューとは、テクニックだけの世界ではなく、“問題解決を行う論理の世界”であることを認識する必要があるということなのだ。

 
文責:斎藤顕一

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考え方を学ぶとは何か

知識は絶えず増やしたり、アップデートする必要はあるけど、考え方を学ぶとそれは一生使える

「問題解決における考え方を学ぶ」ことについて説明していきましょう。
“考え方を学ぶ”とは、「考え方の軸足を決める」ということと、「論理的な考え方に慣れる」ということです。
「考え方の軸足を決める」とは、どういうことかと言うと“行動する上で基本となる大事な考えを持っていましょう”、ということだと思います。
 
下記は、イメージしやすく重要な顧客に関する例示になります。
顧客についての考え方の軸足:
 
1.自社の利益よりも顧客の利益を優先する
2.すべての顧客を満足させることはできないので、対象顧客セグメントを決めて満足させることを行う
3.お客様の中には5~10%程度のわがまま顧客(良くない顧客)がいるので、その人たちは無視する
4.顧客の言葉だけではなく、事実となるデータを確認しとるべき行動を確信する

 
これらの考えの軸足を決めたうえで、顧客の行動を理解し自社の行動を論理的に導き出します。
そうすると、勝手な論理だけで、間違った道を歩むことを自然と避けることができるのです。
 
考えの軸足と言われるものは、「問題解決の知恵/経験がある人」から考えを学び習熟度を早めることもできます。
ただし、結局自分のものにするためには考え経験して学習してきたことから成り立っていくものだと言えます。
では、「論理的な考え方に慣れる」ということは、自分の思い込みを避けるために、出来るだけ客観的になろうということです。
 
客観的な情報(複数の人の話)やデータによって証明された事実を集めれば集めるほど、いろんな新しいことがわかります。
 
でもその沢山のデータから、“だからなんなのか?”という問いに答えなければ、結局は情報の羅列でしかなくなるのです。
なぜ、問題点がわかりづらいかと言うと、様々なデータや情報が混在しているからなのです。
 
とすると、理解するためには“混在を避けて同種類の情報だけにして、それをまとめれば理解しやすくなるはず”なのです。
具体的には、多くの情報も共通項(例えば“製品に関する情報”)でグルーピングし、それらの情報を要約する必要があります。
要約したものをまた“要約の共通項”でグルーピングして、さらに「要は何か」と帰納的にまとめあげるのです。
 
例えば、“製品”、“価格”、“流通”、“販促”についての要約を集めて、マーケティングというくくりでまとめてみるということなのです。
また、逆に命題が決まっていたら、それを3つぐらいの考えに演繹的に分解してみることも大事な考え方なのです。
例えば、“家族を幸せにしたい”、という問いかけがあったら、きっと“愛情”、“経済力”、“みんなで一緒にいれる時間をできるだけ作る”とか考えれるのではないですか?
 
このように一つの考えを、同じレベルだけど全く異なる大事な3つの要素に分解することができると考えの世界が広がるでしょう。
これらの考え方は非常に普遍的で一生役にたちます。
 
一朝一夕でできるものではありませんが、頭の良し悪しの問題ではないのです。
やり方を理解して徹底的に実践すれば必ず身につくといえるでしょう。
世の中の変化は目まぐるしく、日々新しい情報が世の中を行きかっています。
そのような中で、一過的に今の「最新」の知識を学び追いついていくことは必要ではあるものの、「考え方」を知っている人こそ本当の意味で問題解決者として世の中に貢献できるのではないでしょうか。
 

文責:柴田祥子

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
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コミュニケーションの質と頻度

人との信頼関係を構築するためにはコミュニケーションをよくする必要がある。

コミュニケーションのレベルを上げるためには質と頻度の両方を高めなければならない。

質の良いコミュニケーションをたまに取っても、

“意味のない単なる連絡を頻繁にとった”からと言っても、それで信頼関係が生まれるわけではない。

質の良いコミュニケーションを、頻繁にとることが大事になるのだ

営業の人の問題もここにある。商品を購入してもらうために“ある時だけ”、

熱心に高度なセールストークをしたりしても、購入してもらったら知らん顔する。

購入の可能性の高い見込み顧客に、顧客のことを考えないで、“頻繁に電話をしたりDMを打つ”。

企業においても、トップや上級管理職が年に数回程度、自分の考えていることを従業員に伝えるぐらいで全社のベクトルが合うわけはない。

なぜなら、いくらそのときの考えが素晴らしいものだとしても、

態度が熱心だとしても、その一過的な“乾いた言葉”は相手の心には通じなることはないからだ。

質の良いコミュニケーションとは、“伝える相手のことを考えた上で、自分の考えを伝えれるか”どうかにある。

自分中心の考えを一方的に伝える行為は、相手の反感を生む可能性があり質が悪い。

逆に相手のことを考えた上でのメッセージは相手に受け入れられるやすいし、

更に論理的に流れるように伝えることが出来れば、もっと質は高まる。

スピードも重要な質の要素となる。

すぐに返答しなかったメールや礼状は不快感を与えるために、注意が必要になる。

この質と頻度は、すべての人に対して同じような基準で捕らえるのではなく、

相手との信頼関係の度合いや関係構築の重要性によって、変わることはいうまでもない。

(斎藤顕一)

【解説】
ビジネスにおいて、信頼関係を構築できる人は、斎藤が言うように、

相手を十分に「観察」して理解し、

自分の考えを相手が理解できるように伝え、

行動をしている人でしょう。

それらを実戦している人の共通点は、

相手の期待値の一歩「先」をみていると言えます。

相手の期待値の一歩「先」をみるためには具体的には、

例えば相手にとって価値のある情報を伝え続ける、

問題が発生すればその意味合いとどのように対応すればいいかその解決策を伝えることを怠らない、

相手がもし何かに直面していれば助けの手をさし伸ばし、

決して見ていないふりをしない、

というようなこととなります。

ここで重要なのは、それを「徹底してやり続けること」、

「相手に軸足を置き続けること」ができるかどうかになります。

いくら素晴らしいことを言ってもその場限りで、

普段の行動に伴っていなければそれは何の価値も生まない、

だからこそ質と頻度が重要になるのですね。

文責:柴田祥子

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
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フレームワークの考え方

フレームワークは論理的に考えたり、考えを論理的に伝えたりするためのツールで、重複がなく、ずれもなく、漏れを避けるための考え方とも言える。
収集した情報を分類し、それを要約するのに有効だし、考えを論理的に展開するのにも使える。
使い慣れる事が重要。

(斎藤顕一)

 
【解説】
 
フレームワークという言葉を皆さんは知っていますか? ビジネス書を読んでいるとたまに出てきたりしますが、今回はフレームワークについて説明していきます。
 
フレームワークとは、情報を種類別に分類するための箱で、例えば、野球、バレーボール、サッカー、テニス、陸上、水泳、というような情報がある場合、これを一つにまとめると「スポーツ」もう下位の分類を考えると、「球技とそれ以外」、「屋外スポーツ、室内スポーツ」など色々な分類ができます。このように普段何気なく使っているのがフレームワークになります。
 
この考え方はビジネスにおいても非常に重要となり、斎藤が触れているように、単なる情報の要約だけではなく、論理的に考えを展開するのにも非常に有効となります。
 
コンサルティングをする場合、社員・顧客・はたまた仕入先・最終顧客へインタビューをするのですが、そこで集まった情報は、実は種類がばらばらで、話のレベルが異なったり、あまり重要な問題ではなかったり、ずれていたりと多種多様な“理解しにくい情報”があるものなのです。
それらの情報からそのまま意味を理解して、さらには、要は何かをまとめることは神業的で不可能と言えます。

 
しかし、このような場合でも、フレームワークを使って“共通の項目”で分類し、それらの要約を繰り返すことで、なにを言わんとしているかが理解できるのです。
 
つまり、人が理解できないのは、言葉が難解である場合はもちろんそうなのですが、多くの場合は“情報がランダムに並んでいる”ためなのです。
ですから、わかりやすいように“同じ仲間の情報を分類して整理する”ことで、理解度が圧倒的に増加するわけなのです。

 
フレームワークを使い慣れると次は論理的な考えを展開することができるようになります。
これはかなりパワフルな考え方なのです。
 
例えば「わが社の報酬体系はおかしい」と問題提起をする社員がするとします。となると、どうでしょうか・・・。
“そりゃ、そういうこともあるわな~”となりますか?
あるいは、報酬制度だけが問題点と考えるのはおかしいと考えますか?
 
それは報酬を決める前段階の“評価”だったり、そもそもの“採用”、“キャリアプラン”という一連の人事の流れに問題がある場合が多いのです。
 
フレームワークを使うと、その問題の重要性、他との関連性を即座に判断でき、この場合は、フレームワークを使って何が漏れているのかを考え、論理的に考えを展開することができようになるのです。
 
どうですか?
フレームワークとは何か、理解できたでしょうか?
 
勘所は、「1.重複なし、2.もれなし、3、ずれなし、4.レベルが一緒」。
この4つのポイントを意識して、実際にフレームワークを使いこなしてみてください。

 
文責:柴田祥子

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
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管理職とは何か

管理職とは“与えられた役割と責任”を実行する人であって、階級(偉さ)を現しているわけではない。
過去になにをしたかではなくて、“現在”どれだけ組織の使命を達成するために価値を生み出しているか、で、人の尊敬を勝ち取る必要がある。肩書きで尊敬は得られないのだ。
(斎藤顕一)

 
【解説】
 
よく会社で、「部長」「課長」とかの管理職に就いている人を彼らの肩書きで呼ぶ人がいると思いますが、部長や課長など、管理職という肩書きを持つ彼らって一体どんな役割を持っているのか。考えたことがありますか?
 
 
管理職の人に「課長として部長として、どんな仕事をしているのか。簡単に言うとどうなるのか?」と聞くと、「部下を管理している」、「数値をあげれるように指導をしている」としか言えない人も結構います。「それではその指導とはどのようなものなか」と更に質問すると、当たり前の、口先のことしか言えないのが現実です。
 
 
一方、これらのすべてが管理職自身の問題かというとそうではないんです。
会社によっては管理職に管理職規定に定められた役割と数値責任を明示できるところは多いけれども、企業業績を大幅に向上させる上での“管理職の考え方やとるべき道”を示せる会社がそんなに多くはないのです。だから形だけの管理職が増えてしまうのでしょう。

 
 
結局、機能できない管理職の問題は、単に管理職だけの責任ではなく、企業の問題とも言えるのです。
 
そして、ここで注目すべきことはこの管理職および会社の問題は単にその人の問題だけではなく現場でやる気のある人たちに失望を与え、会社の活力さえも奪っているということです。

 
 
管理職とは、本来会社が目指している目標を実現するために、自分の部門の人たちにすすむべき具体的な道を示し、必要なスキルを与え、チームで働くことを教え、困難に全員で取り組む意欲を与えることが求められています。
 
要は、自分の出世や利益を考えることよりも、人を育てることで自分のチームの業績を伸ばせるかどうかを考え、実行できるかどうかということが重要になるのです。
 
これは教育制度とか評価制度だけを直せば済むものではなく、企業文化自体をどうするか、という大きな命題でもあることを理解すべきだということになります。

 
文責:柴田祥子

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
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仮設設定の仕方

仮説は効果と効率を高めたいときに非常に有効である。
正しく仮説を使うことができれば、無駄な時間が省け
その成果物の価値は何十倍にも 高まる
(斎藤顕一)

【解説】

「皆さん仮説ってよく学生のときに、論文を書くときに設定したり、

理系の人は何かを証明するために利用したと思います、
問題解決においても仮説がすごく重要となります、

今回はちょっとその「仮説」について触れていきましょう。

ものが売れないので、

「そうか、それは商品開発が問題なんじゃないかな。なんとかしなくては!」という、

これは仮説ではない。

なぜならそれは、経験だったり、

おそらくなんとなく言われていることを正しいとこと、

責任を押し付けたい部分を問題として取り上げているだけだからだ。
それらは1つの可能性であるとはしても本質的問題解決につながる仮説ではない。

今世の中では、顧客が変わり、競合が進化している、

だからこそ、今までと同じやり方では通用しない、

事実を集め、その情報をグルーピングし、

実際に何がおこっているかを見極めることが必要で、

それが問題解決のための仮説設定といえる。
仮説設定において今まで見慣れた情報から正しい取り組みを考えることは無理。

よくあるのは、社内での数値だけをみて他の部門よりも業績がいい部門だからとか、

市場ではシェアが高いなど

(この場合は多くは自分たちの都合のいい市場を勝手に設定している)と言って

自分たちの優位性を主張する、これは大きな間違い。

仮説設定に必要な情報は、多くの場合、今までみたことのないものとなり、

それを見極めるためには顧客の声に軸足をおき情報源がどこにあるかを聞き、

情報を得るために誰をおさえればいいのかを知っておくこと、

違う視点から調べてみるなど知りたいものを知る努力をしなければ得られない。

情報が集まればそれが何のことを言っているのかを理解し

同じ種類の情報をまとめる。

業界の平均や競合と比較する自分たちと何が違うのかを理解する。

また、ある程度まとまったことを実際に並べて考えていくと

目的を達成するために漏れている情報に気がつき、

漏れている情報を集める、

そして、精度の高い仮説が作られていくということになる。

ここまで聞いていると、

「仮説設定ってなんだかえらいしんどいことだなぁ~」と思われるかもしれませんが、

違うんです。

漏れているものは確かにまた集めるんですけど、

無駄な作業がないんです。

というのも、ロジックツリーで要約したものをまとめていくから効率がいいんです。

情報が集まれば帰納的(集めた事実をまとめる)に要約する、

すべてが完全でなくとも要約していって足りないものがあればまた集めていく。

企業の問題は複雑化している、ものが売れないのは、

商品力の問題だけではなく、

営業や社員の意識の問題だったりもする、

だからこそ情報を集め、何が起こっているのかを見極めることがすごく重要となる。

だから問題解決のための仮説設定というのがすごく重要になるのではないでしょうか。

文責:柴田祥子

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
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自分の頭で考える

ものの考え方を学ぶと世界が広がる

「経営資源にはどんなものがあるか」?何だと思いますか?
多くの人たちは「人・もの・金・情報」と答えるんです。

そうすると、僕はさらに 「な~るほど、他になにがあります?」と質問を続けるんです。

そのときの、人の反応は 「えっ?!まだ他にあるんですか?」と答えに窮するわけなんです。

実は、これは「考えることの重要性」を理解してもらうときに投げかける質問なんです。

経営資源を考える場合、「その事業を経営する上で、自分が本当に必要とするものは何か」を
自分で考える必要があり、
それは、今世の中で当たり前のごとく言われてきた 「人・もの・金・情報」だけでは十分でありません。

聞きなれたことをオウムのように繰り返すのではなく
意識的に考えることが重要で、そうすることでもっと世界が広がり、
現実に即した答えがでてくるんです。

多くの人の問題点として、「正しいと習ったこと」だけにとらわれてしまう。

でもそれは間違っていて、自分の頭で考えることがすごく重要となります。

学んだ「正しい答え」を思い出そうとすると詰まってしまう、
しかし、自分のことに置き換えて考えるとたくさん答えがでてくる。

いつも齎藤が言うことなんですけど、
「ものの考え方を学ぶと世界が広がる」。

今まで一つだと信じてきたものが、
ものの考え方を知るとそれに広がりがでるんです。

主観的だとつい1つの考えにこりかたまってしまいます。

しかし客観的に考えると(ということは論理的に考えることを意味する)、
可能性のある切り口がまず3つぐらいは新たにででくるのです。

そしてそれが枝分かれしてそれぞれが広がっていくということなんです。

ただし、注意点があるとすると、「ものの考え方は1日にしてならず」です。

よく、「考え方を学んだら、すぐ使いこなせるのか」と聞かれることがあります。

その答えは、「すぐはあきません」ということです
(それができているのなら、多くの企業はもっと成功している)。

常に自分で正しく考え続けることが重要で、

「事実を集めて、そこから何が起こっているのかを自分で考えて問題を見極めて、
どのようにすれば解決できるか」

を考えることができる人だけが身につけることのできるのです。

当たり前のようだけど案外できていない。


ところで、あなたは自分の頭で考えていますか?

文責:齋藤顕一

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改革のためのハードランディング

新しい変革の取組みを実行しようとすると、経営陣も現場の人でさえも、「いきなり今までとは違うことはちょっと・・・」、「何事にも順序が・・・」、「他の部門の人が入ってくると難しいことが結構あるんで・・」と、何とか穏便に物事を運ぼうと“ソフトランディング”に持っていこうとする。
変革を行うときにはソフトランディングは無理で、それを志向すると、ゴールに辿り着けなくなるだけではなく“途中墜落”で終わってしまう。
 
“普通の会社”が、厳しい市場で勝ち抜き、成長し続ける強い会社になるためには、“今までやったことのない厳しい取組み”を実践する必要があり、それは“ハードランディング”に成らざるを得ないことを認識すべきだと思う。(斎藤顕一)

 
【解説】
 
確かに、物事を穏便に進めようとするのは間違っている取組みではありません。
むしろ決定した“取るべき正しい取組み”を出来るだけ実現しやすい方法で取り組むのは当然のことなのです。
 
ただし、会社の業績を向上し続ける取組みとなると、今まで成しえなかった難しいことを実現させる必要があり、その“困難な道の入り口”で「どうなるか先が見えないし、しんどそうだし、難しいそうだからな」と、その入り口を避けて別の“やれそうな楽な道”を行くわけにはいかないのです。
 
なぜなら、入り口が違うとゴールはまったく違うものになってしまうからです。

 
 
身近な例をあげると、「施策は考えた、組織も変えた、でも管理者は同じ人」、ということがあります。
 
業績向上を可能とする施策を考えたとすると、当然それを実現させるための組織や仕組みを考える必要があります。
 
施策は、今までやったことのない新しい取組みであり、当然、組織や仕組みもまったく新しいものになります。
 
ここまではいいのですが、この新しい取組みの管理者(リーダー)となる人が、今まで業績を上げることが出来きなかったその部門の上級管理職となってしまうのです。
 
それで、取組みは成功するか? 
 
・・・無理なんです。
なぜかというと、その人が問題をしっかりと認識していたら、その会社全体がダメだとしてもその小さな組織は成功を収めていたはずなんです。
 
でもそれができなかった、それはその人の能力がないと言うのではなく、昔は成功出来ても新しい取組みには不向きということで、監督交代が必要なのです。
 
しかしながら、多くの場合、その人は上級管理職として存在してきたわけで影響力があるため、その人を再度責任者として残すほうが(ソフトランディング)、新たなそれなりの実力のある、でも上級管理職としてやれるかどうかわからない人を抜擢する(ハードランディング)より選ばれてしまうんです。

 
 
さて、ここで「取組みの失敗」以上大きな問題が起こります。皆さんおわかりでしょうか?
 
そうです、単に上級管理職であるが故にその人を選んだことで、新しい取組みにやる気満々だった人も含めてみんながその“変革への取組み”に疑問を持ってしまうのです。

 
 
ハードランディングすら恐れない心と気概を持ち、実現に向かって戦う心がいかに重要かということですね。
 
文責:柴田祥子

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顧客の利益第一主義

顧客の利益第一主義(斎藤顕一)

【解説】

「顧客の利益第一主義」の正しい意味を理解してもらうため、
僕がよく話す例をご紹介します。

ある会社の社長に「顧客の利益と自社の利益とどちらが大事だと思いますか?」

という問いかけをしたときに、その人は

「当然、自社の利益が第一でしょう。
お客さんの利益を優先したら我々は儲からなくなるじゃないですか。
社員がお客さんを喜ばせるためには、値引きをしたり、販促などのコストをかけるだろうから、
そうすると結局自社の利益率が減少することになるのでダメなんです」

と言われたのです。

僕は自社の利益をまず確保したうえで、
その枠組みの中で顧客の利益を考えるということは、
自社の利益中心であって、顧客中心主義とまったく違うと言っています。

もちろん“顧客の利益第一主義”とは、顧客の我がままに応えることでもないし、
顧客の利己主義を満たすことではないのです。

大事なことは、商品やサービスを手段として、
利他主義に徹する気持ちがあるかどうかということなのです。

その精神に顧客が感激すれば、
その商品やサービスは購入してくれることになり、
その結果、売上につながりそれが利益につながると伝えました。

実は、

「自社の利益をまず優先して、そのあと余裕があれば顧客を大事にする」

という考えは、この社長だけではなく多くの経営者が考えていることなのです。

ましてや、従業員も当然そう考えるはずなのです。

頭で考えると「顧客を喜ばせること」は重要であり、
なんとしでも実践したいことなのですけど、
ビジネスにおける行動から考えると
「自社の数値目標を絶対に達成する」という考えがより重要であり、
恐らくこれらの人にとっては次元の違う考えなのです。

同じレベルで捉えて、どちらを優先して考えるのか、
という問いかけすら、不思議に思うのでしょう。

まさに、建前と本音の世界のいい例示だと思います。

では、どうやって「顧客の利益第一主義」を実践するかと言うと
、要はお客さんを「家族であるかのごとくに大切にしよう、とまず考える」ことなのです。

相手を大切にしようとすると、実際に顧客がなにを求めているか、

期待値がどこにあるのか、
そしてそれは自社の価値観に合っているのかどうかを考える必要が出てくるのです。

顧客が本当に望んでいることを見分けるには、
「法人顧客の場合は、その会社の業績向上をどのようにすれば、
自社の商品やサービスでお手伝い出来るのかを考え、
消費者が顧客の場合は、その人の喜ぶ顔を見るためにはどうすればいいのか」を、
いつも自分の軸足としておく必要があるのです。

そして、顧客を感覚ではなく、しっかり事実ベースで分析し、
大切にすべき優先顧客を明確にして、
優先度の高い顧客を徹底的に大事にすることが求められるのです。

全ての人を顧客にはできないし、すべての顧客に満足を与えることはできないからなのです。

文責:斎藤顕一

斎藤顕一語録の著作権はフォアサイト・アンド・カンパニーにあります。
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使命を示す

企業において、会社の行動の拠り所となる“使命”ではなく、与えられた仕事やタスクを「ただこなすことを良しとする」文化が、会社の活力を奪い、なんら面白みのない場所に変えているのだ。
企業の使命を決めることが出来ると、部門の使命を明確にすることが出来て、その結果、個人の役割を決めることが出来るのだ。
そうすると、個人は自由に「使命達成」のための行動を考えることが出来るようになり、達成感が生まれ、企業に活力が生まれるようになるのだ。(斎藤顕一)

 
【解説】
 
「タスク??業務??使命???って何?」と思う方もいるではないでしょうか?
では、まずはこのタスクを理解してもらうために、ある例をご紹介します。
 
ビル掃除のおばさんに「ちょっと、この机が汚れているのできれいにしておいてくれませんか?」とすぐ側で働いている人がお願いをしたんです。
そのおばさんは「私は窓拭きとして雇われたんで、床掃除は別の人を雇ってください」と返答したんですね。
 
何がおかしいか、もちろんわかりますよね。(ここで違和感がないという方は、タスク中心の仕事に汚染されているかもしれませんね。。。)

 
 
では、何故彼女はこのような回答をしたかを考えていきましょう。
 
彼女はタスクとして「窓をきれいにする」は与えられていたものの「床を掃くことは自分のタスクではない」と考えこの発言につながったんです。
 
もしここで、この掃除のおばさんが「窓をきれいにする」というタスクではなく、「顧客が気持ち良く過ごすことのできる空間づくり」を使命として与えられていたら、どうでしょう、彼女は何の違和感もなく喜んで床をきれいにしていたことでしょう。
 
さて、どうですか、タスクと使命の違いについて理解できたでしょうか?

 
 
多くの企業がタスク中心で社員に仕事を与え、その弊害として、「自分のタスクしかしない。他の人に協力もしない」という現象が起こっています(自分に与えられた仕事すら、出来ない人もいるのですけどね!)。
 
それでは、社員全員が自分に与えられた仕事をやれば、会社は良くなるのか?
それはならないのです。
部分がよくても、全体を良くする力は部分同士の協力と工夫が必要だからなのです。
 
このようなタスク中心の仕事の仕方は、「自分さえ良ければいい」という考えを生み出すだろうし、改良・改善、新たな創造も求められていないため、その先に成長はないのです。

 
 
では、使命とは何かというと、「やるべきことを具体的に指示しないと人はサボる」という“性悪説”に基づいた考えではなく、「人に、企業の価値観と、やるべきことの方向性を明示すれば、人は自分なりに工夫して行動してくれる」という性善説に基づいた考えなのです。
 
これにより人間の潜在的能力を最大限に引き出し、継続して成長する企業を可能とするわけです。
 
そして、今は市場が厳しいからこそ、使命に基づいた行動がすごく重要となっているのです。

 
文責:柴田祥子

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成長するチームワークの源泉

チームワークを成り立たせようとすると、目的を明確にした上でそれぞれの人の役割を決めるんだけど、大事なことは「しんどいことは自分が率先する」という意気込みをそれぞれの人が持たなくてはならないことやと思う。
リーダーを含めて楽しようとする人が1人でもいたら、最強のチームは作れないと思ったほうがいい。

 
【解説】
 
世の中では「チームワーク」が重要であると言われています。
 
実際にチームワークと言うと「協力すること」、「綿密な計画」、「あ・うんの呼吸」とかいうことが思い浮かぶと思います。
確かにそれらは正しいと思いますがそれだけで本当に十分でしょうか?

 
 
齋藤が言うチームワークとは上記の言葉にもあるように、自分がもっともしんどいことを率先する気持ちをチーム全員が持つことによって生まれるとあります。
 
一人でも他の人のことを考えずに自分中心に考えたり、楽な道を選んでしまうと、どうしても皆一斉に楽な方へ「前へならえ」をしてしまうのが人間の業なんです。
だからこそ、一人一人がしんどいことを率先する気持ちを持つことが重要なのです。
 
誰かがしんどいことを率先してやると、助けを受けた側やそれを見た人はもっと頑張ろうと思って他の人に対しても自らしんどいことを率先してやるようになります。
そしてそれを受けた人がまた頑張る、というような連鎖的な反応が生まれます。
 
これによって「仕事はうまい具合に進み、皆のやる気もでるし、問題があっても補完される」というチームワークが生まれます。
また、それだけでなく自然と全体的に成長することができるのです。

 
 
ちなみに、チームがあるということはリーダーがいるということですよね。
 
ではリーダーの役割もちょっと考えてみましょう。
 
リーダーはもっともしんどいことを選んでやらなくてはならないし(リーダーが楽をしている状況で他のメンバーは頑張ろうとか思いませんから)、全体の動きと同時にメンバー一人一人をちゃんと見て、チームワークが生まれる状況を作らなくてはいけないのです。
 
まずは、皆にチームの目指す目的を伝えそれを実現するために必要な具体的な取組み(教育やツールなどの仕組み・仕掛けも)を伝えます。
それに加えてチームワークの重要性やその意味合いを伝えます。
 
具体的には全体のコントローラーとして機能し、良いところは褒め指導すべきことはしっかり理解してもらうように伝えて全体の軌道修正する、お互いにアドバイスや助け合いができやすいような雰囲気を作る、一人一人の状況を理解してときには仕事の量を調整する、そんな役割を担っているのです。

 
 
皆さん、一緒に仕事をするチーム(仲間、部門、グループ)について考えてみてください。チームワークは機能していますか?
 
文責 柴田祥子

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